U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016

2016年10月20日

バルサと対戦した日本の12歳が感じた一番の差は"ボールを奪うプレー"にあった

FCバルセロナの優勝で幕を閉じた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。決勝戦後に見せた、FCバルセロナの選手たちの振る舞いが多くの人の感動を呼び、大きなニュースになりました。前回はオフ・ザ・ピッチの部分に焦点を当ててお伝えしましたが、今回はプレー面で、大宮アルディージャジュニアの森田浩史監督、キャプテンの多久島良紀くんが感じたことを振り返ります。監督・選手が感じた差は、どんなところだったのでしょうか?(取材・文 鈴木智之)
 

■バルサとの一番大きな差は、ボールを奪うプレーにある

ジュニアサッカーワールドチャレンジ決勝戦。FCバルセロナと大宮アルディージャジュニアの試合は、1対0でスペインの名門クラブが勝利しました。前半、大宮はキャプテンの多久島くんを中心に守備で健闘しますが、後半18分に決勝ゴールを決められてしまいます。
 
森田監督はバルセロナの選手と対戦し、「大きな違いを感じた」と語るのが、球際の強さ、激しさといった“ボールを奪うプレー”についてです。森田監督は言います。
 
「バルサの選手たちは攻撃面の技術が高いですが、差として一番大きく感じたのが球際の強さと切り替えのスピードです。ボールを奪われたら、全員で素早く奪い返す。そのための判断の速さ、アジリティ、スライディングタックルの技術という部分は、日本の対戦相手からは感じることができないものでした」
 
 

■ボールを奪いに行くときに迷いがない

森田監督はさらに、こう続けます。
 
「ボールを奪いに行くことに、迷いがないんですよね。日本の選手の場合、寄せに行くスピードを緩めてしまったり、途中で止まってしまうこともあるのですが、バルサの選手は途中で止まらないし、スピードもあって、相手に寄せる距離も近い。普段のトレーニングから激しい守備をしているので、攻撃のレベルも上がるのかなと思います」
 
 
キャプテンの多久島くんも「守備はある程度できたところもありましたが、攻撃面はほとんど何もできませんでした」と語ったように、大宮の選手たちがボールを奪い、攻撃に転じようとすると、バルサの選手たちは疾風のようなスピードでボールホルダーにアプローチをしに行きます。それも2人、3人とクループで襲いかかるので、大宮の選手はなかなか前に効果的な形でボールを運ぶことができませんでした。
 
日本代表のハリルホジッチ監督は「デュエル(決闘の意)」という言葉を使い、球際を含めた攻防の重要性を訴えかけていますが、A代表で出る現象の根っこには、育成年代での取り組みにあるのも事実。球際の強さ、寄せのスピード、レフェリーの判定基準など、世界のトップレベルと互角に戦うためには、変えていかなくてはいけない部分でもあります。
 
 
次ページ:世界を体感することで、基準が高まる
 

 
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