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セレクションなしの強豪街クラブが実践!ジュニア年代から習得させたい、守備の個人戦術を身につけるトレーニング
公開:2025年1月27日
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「守備に必要な個人戦術の確認と実践」。ジュニア年代から身につけておきたい、守備の基本となる個人戦術について、中野島FCの岡本一輝監督によるトレーニングを紹介したい。
岡本監督は過去に何度もCOACH UNITED ACADEMYに出演しているが、指導がわかりやすいと評判だ。また、中野島FCはセレクションを実施しない街クラブで、いわゆる「普通の子」たちを成長させ、2022年度には「アイリスオーヤマ U-11プレミアリーグチャンピオンシップ」で優勝するほか、多くの選手をJクラブに送り込んでいる。
指導手腕に定評のある岡本監督は、どのようなトレーニング、コーチングで、子どもたちに、守備の個人戦術を植え付けていくのだろうか?(文・鈴木智之)
インターセプトから始まる守備の意識
COACH UNITED ACADEMY動画、前編のテーマは「守備に必要な個人戦術の確認」。最初のトレーニングは「2対2+2サーバー」を実施。グリッド内で2対2の状況を作り、攻撃側はサーバーに当ててリターンパスを受けてライン突破、もしくはドリブルでの突破を目指す。
岡本監督は「ゴールを守るため、ボールを奪うために選手各々が状況に応じたプレーを選択し、それを正確に実行することが大切」と話すとともに「一つひとつのプレーに勝負へのこだわりを持ち、本気で競い合うこと」の重要性を語る。
トレーニングを実施するのはU-9の選手たち。岡本監督は相手のパスをインターセプトしたプレーを称賛し、「守備で最初に意識すべき要素」として強調。
さらにプレッシャーの速度にも言及し、「相手がボールを蹴る瞬間に、(パスの受け手に向かって)全力で走って寄せる」と説明していく。
また、守備の基本として、守備者2人が間を閉じながら、サイドにボールが入る瞬間に、全力で寄せることを指導。一方で攻撃側に対しては「どこでパスを受ければ優位になるか」を考えさせ、立ち位置の重要性を説いていった。
状況に応じた判断基準の確立
さらに、裏のスペースを取られた選手に対して、「どうすればいい?」と問いかけ、「ポジションを下げる」と答えを導き出していく。
それを踏まえて「ボール保持者の状況がいいので、この場面ではスペースを埋める守備をしよう」とプレーの判断基準を提示。このあたりの様子は、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」の動画で確認してほしい。
トレーニングは徐々に発展し、サーバーへのリターンパス禁止というルールを追加。守備側は新たなルールに対応するため、ボール奪取の方法を考えることが求められる。
岡本監督は「ボール保持者の近くにいる選手は、ゴール方向へのパスを出させないようにコースを切る」「もう1人の選手はパスの受け手をマークする」という具体的な判断基準を示していく。
さらに「ここを切れ」などの声掛けの重要性を強調し、コミュニケーションをとることで連動した守備がしやすくなることを伝えていった。
ゴールを守るため、ボールを奪うための手段を共有する
続くトレーニングは「3対3+2サーバー」。人数が増えることで、状況はより複雑になる。ここで岡本監督はボールウォッチャーになった守備に言及し、「ボールだけを見たら相手を見失う。周囲の選手も見ることで、どこが怖いかに気付ける」とアドバイス。
さらに、ボール保持者へプレッシャーをかけることでパスコースを限定し、2人目の選手がインターセプトを狙うという具体的な動きを提示。「守備はまず場所(スペース)を守る」という原則を示しながら、実践的な指導を展開していった。
以上で前編のトレーニングは終了。岡本監督は次のように振り返った。
「前編では、守備に必要な個人戦術の確認のトレーニングを行いました。ボール状況、相手の状況を見ながら、正しいポジショニングが取れているかを観察し、デモを見せながらポジショニングの基準を提示していきました。特に重要なのは、ゴールを守るため、ボールを奪うための手段を共有すること。そのためには、相手を見て適切な判断をすることが大切になります」
後編では、前編で確認した守備の個人戦術を、より実践的な場面で実行できるようなトレーニングを展開していく。
【講師】岡本一輝/
日本サッカー協会公認A級コーチU-12及び同U-15ライセンスを保持。中野島FC、川崎フロンターレU-15、川崎フロンターレU-18、桐蔭横浜大学、Angkor Tiger FC(カンボジアプロ1部リーグ)でプレーし、2019年から中野島FCの監督に就任し指導者としてのキャリアをスタート。2022年夏に行われた「アイリスオーヤマ第7回プレミアリーグチャンピオンシップ」でクラブ初となる全国大会優勝を達成した。
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