蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2025年9月26日

平日休んだらうちの子だけスタメン外され、仲間に声援送ったら「うるさい」と恫喝。モラハラコーチのもとに居続けていいのか問題

■日本では付き合いのあるチームからの移籍がご法度のように受け止められている


(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

対する日本は、「個の育成」が勝利の上に成立すると受け止められています。

加えて、何よりコーチ間の人間関係がウエットです。移籍の希望があっても、いつも練習試合をするチームから子どもを受け入れることはご法度のように受け止められています。

勝つことは、サッカーを追求するモチベーションを保持するひとつの動機付けではありますが、あくまで外発的な動機付けです。

「サッカーが好き」「サッカーってすごく面白い」というような、子ども自身から湧き出る内発的な動機付けには叶いません。

サッカーを継続する土台をつくるのがジュニア期です。それなのに、日本の子どもたちは足元がグラグラしたままサッカーをしているように見えます。

どうか息子さんのためにも、自己肯定感を高められる良い育成環境を親御さんは模索してください。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「叱らない時代の指導術: 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践 」(NHK出版新書)
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