あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2017年11月 2日

【ドイツ視察②】日本と逆。ドイツの競技者の年齢層が逆三角形になる理由

■ブンデスリーガが果たす役割

では、ブンデスリーガのクラブは、ドイツの選手育成においてどんな役目を果たしているのか。

(香川真司をはじめ日本人選手たちも活躍するブンデスリーガ)

ブンデスリーガのクラブの下部組織は、形式上はセレクションを開きますが、そのほとんどがスカウティングで選手を獲得するそうです。

だから、彼らがホームタウンで果たす役目は、選手育成ではなく「指導者の育成」だと聞きました。そのエリアで講習会を開くなどして、町クラブのコーチたちに学びの場を提供する。町の指導者の質を上げる。その地域の「指導力」をアップさせる。

そうすれば、おのずといい選手は出てきます。ホームタウンのそこここでいい選手を育ててもらえば、クラブの未来は豊かになる。そんな考え方です。

■サッカーのスキルは子どもたちが自分で獲得していくもの

レポート「その1」で、ブンデスリーガ3部でプレーしていた元プロ選手のコーチの話を紹介したのを覚えていますか?

子どもたちの練習の空気がゆるいことについて、彼は「まったく構わない」と答えました。なぜなら「ジュニアの今が勝負だとは思っていないから」ということでした。

話を聞くと、彼らドイツの指導者は育成の力を信じていることが伝わります。
「17歳になったら、わからない」
「選手は変わっていくものだ」

そんな言葉をよく聞きました。

ジュニア期でサッカーの楽しさ、面白さを浸透させて、中学生年代以降は自分がプレーできる場所で自分を伸ばしていく。そのようなとらえ方が、指導者にも、選手やその保護者にも浸透しているのでしょう。

コーチらの言葉の端々に「僕らがいま教えられることなんてたかが知れている。子どもたちが自分で獲得していくものだ」という哲学(フィロソフィ)を感じました。

彼らは、目の前にいる小さな子どもたちの17歳以降の姿を常に想像しながら指導しているようでした。このような指導者のフィロソフィこそが、逆三角形の競技人口を支えているのかもしれません。

次回は、自分で考えてプレーする時間をもっと濃密にする必要性や、試合のためのトレーニングなど真似したいドイツの育成指導についてお伝えします。

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