あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2021年8月 6日

「可変式」は難しすぎる? 海外の戦術トレンドを小学生に紹介してもいいか教えて

■オシム監督の疑問「日本はどうしてそんなにシステムにこだわるのか」


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

 

日本の小学生は、まだ団子サッカーから始まります。自分が「ここが良い」と思ってドリブルするし動いています。サッカーの理解ではなく、自分のことしか考えていない。全体のバランスとかは考えていません。

したがって、ベンチにいる大人たちから「(相手に)つられて中に行き過ぎるな」という言葉がよく聞かれます。そんな声が出るのは、全体のバランスがよくないと、攻撃が単発になってしまうからです。

日本人は、基本的にサッカーのシステムの話が好きなようです。オシムさんが日本代表の監督時代、記者会見でシステムに関する質問ばかり受け「日本の記者はどうしてそんなにシステムにこだわるのか?」と若干呆れていました。

オシムさんも、システムが問題ではなく、戦術の理解度が重要だと考えていました。

システムなんて何でもいいんだ。相手の攻撃の仕方によって、そんなものは変わってくるのは当然だろう?」と話していました。

相手にボールをとられないよう、ゴールまで運べる。

それは全体のバランスがいいからできる。

そういったことを覚えるのが小学生年代だと、ぜひ理解してください。

 

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池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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