U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014特集

2014年8月30日

世界的指導者集団がジュニアサッカーを分析!バルサ×鹿島

今年もU‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014が開催。昨年に引き続き、その圧倒的強さを見せつけてグループリーグを突破したFCバルセロナ。しかし、昨年の経験を活かしバルサ対策を敷くJリーグ下部組織を相手に前回大会ほどの余裕は見られないのも事実。今年のFCバルセロナのすごさとは? 彼らの初戦となった鹿島アントラーズジュニア戦を、サッカーサービスのポール氏が分析します。
 
取材・文・写真/大塚一樹 
 

■7人制から11人制への慣れが不十分なバルセロナ

 
「まだ11人制のサッカーになれるのに苦労しているようですね」
 
世界的指導者集団、サッカーサービス社で試合分析部門の責任者を務めるポール・デウロンデルコーチはU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで来日したFCバルセロナの初戦をこう分析しました。
 
どの日本チームよりもピッチの幅を広く使って攻撃を仕掛け、的確なパス、十分なサイドチェンジを行っていたように見えたバルセロナですが、ポールコーチは「まだオフ明けまもなくで、7人制から11人制への移行期でもあることから、チームのコンセプトが十分に浸透していないと思われるシーンがいくつか見られた」と分析します。
 
12歳以下の世界のトップレベルに触れられる今大会は、世界のジュニアサッカー、その最前線を知る良い機会です。せっかくのチャンスですから、ポールコーチの言葉を指針に、バルセロナのサッカーを紐解いていきましょう。
 
「初戦を見る限り、バルセロナはパスのリズムが少し遅いと感じました。パスをしながら組み立て直すところでボールを動かすのが遅れてしまい、チャンスを逃すシーンが見られました」
 

■サンス監督がベンチから出した2つの指示とは?

初戦の相手、鹿島アントラーズジュニアがラインを高く保ち、守備ブロックをしっかり作って守ってきたこともあり、バルセロナはボールを支配しながら相手を崩しきれない時間帯が続きました。ポールコーチによると、バルセロナのベンチからはDFラインを修正するようにという指示が出ていたようです。
 
「バルセロナのベンチの近くでサンス監督の声にも注目していたのですが、前半は特に2つのことに対して声がけをしていました。ひとつはDFラインをコンパクトにしなさいと言うことです。前線にボールが入ったときにDFラインもそれに連動して上がる。DFラインが動かないとFWからDFまでの距離が長くなり、間延びしてしまいます。もうひとつはボールを早く動かそうということです。サイドチェンジのスピード、パスのスピードを上げて、幅を使った攻撃をしなさいというものでした」
 
前半は中盤でボールを失うミスも目立ったバルセロナですが、後半に入ると「オーガナイズ(組織、構成)が改善した」とポールコーチは言います。
 
「DFの選手がラインを修正し、攻守に渡ってオーガナイズされるようになりました。前半うまく行かなかったのはやはり、7人制と11人制の違いによるものだと思います」
 
11人制と7人制は人数だけでなくピッチサイズも違います。11人制のピッチの幅と各人の距離、スペースの広さを完全には把握できていないために、ボールの動きがやや遅くなっていたとポールコーチは指摘します。
 
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