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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016

常勝軍団バルサの監督が選手たちに与えた4つのアドバイス

公開:2016年8月28日 更新:2020年3月24日

キーワード:FCバルセロナサッカーサービスジュニアサッカーワールドチャレンジ

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジはいよいよ最終日。決勝戦のカードは圧倒的な力を見せつけて勝ち上がってきたFCバルセロナと準決勝で川崎フロンターレU12を下した大宮アルディージャジュニアが激突。大会を締めくくる決勝戦は、終盤まで0対0で推移する好ゲームになりました。
 
大宮は全員守備でエキシビジョンも含めれば6試合で28得点と破壊力抜群のバルセロナの攻撃陣を無失点に抑えます。後半に入っても、大宮の集中力は途切れることなく、これまでの試合では終盤に力を発揮して相手を突き放してきたバルセロナもなかなか得点することができませんでした。
 
均衡を破ったのは、得点力とポストプレーで存在感を見せたバルセロナのCF、チャビエル・プラナス(背番号9)選手。味方のサイドからのパスが抜けてきたところを抜群のコントロールで持ち出し、冷静にゴールネットを揺らします。試合の最終盤、大宮も反撃のため最後の力を振り絞ってチャレンジしますが、1対0で試合は終了。FCバルセロナが2年ぶりの優勝を果たしました。(取材・文 大塚一樹 写真 八木竜馬)
 
【試合結果】
準決勝 FCバルセロナ 4―0 東京ヴェルディジュニア
    川崎フロンターレU-12 0―0 大宮アルディージャ
              (PK2-3)
3位決定戦 東京ヴェルディジュニア 2―0 川崎フロンターレU-12
決 勝 FCバルセロナ 1-0 大宮アルディージャジュニア
 
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■バルサが後半に強い理由

バルセロナと対戦するチームの第1回大会からの傾向として、前半は互角以上に戦えても、後半に入ると点差をつけられる、あるいは試合を決められるパターンが多いことに気がつきます。その理由のひとつは、守備的な布陣を敷く日本勢が徐々に体力を奪われるのに対し、バルセロナは選手一人ひとりにプレータイムの目安を設けているため、ピッチ上につねにフレッシュな選手がいることです。こちらは徐々に疲れてくるのに、次から次へと新しい、しかもクオリティの高い選手が出てくるのですから、守るほうとしてはたまりません。
 
もうひとつの理由は、バルセロナの選手が試合中に相手のプレーを観察し対応策を模索、さまざまなオプションを使ってゴールに迫る点にあります。U-12年代でこうしたアプローチができるのはさすがにバルサ。このときは監督からの指示でしたが、準決勝のヴェルディ戦でも、中盤の数的不利を解消するために中盤をダイヤモンドの4人の構成に変える、2トップでFWのポジショニングを微調整すると言った変更指示にあっさりと合わせて、そこからゴールを生み出していました。
 
なかなかゴールが奪えなかった決勝戦でも、守備に人数を割く大宮に対して、左右の幅を広くとるポジショニングから、ドリブルで相手を引き付けてスペースを作るという試みを繰り返していました。相手のやり方に応じて最適な攻め方を選択できる、そもそも攻め方の選択肢を持っていることが、バルセロナの最大の強みなのかもしれません。
 

■一人ひとりのクオリティが高くチームで力を発揮したバルサ

ここからは、試合をバルセロナのベンチの近くで観ていた世界的指導者集団、サッカーサービスのアルベルト・ペレスコーチの決勝と大会を通じてのバルセロナ評を紹介します。
 
ベンチの近くで監督の指示を聞いていたところセルジ・ミラ監督は
 
・ドリブルで引き付けてからパスを出すこと
・幅に加えて縦の広さ、深さを出すこと
・相手のカウンターを受けないポジションをとること
・攻撃時にボールを失わないこと
 
を特に強調していました。
 
大宮はバルセロナのパスワークに対して人数をかけてスペースとコースを埋める方法をとりましたが、バルセロナは窮屈なピッチを広く使えるようにするためのアプローチをしていたわけです。同時に一度危ないシーンがあったカウンターも警戒していましたが、攻撃のオプションとしてフリーで上がっていくCBのカバーにパスの供給役の6.アドリア・カプデビラが神経を使わなければいけなかったのは、攻撃にとって少しマイナスでした。
 
決勝点はサイドからのパスがCFに入っての得点でしたが、意図したパスと言うより、別の選手が受け損ねたボールが9番のところまで抜けてフリーになったという状況でした。とはいえ、9番のチャビエル・プラナスは、落ち着いて良いコントロールをして、シュートを確実に決めました。大会を通じて彼がピッチにいることで勝利の確率が上がっていました。決定力を持った良い選手だと思います。そのほかにも4番のアルナウ・カサスと3番のディエゴ・アルメイダのCBコンビや、SBの5.フアン・ラリオス、ピボーテで今大会のMVPにもなった6.アドリア・カプデビラ、10.パブロ・パエスなど、クオリティの高い選手が多数いました。今大会のバルセロナは、傑出した選手の個の力で勝ったと言うより、全体的にクオリティの高い集団が、チームの力で良いサッカーをしたという印象です。その分、認知や判断、戦術面でU-12のレベルではこれ以上望めないほどのプレーを見せてくれました。
 
 
次ページ:FCバルセロナ、決勝戦後インタビュー
 

 

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取材・文 大塚一樹 写真 八木竜馬

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