蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2025年10月29日

上手くもないのにコーチに贔屓されているのが苦しい、プレッシャーを与えないでほしい問題

■本人が望んでなければ何もしない、動かない。それも立派な子育て


(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

一方、息子さんがお母さんがコーチに話すことを望んでいないのであれば、何も言わなくていいでしょう。何もしない。動かない。それも立派な子育てです。動き過ぎると、子どもが自我を出す芽を摘んでしまうことがあります。

「わかったよ。何も言わないでおくね。でも、いつでも君の味方だよ。サッカーが楽しくできないのであれば相談してね」

そのように託すことができるといいですね。落ち込んでいたとしても、何も言わなくてよいです。

息子さんから「ママ、聞いてよ~今日さ~」と話しかけてきたときだけ「ふーん、そうなの。それは悔しいね」と言って、彼の気持ちに共感してあげてください。

そうやって家庭が子どもにとって安全基地になれるといいですね。そのためには、まずはお母さんがこころ穏やかになれるよう、ご自分の感情を整理しましょう。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「叱らない時代の指導術: 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践 」(NHK出版新書)

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