蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2021年2月10日

気に入らぬなら辞めて結構!? コーチに無視される息子をどう支えるか問題

■頑張れ、というだけが親の役目ではない。傷ついているわが子の心のケアを!


(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

三つめは、息子さんのこころのケアをお母さんなりにしてあげてください。今、彼はとても傷ついています。

苦難をはねのける強さも重要ですが、理不尽に立ち向かえと命じるのはわけが違います。弱い自分を乗り越えるとか、ある意味「正当な苦難」を克服する経験は後でいくらでもできるはずです。彼やお母さんの力でどうにもならないことにエネルギーを費やすのは無駄なことです。

闘え、頑張れというだけが親の役目ではありません。戦う相手や、その苦難が乗り越える価値のあるものかを一緒に子どもと考える必要があります。

最後に、私からお母さんへのエールです。

何も悪いことはしてないのだから、堂々としていてください。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
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