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世界を見てきたコーチが語る。いま求められる守備の指導法

「チームの守備コンセプトをしっかり選手に伝える」それが指導者の仕事

公開:2017年11月27日 更新:2020年3月24日

キーワード:オフザボールサッカーサービスディフェンス守備戦術理解知のサッカー

そこで大事なことが2つあります。

1つ目は「FW、MF、DFラインの、どこを守備のスタート地点にするか」
2つ目は「ボールを失った瞬間、どのような対応をするのか」です。

相手の最終ラインがボールを持った時点で、FWが積極的にプレスをかけに行くのか。それとも、自陣に引いて守備のブロックを作り、相手に進入させないようにするのか。 私見ですが、ブラジルW杯の日本代表は、この部分が曖昧だったように思います。「どういう目的で守備をするのか」という約束事を見て取ることはできませんでした。

ある選手は前に出てボールを奪おうとし、ある選手は後方に下がって守備をしようとしていました。その結果、中盤に大きなスペースが空いてしまい、そこを使われてしまったのが、コートジボワール戦、コロンビア戦でした。

チームとして前に出て守るのか。それとも、後ろに下がって守るのか。いつ、どのような状況で前に出て、後ろに下がるのかを選手たちが知らないといけません。

 

■JFAアカデミー福島で実践した"プレス"のコンセプト

私は以前、日本でJFAアカデミー福島U-13の指導をしていましたが、就任直後の2ヶ月間は守備のコンセプトを徹底してトレーニングし、Jクラブの下部組織に連勝したことは、前回で書きました。 そこでは、プレスに行くときのコンセプトを整理して、選手たちに伝えました。それが、次の3つです。

 

フランコーチが伝えたプレスのコンセプト

●ボールホルダーにプレッシャーがかかっていれば、前に出て取りに行く

●ボールホルダーがフリーであれば、背後のスペースを守ることを優先する

●ボールを奪われた直後こそ、ハードワークして守備のバランスを構築し、すぐにボールを奪い返す

 

日本の選手は、攻守の切り替えのコンセプトを教わっていないからか、ボールを奪われた瞬間に止まっている、あるいは動き出していない選手が多くいます。ボールを奪われた2秒間は「どう動けばいいかわからない」といった様子で、戸惑っているように見受けられるのです。

その後にボールを奪い返すために動き出すのですが、2秒の遅れは取り返しのつかない遅れです。ボールを奪われた瞬間、素早く攻撃から守備へと切り替えないと、後に10秒、20秒と長い時間、ハードワークをするはめになってしまいます。

JFAアカデミーでは、ボールを奪い返す時のコンセプトを統一し、ボールを奪われた瞬間こそダッシュしようと伝えました。そうしないと相手ボールになり、長い時間、走らされることになるからです。選手には「どうせ走るのであれば、先に走ろう。そうすれば短い時間で終わるから」と言いました。

攻撃と守備は一心同体です。いいチームは攻撃をしながら、守備の準備をしています。FCバルセロナはそれが非常に上手いチームです。

現代サッカーにおいて、攻撃の時は攻撃だけ、守備の時は守備だけに集中するというのはありえません。そこは、指導者が意識づけをする部分だと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回は、U-13年代の守備トレーニングコンセプトについてお伝えします。

グラシアス、アデウ!
(注:カタルーニャ語でありがとう、さようならの意味)

 

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フランセスク・ルビオ/Francesc Rubio Sedano

サッカーサービス社の分析、コンサルティング部門責任者として、選手やクラブ育成コンサルティング業務を担当。C.Fカン・ビダレットの下部組織(U-18)の監督、コーディネーターと、カタルーニャサッカー協会技術委員を兼任。2014年までJFAアカデミー福島U13の監督も務めた。

第1回>>「日本の選手の多くは守備の仕方をしらない」
第2回>>「バルサの闘将」も学び続けていた『守備における個人戦術』


 

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取材・文/鈴木智之

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