スポーツ先進国の親たちが学ぶ!スポーツペアレンティング講座とは

2016年11月 7日

なぜ、あなたは子どもにスポーツをしてほしいの? 親が本気で考えるための10項目

みなさんは"スポーツペアレンティング"という言葉をご存知ですか? 
 
スポーツ先進国のアメリカではよく耳にする言葉で、親として子どものスポーツにどのように関わるかを考えるものです。
 
普段は穏やかな性格でも、子どもの試合を観戦するときに熱くなるお父さんお母さんも少なくないのではないでしょうか。わが子が覇気のないプレーをしていたり、重要な場面でミスをしたりするのを見ると、ついカっとなることがあります。そして、強い口調でミスを責めてしまい、家に帰ってから後悔したりします。
 
このような悪循環を断ち切るにはどのようにしたらいいのでしょうか。
 
今回、筆者はアメリカの『ポジティブ・コーチング・アライアンス』という団体が提供している親向けのオンラインコースを受講してきました。(取材・文 谷口輝世子)
 
 

■親として子どもになにを期待しているのか把握しよう

このオンライン講座は『セカンド・ゴール・ペアレンツ』と名付けられています。子どもたちがスポーツするうえでの第一のゴールはパフォーマンスを向上させ試合に勝つという、スポーツ競技本来の目標です。しかし、親は、第二のゴール(目標)に目を向けようと呼びかけています。親として、子どもがスポーツ活動を通じてどのような時間を過ごすことができれば目標達成となるのか、どのようなことを身に着ければ目標達成なのか、ということです。
 
講座のはじめに行われたワークショップがユニークなものだったので、今回のレポートでご紹介したいと思います。
 
まず、「親として、子どもがどのようなことを身に着け、達成したら、あなたの目標達成になりますか」という問いかけがあります。簡単に言い換えると、「親として子どものスポーツに何を期待しているか」ということになります。
 
親は、自身が考える重要度に応じて、以下の項目に100ポイントを割り振ります。
 
 
・よいアスリートになる
・そのスポーツを学ぶ
・チームワークを学ぶ
・勝利
・自信をつける
・フィットネス
・困難に負けないことを学ぶ
・楽しむ
・友達を作る
・競技優秀者に与えられる大学奨学金(日本の特待生)
・その他 自由書き込み
 
※各項目の合計が100ポイントになるように
 

■勝利より大切に考えていることがあるかもしれない

ポイントを書き込むことによって、親は子どものスポーツに何を求めているかがクリアになってきます。
 
落ち着いた状態では、勝利に「100」とポイントを入れる親はほとんどいないでしょうか。しかし、「勝利 5」と書き込んだはずなのに、試合を観戦しているうちにエキサイトして「勝利 90」になってしまうことがあります。
 
そのような状態に陥るのを防ぐためにはどのようにしたらよいのか、ということもワークショップで学びます。親としてどのようにしたらよいかの具体的な方法を考えるのです。
 
まず、先のワークシートのうち、高いポイントをつけたものを3~5つ選びます。
 
そして、高いポイントをつけた項目を達成するために、親は子どもの試合を見るときにどこにフォーカスをしたいか、子どもにどのような声をかけたいかを具体的に書き出します。
 
例えば、「困難に負けないことを学ぶ」を親が重要視しているのなら、大量リードを許したときでも、あきらめずにボールを追いかけていたか。そうであったら、どのように声をかけたいか、などです。
 
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