あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2025年9月24日

寄せが甘くて交わされたり、ボールを奪えない子どもたち......。守備時の距離感を身に着けさせる方法を教えて

 

■「二人で挟め」ではなく、伝え方を変えて成功体験を積ませることが守備力を伸ばす


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません

 

ところで、多くのチームで見られるのは、高学年くらいから二人くらいで相手を挟んでボールを奪取するプレスディフェンスをやらせています。

見ていると、一対一の場面でもうひとりが取りにきて、その間を抜かれ二人とも置き去りにされる場面が少なからずあります。そうなると、抜かれた二人は互いに「おまえのせいだ」と互いを責めます。

最初から「ボールを奪うために二人で挟め」といった指導ではなく、こんなふうに伝えてみてください。

「ボールが来たら、マークしている選手が責任を持って守る。もし抜かれたら点を取られるので、カバーする人が必要だね。でも、抜かれた子も最後まで追いかけよう」

その結果、二人で挟んでボールを奪えれば、大きな成功体験になります。この成功する経験が、守備力を伸ばします。

 

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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