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成功体験をどう積ませる? アルビレックス新潟Lが語る、男女混合チームで女子選手を伸ばす指導法

公開:2025年12月 8日

サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。

今回のテーマは「小学生『男女混合』から中学生『女子チーム』まで、女子サッカー指導の基礎」。講師はアルビレックス新潟レディースでゼネラルマネージャーを務める小川貴史氏と、アシスタントコーチ兼フィジカルコーチのモク・ソンジョン氏だ。

女子の競技人口は小学生年代では高い数字を示しているものの、中学生になると急減する。その背景にある環境と指導者不足に対し、女子選手の特性を理解した上で、どのように指導すべきか。

前編では「男女混合の場で女子を取りこぼさない指導の関わり方」について語ってもらった。(文・鈴木智之)

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小学生年代で競技者が減少する理由

前編のテーマは「男女混合の場で女子を取りこぼさない指導の関わり方」。小川GMは、女子サッカーが直面している課題について語る。

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「女子の競技人口は、小学生年代では高い数字を示していますが、中学生になるとガクッと減る傾向があります。その理由としてはプレーする環境と、女子選手を指導できる指導者の不足が考えられます」

小学生年代の女子選手の特性について、小川GMは「女子の方が、小学生年代は成長スピードが早く、精神的な成長も早い印象がある」と話す。

実際に小学生を指導してきたモクコーチは、現場での経験をこう振り返る。

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「スピードや方向転換などに関しては、そこまで差は感じなかったのですが、細かい動きになると、男子選手についていけない場面もあります。男子と1対1をやっても全然勝てず、負けて泣いている子もいたり。そういう場面をたくさん見てきました」

一般的に女子のほうが成長が早いが、サッカーの細かな動きになると、男子に敵わない場面も出てくるようだ。小川GMは運動習慣の差も、大きな要因だと指摘する。

「外遊びの機会は女子の方が少ないと思うので、サッカーという競技の中で、スピードや切り返しの場面でついていけないのは、そもそも運動機会の差によるものではないかと思います」

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女子選手の身体的な特徴

女子選手を指導する際において、身体的な特徴についての理解は不可欠だ。モクコーチはポイントを具体的に説明する。

「小学生の女子年代において、成長が早い人は生理を迎え、骨盤が広くなって膝が内側に入ることが多いです。そのため様々な動きの中で正しい動き、怪我をしない動きを身につけることが大切になってきます。例えば足裏のアーチを使うとか、股関節を後ろに引いてしゃがんでみる、走り方のリズムも含めて、成長するにつれて、そういった動きの重要性は増してくると思います」

続いて話題は「男女混成でトレーニングを行う際、どのような点に配慮すべきか」に移っていく。小川GMは「サッカーの原理原則」を大切にすることを強調する。

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「サッカーなのでゴールを奪う、ゴールを奪われない、ボールを奪う、奪われない。ここをしっかり抑えずに『女子だからこうしよう』という視点でトレーニングを設計をしてしまうと、サッカーの本質から離れてしまいます」

さらに、こう続ける。

「するとチームの中で『あの子は女子だから』という区分けができてしまう要因になるので、原理原則を大切にしながら、トレーニングを組み立てていくことが大事かなと思います」

成功体験を積ませる工夫

モクコーチは自身の経験から「成功体験をどう積ませるか?」が大切だと話す。

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「私は子どもの頃、男子と一緒にサッカーをしていたので、個人的な成功体験は少なかったです。技術があってもスピードで追いつかれたり、当たり負けしたりと、自信につながらないことが多くて...。そうならないためには『女子だから』という視点ではなく、体格が同じ者同士、同じスピード同士で競争させるなどの工夫が必要だと思います」

「COACH UNITED ACADEMY」動画では、他に「男女混成でトレーニングを行う際のコミュニケーション」「女子がジュニア年代で身につけておきたいこと」「女子のプライバシーについて」など、多岐にわたるトピックが展開されている。

女子選手に関わる全ての指導者にとって、重要なヒントが詰まっているので、ぜひ動画を見てほしい。次回の後編では「中学生年代での女子の選手のプレー環境」について掘り下げていく。

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【講師】小川貴史/
埼玉県吉川市出身。水戸ホーリーホックでスクールコーチとして2002年から指導を開始し、これまでに男女で全てのカテゴリーの指導経験がある。また、Jリーグリーグクラブのアカデミーダイレクターの経験もあり、組織作りやフィロソフィー策定にも携わった経験を持つ。2022年には、静岡SSUボニータ(なでしこリーグ2部)の監督としてリーグ優勝、なでしこリーグ1部昇格を果たした。2024年からは、アルビレックス新潟レディース(WEリーグ)のゼネラルマネージャーとして、強化育成部門の統括をしている。日本サッカー協会公認A級ライセンス、JFAスポーツマネージャーの資格を保有しており、SHCスポーツビジネスマスターコースも修了している。

【講師】モクソンジョン/
韓国出身。2013年に日本へ渡り、2014年にジュブリーレ鹿児島で選手をしながら指導を開始。これまでにU-6からトップチームまで、男女を問わず幅広いカテゴリーの指導経験がある。2018年からは鹿児島ユナイテッドFCでスクールコーチ、スクールリーダーとして育成年代の指導や組織運営に携わり、年代に応じた技術・判断・フィジカルを統合した指導を実践。鹿児島地域の育成基盤づくりにも貢献した。2021年からはアルビレックス新潟レディースでU-18/U-15コーチとしてアカデミーの指導に従事。2022年からはトップチームでアシスタントコーチ兼フィジカルコーチとして、WEリーグにおけるフィジカル強化およびコンディション管理を担当している。日本サッカー協会公認B級ライセンス、JFAフィジカルフィットネスBライセンス、JLPT N1を保有。

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