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自分で考えて決められる 賢い子供 究極の育て方

2019年2月22日

21歳でガンバ大阪を戦力外! ビジネス界に転身し今や古巣のスポンサー。元Jリーガー社長が成功できた理由とは!?

キーワード:ガンバ大阪ライフスキル嵜本晋戦力外株式会社SOUJリーガー

Jリーガーになりたい。プロのサッカー選手になりたい。そんな夢を描いてプレーする子どもたちの可能性を信じてサポートするのが親の役目。それはわかっていても、一人の大人、人生の先輩として、すべての子どもの夢が叶うわけではないことも知っている......。

サッカーをプレーする子を持つ親として、この現実をどう考えるかは大きな悩みの一つでしょう。

しかし、サッカーと人生を分けて考えなくても良いとしたらどうでしょう? サッカーをプレーすることが人生を生き抜く技術になる。そこで必要となるのは思考力、判断力、表現力といった問題解決能力、つまり「ライフスキル」です。このライフスキルはサッカーにおいても、もっとも重要なスキルであり、サッカーを通して身につけ、伸ばし、強化することができます。

サカイクが開催している「サカイクキャンプ」では、2017年の春よりライフスキルプログラムを導入しており、この度「自分で考えて決断できる」子どもに育てるための親の関わり方のヒントをまとめた「自分で決められる賢い子供 究極の育て方」(KADOKAWA)を発売しました。

この連載では、サッカーで"ライフスキル"を得た人たちを紹介していきます。

第1回目に登場するのは21才でガンバ大阪に戦力外通告を受けた後、創業わずか7年でマザーズ上場を果たした経営者、株式会社SOU代表取締役の嵜本晋輔さん。

『戦力外Jリーガー 経営で勝ちにいく 新たな未来を切り拓く「前向きな撤退」の力』の著者でもある嵜本さんのライフスキルに迫ります。

※ライフスキルとは、WHO(世界保健機関)が各国の学校の教育課程へ導入を提案している考え方で、「人生で起こるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」と定義されています。

(取材・文:大塚一樹 写真:平瀬拓)

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株式会社SOUの嵜本社長 写真:平瀬 拓

■21才で戦力外通告! サッカーはビジネスに役立つのか?

サッカーとビジネスはまったく別のもの。自分はむしろマイナスからのスタートだとそのときは思っていました」

18才でガンバ大阪に入団した嵜本さんは、21才で戦力外通告、3年で子どもの頃から夢に見たプロサッカーの舞台から去ることになります。

「2003年ですね。ガンバ大阪から戦力外を言い渡されることになったんですけど、直後は、自分の負けを認めたくないという感情の方が強くて、むしろ自分を認めなかった人たちを見返してやるという思いが強かったのを覚えています」

Jリーグのトライアウトを受けたものの、どのクラブからも連絡はなく、アマチュアのJFLでプレーすることになった嵜本さんの思いは、働きながらプレーする日々の中で少しずつ変化していきました。

「あまりにも自分が思うようなプレーができず、自分自身の能力を客観視できるようになったんです。冷静になって自分を見つめた結果、『自分はサッカーには向いていない』という結論に至りました。それに気がついた瞬間に、『次の世界で自分に向いているものを見つけよう』と考えることができました」

サッカーからの"完全撤退"を決めた嵜本さんはお父さんが経営し、2人のお兄さんも携わっていた家電のリユースの会社に勤めることになります。

「それまでは、サッカーのことしかやってこなかった。そのときはサッカーをやってきたことが仕事に活きるとは全く思っていませんでした。マイナスからのスタートで、誰よりも努力しなきゃいけないと思っていましたし、求められる能力を一刻も早く身につけなければいけないという気持ちで、朝早く出勤してオフィスを掃除したり、休むことを求めず仕事に没頭していました。でもそれは全然負担とか無理をしていたわけではなくて、むしろ楽しかったんですね」

