あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2019年9月22日

熱くなりすぎて喧嘩してしまう子への対応を教えてください

■大人が面倒な子を排除すると、子どもたちも同じように......


(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

大人たちがゆったりと子どもを見てあげることが一番大切なのに、余裕がない大人は、手に負えない子どもや、困った子を排除しがちです。大人がそうやっていれば、それを見ている子どもも同じ行動をします。そんな社会を作っていくと、最初は排除していたのに、いつか排除される側になる可能性もあるわけです。

冒頭でご紹介したスクールのコーチはまだ20代。私の考え方に賛同してくださっているのですが、まだ経験が少ないためボールを転がした後はニコニコして見守るしかありませんでした。もちろん叱らなかっただけいいのですが、次の手立てが必要です。

実は、その子が泣き止んだとき、私が行って「もういちどやってみる?」「ここから一緒にやろうか?」と声掛けをしながらサッカーをしました。そうすれば、だんだん自分を立て直せるわけです。

若いコーチなので、私の姿をどれだけ見たかはわかりません。でも、このあとまた何かひっかかりがあっても、こうやってコートに戻ってきたときは、その子の話を聴いてあげたり、心を受け止めてあげてくれたらと思いました。

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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