U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2021

2022年1月 7日

「判断と実行と認知を基に戦う」フィジカルに頼らないエコノメソッドスクールが目指す、日本人が世界で戦う方法

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジの昨年大会で4位に入ったエコノメソッドスクール選抜。

今回は予選リーグでセンアーノ神戸ジュニア、湘南ベルマーレアカデミー選抜に敗れ、パルアリーレ福島に勝利したもののグループ3位で、上位リーグへの進出は叶いませんでしたが、随所に「らしさ」を見せていました。

普段は別々のスクール(関東4校、関西4校)でプレーをしている選抜チームならではの難しさもあったようですが、大会を通じてどんな戦いを心がけて来たのか、など監督と選手に伺いました。
(取材・文:貞永晃二、写真:浅尾心祐)

3日目エコノメソッドスクール選抜対札幌ジュニアFC (写真:浅尾心祐)

■選抜チームならではの難しさ

――この大会をどう位置付けされていますか?
佐藤泰成監督(以下、佐藤) エコノメソッドという同じフットボールのスタイルを自分たちで体現していきたいという選手たちが一応選抜という形で集まっています。それぞれ異なるチームで学んでいることもあるし、自分たちがやりたいサッカーをピッチの中でやれるかどうかというのを高いレベルで試すという、すごくいい機会、大会だと思っています。

――今大会に向けて選手たちに伝えたことは?
佐藤 今も選手たちに言ったことですが、それぞれの武器があると思っているので、その武器をピッチ上で表現するということ。挑戦をぜひやってほしいと一番最初に話しました。挑戦するには勇気を持つ必要があるので、挑戦しやすいように他のチームメイトも常にサポートしてあげる姿勢をチームとして持っていこうねと話しました。

――ここまでの試合を終えて手ごたえはどうでしょうか?
佐藤 尻上がりによくなってきたかなと。選抜チームなので最初はお互いのいいところを見つけるのが難しい中で、試合を重ねるにつれていいところも分かってきたし、自分の新しい武器に気づいてきたこともあるし、11人制に徐々に慣れてきた中で少しずつ良くなってきて、今日得点も前半後半でとれたので、すごくいい形で最後の一戦に望めるのかなと思います。

――昨年参加された結果を受けて今大会に向けた取り組みはされましたか?
佐藤 去年はベスト4と聞いていますが、選手も違うし相手も違うので、去年以上を狙いたいという気持ちはあったし、選手は頑張ったとは思います。ただ、結果は結果だし、自分たちがやれることをやれたのかやれなかったのかにフォーカスしてやろうねと常に話していたので、みんな悔しい気持ちはあると思いますが、それでも自分たちが正しいと思うことをやっていこうと頑張ってきました。

 

■判断と実行と認知というのを基に高いレベルまでやっていきたい

――今大会の選手は全体的に大きい選手が多いと感じますが、フィジカルの差は感じられますか?
佐藤 それはあると思います。エコノメソッドで日本人が世界で戦うためにどうやったらいいのかを考えて、スペインとかに近いフィジカルの部分はあるし、その中で自分たちは判断と実行と認知というのを基に高いレベルまでやっていきたいということで集まっているメンバーなので、フィジカル的に優れたメンバーが集まっているかというとそうではないかもしれませんが、それでも自分たちの武器を出して精一杯戦う姿勢はできたと思います。

――エコノメソッドでは認知、判断の部分にすごくフォーカスした指導が特徴ですが、それは出せたと?
佐藤 出せたと思います。近い距離でボールを受ける時でも、背後の認知だとかスクールやキャンプでやっている部分がしっかり出せたと思います。

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■大会の4日間を通じてピッチ内外で成長

――この期間ですぐには形になっていないかもしれませんが、選手として成長を感じた部分は?
佐藤 ピッチ内、外で感じます。もちろんピッチ内で徐々に見えるものは増えてきているし、普段は8人制でピッチも半分なので、単純に言うと"倍"のスペースを見なければいけないので、それも徐々に見えてくるようになっているし、ピッチ外では初対面の時には分からなかったそれぞれのパーソナリティも少しずつ見えてきているし、かかわり方や馴染み方も少しずつ良くなっているなと思います。

――最終戦に向けて
佐藤 常に気持ちは変わらないので、勝利にはもちろんこだわるけれど、自分たちのサッカーを貫こうというのは変えずに最後はみんなでいいサッカーをして得点をたくさん獲れればいいし、結果は結果だが自分たちのやれることにフィーカスしたいと思います。

 

■エコノメソッドスクールを選んだ理由

選手たちにも話を聞きました。
――みなさんがエコノメソッドに選んだ理由と好きな選手を教えてください。
背番号13・上原桜太(うえはらおうた) スペイン人コーチ、通訳からサッカーを学べると思って入りました。好きな選手はチャビ・エルナンデス(FCバルセロナ監督)です。

背番号5・前田樹流生(まえだじるあ) スペインサッカーを好きだったし、キャンプの時に総合MVPになったので入ろうかと思ったし、スペイン人コーチも優しかったからです。好きな選手はイニエスタ(ヴィッセル神戸)です。

背番号9・長谷川昂星(はせがわこうせい)  スペインサッカーが好きだったし、ジュニアユースで強いチームに行けるようになりたくて来ました。進路はグランデ・アメージング・アカデミーに決まりました。

背番号20・渡部大心(わたべだいな) 憧れている先輩(中3)がエコノメソッドに通っていたから、上手くなりたいと思って通い始めました。好きな選手はデブライネかクリスティアーノ ロナウド(マンチェスター
・ユナイテッド)です。

背番号18・大森功誠(おおもりこうせい) 近場のチームでやっていましたが、もっとレベルの高いところへ行った方がいいと思ってネットで調べて体験練習に参加したら、ここなら上手くなれると感じて決めました。好きな選手はネイマール(パリ・サンジェルマン)です。

 

■選手たちが「自分の成長を感じた」ところ

――今大会で自分が成長したなと思うところを教えてください
上原 僕は体が小さいのでこの大会の選手はほとんど大きいので、自分は球際の部分が強くなったかなと思うし、スライディングや体を捨てたプレーができるようになったり、体負けもしなくなったりして、そこは成長したなと感じました。

前田 認知の部分と3人目のもらい方、使い方のところが成長できたと思います。メンタル面、1対1の強さが成長できたと思います。

長谷川 大会に来る前とでは対人の強さがよくなったと思います。

渡部 いつもはFWだけど、ここでインサイドハーフをしてその動き方が分かったのが成長した点だと思います。

大森 ワールドチャレンジの参加を通じて11人制の大事な試合に出られたので、今後に生かせそうだと思いました。チームで協力して勝ちたいという気持ちが強く持てるようになったと思います。

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