著書の副題にもある「前向きな撤退」を果たした嵜本さんがいかにしてビジネスを学んでいったのか? その学びとサッカーの関係性について、ここからは嵜本さんへのインタビューを紹介する形で紹介していきましょう。

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株式会社SOUは創業から7年でマザーズ上場、2017年からガンバ大阪のオフィシャルスポンサーとなっている。 写真:平瀬 拓

■サッカーから学んだ「失敗は成長の機会」

――"そのとき"は、ビジネスにサッカーが役に立つとは思っていなかったということですが。

「いまになってみると、全部つながっているんですよね。サッカーをプレーしていた頃、自分がそこまでできていたかどうかと聞かれると、できていなかったから活躍できなかった、その頃にそういうことをわかっていたらもっと違う未来があったとも言えるのですが、経営者になったいまだからこそ実感できていることがたくさんあります。

たとえば、サッカーは個人競技ではなくチームスポーツであるということ。これは会社もまったく同じなんですね。サッカーでは、どんなにうまい選手でもチームの和を乱すようなプレーをしてしまうとチームとしてのパフォーマンスは上がりません。反対に突出した個の力がなくても、全員がお互いの立場に立って支え合い、意思統一がしっかりできているチームが自分たちより格上の強いチームを倒す可能性があります。これはまさに経営と同じなんです。

どれだけ優秀な人を集めても、周りの意見を尊重せず自分の意見を押し付け合っていてはチームとしてのパフォーマンスは下がってしまう。そういう状態では、会社としての結果は出せません。自分の利益ではなくてまずはチームの利益を尊重できる。自分最適ではなくて全体最適、チーム最適の視野で物事を見られることが重要という点は、間違いなくサッカーに学んだことです」

――著書の中で触れられていますが、独立、創業から異例のスピードで会社を成長させてきた嵜本さんは「失敗は成功の母」ならぬ「失敗は成長の機会」ととらえているそうですが。

「ぼくは誰よりも早く失敗することに一番価値があると思っているんです。誰よりも早く失敗すれば誰よりも早く成功するためのヒントを見つけられる。僕自身がすべて出来ているわけではないので偉そうなことは言えませんが、そういう感覚をすごく大切にしていて、常にチャレンジするようにしています。いまは、『リスクを取らないことがリスクになる』世の中です。現状満足=衰退なので、常に成長するための失敗を恐れずにチャレンジするようにしています」

――その辺りはまさに足でボールを扱う"ミスのスポーツ"サッカーと共通する点がありますね。では、これも本の中で重要な役割を果たしている"前向きな撤退"については?

「自分のキャリアもそうなんですけど、意思決定をした瞬間にはそれが前向きな決断になるのか、それとも後ろ向きなのかは誰にもわからないんです。その決断がもしかしたら間違えているかもしれないけど、意思決定した後が大切なんだと思います。

僕の例でいえば、プロサッカー選手をあきらめてビジネスの世界に進んだとき、その時点ではそれが正解かどうかは誰にもわかりませんよね。だから僕は、サッカーをやめたことを絶対正しい道にしようと思って頑張ってきたんです。意思決定、決断をした後に『これは前向きな撤退だった』と証明するのが大切。1回間違えても、次は別のことを試してみる。そうすることで、過去を"前向きな撤退"に変えていけばいい。撤退した後、間違えたと思ったその後に自分がどうするかが重要です」


20代前半で「目標にしてきたプロサッカーの世界との別れ」という大きな転換期を迎えた嵜本さんはその後、仕事に邁進し、起業、経営に没頭することでこの出来事を"前向きな撤退"にすることに成功しました。

次回は嵜本さんがサッカーで学んだことを次のキャリアで活かせた理由と、その背景あった家族との関係性を語っていただきます。

インタビューに答えてくださった嵜本晋輔社長の書籍

「自分で決められる賢い子供 究極の育て方」

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取材・文:大塚一樹 写真:平瀬 拓

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