あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2025年8月15日

「止める」「蹴る」など基礎技術の習得は小学生年代では徹底的に反復練習するべき? 小学生年代まではどれぐらいできればいいか教えて

 

■スペイン、オランダ、ドイツなどが行う育成年代の指導


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません

 

スペインの育成指導を指して「スペインには型がある」という言い方がありますが、私がスペインなどで現場を見た時に理解した言葉は「セオリー」です。

スペインやオランダ、ドイツなど欧州ではサッカーの成り立ちであるセオリーを小学生の間にしっかり伝えます。幅と深さ、広がるというセオリーは普遍的なものです。

例えば3メートル四方のグリッドの中でこの3メートルを精いっぱい広がって使うことで相手は困るわけです。次に10メートル四方のグリッドになった時に幅広く使えば相手はもっと大変になります。

ただし、狭いことがダメなわけではありません。狭い瞬間もあるけど、その中で一番広いポジションが取れることが大事ですよという考え方です。

「今の動き、いいよ。広がろうとしてたでしょう」と認めてあげてください。相手との間が1メートルしか空いてなくても使えたりする。狭いところもきちんと回せる、いわば南米系のサッカーです。

そこから広いところに展開できる。そういった姿を12歳以下の最終形として目指してください。

 

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
前へ 1  2

関連記事

関連記事一覧へ