あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2025年10月31日
スカウティング、どこまでする? 相手分析と自分たちの強みを出すことを良いバランスで行うにはどうしたらいいか教えて
■子どもたちが相手について話題にするのは構わない、その上で自チームのテーマを再認識させよう
一方で、ご相談文に書かれているように、試合前に子どもが自分たちで「相手チームはドリブルが得意だ」「キーパーの動きが悪い」といったことを話題にするのはまったく構わないと思います。大人のほうは「そんなふうに相手チームを観察しているのか」と見ていればいいでしょう。
そこで「そうかもしれないけれど、いつも練習していることは何ですか?」とか「私たちのチームはどんなサッカーをするんですか?」ともう一度問いただします。そのうえでみんながチームのテーマを再認識してサッカーができれば一番いいと思います。
ご相談者様は「子どもたちに戦い方を指示しすぎると」と書かれています。多くの指導者が指示してしまうのは、勝たせたいからではないでしょうか。
小学生年代の指導で最も大事なことは何か。この機会にぜひ自問自答していただければと思います。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。