あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2018年8月10日

暑い日の試合だとやる気が出ない子どもたち。どうすればいい?

■ジュニア年代の適正な活動時間

※写真はサカイクキャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません

暑い日、今年のような酷暑の夏こそ、その視点がとても重要です。

私の場合、暑い日の練習では、子どもをなるべく多く水場に行かせます。「顔、洗っておいで」と、水分補給も兼ねて冷たい水をさわることでリフレッシュしてもらうのです。そうすると、水場で遊んでしまう子が必ずいます。きゃっきゃと歓声を上げながら水をかけ合ったりします。私はそれもOKにします。リフレッシュして元気を出してもらったほうがいいからです。

逆にそういう場面で「こら、遊んでいるんじゃないんだぞ」とか「サッカーしに来てるんじゃないのか!」と言って叱る指導者も少なくありません。日陰で休憩して水分補給させると思いますが、笑顔もなく耐えるだけの雰囲気では、めりはりがつきません。

暑いとき、コーチがグランドにホースで水をまいている光景をよく見かけます。子どもたちはそこに集まってきて水をさわったり、ホースで水をかけてあげると喜びます。そんな遊びの要素を取り入れて、リフレッシュできるようにしてはいかがでしょうか。

トレーニングは90分。試合は1試合だけ。ジュニアはそれが適正な活動時間です。特に暑い夏場は長々とやらずに、短い時間で集中してサッカーをさせてあげてください。練習ならば、1時間やったら、残り30分は水遊びでもかまわないと思います。

熱中症の心配もあるので、気をつけなくてはなりません。気温や子どもたちの状態を見ながら、やっても楽しめるような状況でなければ早めに切り上げる判断をするのも大人の役目です。

暑さはもちろんですが、それ以上に落雷には注意しなくてはいけません。サッカーではこれまでいくつもの不幸な事故が起きています。熱中症と同じく命にかかわることなので、十分な配慮が必要です。

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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