U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022

2022年9月 1日

「縦を切ってボールの出所をつぶす」力の差があってもバルサを追い詰めることができたバディーSCのポイントを絞った戦い方

2022年8月下旬に行われた、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022。3年ぶりに来日したFCバルセロナと決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)で戦ったのがバディーサッカークラブ(バディーSC)です。

2019年の全日本U-12サッカー選手権大会で日本一に輝くなど、強豪として知られるバディーサッカークラブ。GK松本大駕選手を中心に体を張った守備を見せ、攻撃力が持ち味のバルサを無失点に抑えました。

試合は惜しくもPK戦で敗れましたが、最後まで勇敢に戦った姿にピッチは大きな拍手で包まれました。

試合後、チームを率いる佐野裕哉監督(以下、佐野)に話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

 


技術やフィジカルで上回るバルサを、ボールの出しどころを潰す戦い方で抑え込んだバディーサッカークラブ(C)新井賢一

 

<<関連記事:バルサのPKを3連続ストップで勝ち上がったヴィッセル神戸を制し、malvaスクール選抜が優勝

 

■「縦を切る」ことに絞ってボールの出どころを潰した

――スコアレスドローからのPK戦と、バルサをあと一歩のところまで追い詰めました。試合を振り返って、感想をお願いします。

佐野 40分を通して厳しい戦いでしたが、子どもたちは「チャンスがあれば点を取ってやろう」という気持ちでプレーしてくれました。前半から「まずは給水タイムまで耐えよう」と話をして、前半が終わったときには「俺らやれてるよ」という気持ちになったんじゃないかと思います。後半も良いモチベーションの中でプレーすることができました。

 

――バルサは両ウイングにスピードのある選手を揃え、サイド攻撃が特徴的でした。どのような対策をしたのでしょうか?

佐野 バルサには早生まれの子も多く、うちの選手よりもフィジカル的、技術的に高い部分があります。

まずはそこを認識した上で、ドリブルを仕掛けてくるスピードのある選手に対しては、前に持ち出されないように縦を切ること。横にドリブルされたり、パスはOKだと割り切りました。あとは粘り強く、守備から入ることを伝えました。

バルサはグラウンドを広く使ってボールを動かすので、全部追い回すと体力的にきつく、ボールを奪えないと思いました。そこで縦パスのところ、ボールの出どころはしっかり潰していこうという話をして、いい距離感で奪えた場面もありました。

 

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■「楽しんでいこう」と選手たちに声をかけた

――攻撃に関して、どのように攻めるイメージを持っていたのでしょうか?

佐野 バルサがボールを保持する展開になるのは予想していたので、まずはしっかり守備をすること。ボールを奪うことができたら、足下でつなぐと奪い返されてしまう危険性があるのでなるべく相手の背後を狙おうという話はしました。

フルコートの11人制は数回しかしていないので、まずはボールを相手陣地に入れて全体をコンパクトにして戦うことは、練習を通じて取り組んできました。

 

――バルサ戦でしたが、選手には何と言って送り出したのですか?

佐野 「バルサと試合ができる機会なんてない。楽しんでいこう」と言って送り出しました。子どもたちもバルサが相手ということで、気持ちが高ぶっていたり、緊張していたと思いますが、見ていて楽しい試合をしてくれたと思います。

 

■サッカーを通して人として成長させていくことを掲げている


サッカーを通して人間性を育てることを大事にしていると語ってくれたバディーサッカークラブの佐野監督(C)新井賢一

  

――バディーサッカークラブは2019年の全日本U-12サッカー選手権大会で優勝するなど、強豪の地位を築いていますが、育成面で大事にしていることは?

佐野 まずは子どもたちの個性を潰さないことです。そしてサッカーを通じて、人間性を育てることを大切にしています。ただ勝つだけではなく、もちろん勝った喜びもありますが、勝った負けたの中で、サッカーを通して人として成長させていくことが、全カテゴリーで共通した狙いです。

 

――バルサ戦のハーフタイム。最初に子どもたちだけで話し合っていて、監督とコーチが、少し離れたところで見守っていました。すごくいい距離感だなと感じました。

佐野 プレーしているのは選手たちなので、話したいことがあればまずは選手同士で話をするようにしています。僕らコーチは、遠目で話を聞きつつ「選手交代どうする?」などの相談をしていました。

 

――試合中のコーチングの仕方や内容を見ていると、子どもたちを尊重しているように感じました。上から押さえつけるような声掛けは、ほとんどありませんよね?

佐野 そこに注目していただけてうれしいです。時には厳しく言うこともありますが、先程も言ったように人として成長することを第一に考えているので、子どもに対する言葉遣いや表現には気をつけています。

強く言う場面があったとしても、乱暴な言葉ではなくちゃんと子どもが理解できるような言葉を使うおうと。接するときの態度も含めて、スタッフみんなで気をつけている部分です。

 

■バルサと引き分けたことは自信につながったのでは 


PKを外してしまった仲間を慰めに行く選手たち。日本のチームはライン上で待っていることが多いが、この大会で見られた仲間を大切にするシーンの一つ(C)新井賢一

 

――試合をしてみて、バルサの印象はいかがでしたか?

佐野 トップチームのイメージはパスサッカーですが、サイドからの仕掛けも含めて、個の打開力がすごいと感じました。これも、ワールドチャレンジに参加できたからこそ、感じることができたものだと思うので、大会に参加できたことに対する感謝の気持ちでいっぱいです。

 

――選手たちには、この経験をどのように活かしてもらいたいと考えていますか?

佐野 子どもたちは、まだまだこの先の未来があります。中学生、高校生、大人になったときに「バルサと試合をしたんだ」という人生の財産になるのは間違いないと思います。
試合に出た子は、実際に戦ってみて、様々な印象を感じたはず。世界との差を感じたのか、それとも全然やれるぞと思ったのか。人それぞれだとは思いますが、大舞台でバルサと戦って引き分けたことは、みんなの自信に繋がったのではないかと思います。

 

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