あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2019年11月15日

練習時間がJFAの規定より長いことで選手たちへの弊害があるか教えて

■顔を上げてドリブルできるようになる練習メニュー


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

このように、ドリブルには三つ目的があります。そして、そのスキルを磨くメニューは、拙書「池上正の子どもが伸びるサッカーの練習」(池田書店)にも掲載されています。例えば周りを見るスクエアードリブル。コーチの合図でドリブルをします。途中で、次のグリッドまでボールは触れないとか、次のグリッドでボールを止めるといった変化があります。

ボールが転がっている間に、ジャンケンゲームもします。運んでいる間に周りをみる。つまり、ドリブル時に視野を持つ習慣(スキル)をつけます。この練習では、いつどの時点で、どこを見たらいいのかといったベースの部分を先に伝えます。

このような練習を、オランダでは低学年がやっています。そういったことをやらせていないため、日本の子どもはヘッドアップできません。

「顔を上げなさい」

小学校高学年や中学生の指導者はよく言います。でも、どういうふうにすれば顔が上がるかは教えていません。

今回お話したことを、ぜひ小学生の練習で積み上げていってください。

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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