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みんなで守ろう子どもの笑顔!サッカーで子どもが熱中症にならないために大人がすべきこと

サッカーで足がつったら要注意? サッカー少年の親が覚えておきたい熱中症12の症状

公開:2016年7月 4日 更新:2021年1月27日

いよいよやってくる暑い夏。「夏は暑いのが当たり前」と暑さを受け入れたい気持ちもありますが、近年の暑さは体調不良だけでなく、ときには命の危険もあるほどの重大な症状を引き起こします。サッカーをする際だけでなく日常生活でも気をつけたい熱中症の予防策、対処法について、株式会社国際スポーツ医科学研究所代表でJASA公認アスレティックトレーナーの金成仙太郎さんにお聞きしました。(取材・文 大塚一樹)
 
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<<気温が高くなくても熱中症になる? 注意すべきは気温ではなく"暑さ指数"だった
 

■命の危険もある“本当は怖い熱中症”

前回は、暑さに対する警戒が重要なこと、その目安には温度だけでなく暑さ指数(WBGT)を参考にすることなどを教えてもらいました。
 
今回は、熱中症対策でもっとも重要と言われる予防と、その症状、対処方法についてお聞きします。
 
「熱中症に対しては『水を飲んで少し休めばよくなる』という認識でいる人も多いかもしれませんが、適切な対処をしないと意識障害やけいれん、多臓器不全に陥って命に関わる危険性もあります」
 
トレーナーとして夏のトレーニングには、選手のコンディショニングに特に気をつかうという金成さんは、熱中症の危険性について“もっと深刻に受け止めてほしい”と警鐘を鳴らします。
 
「熱中症は高温環境で引き起こされる症状の総称です。軽症の場合もあれば、見た目以上に重症ということもあります。症状によって対応策もちがうので、安易に『こうすれば大丈夫』とは言い切れないのです」
 
熱中症の症状や対処法については後で詳しく紹介しますが、まずは暑さで体調不良をおこしている子どもを「のぼせた」とか「暑さでボーッとしている」で片付けてはいけないということをしっかり頭に入れましょう。
 
「熱中症になってしまった場合の対処法も重要ですが、心がけたいのは熱中症にならないように“予防する”ことです」
 
金成さんは、よく知られている「水分をこまめにとる」などの予防を適切に行うことが、熱中症対策のもっとも重要なポイントだと言います。水分の取り方にももちろんコツがあります。
 

■水分が足りているかは“尿意”と“尿の色”を目安に

「水をどれだけ飲んだらいいか? 天候や試合、練習の状況によって多少異なりますが、できるだけこまめに100CCから200CCほどを飲むようにします」
 
普段の生活では、ここまで厳格にする必要はありませんが、家の中でも熱中症にならないとは言い切れません。喉が渇く前に水分を取るというのが鉄則ですが、子どもの体のことを完璧に把握はできません。金成さんは、尿意と尿の色を目安にするのがわかりやすいと教えてくれました。
 
「尿意がないというのは体に水分が足りていないということです。グラウンドに入る前にトイレに行きたくなる位がちょうどいいと思います。朝起きて練習までの間に一度もトイレに行かないで午前の練習を行うというのは、体の中には水分がまったく足りていないという状況を意味しますので、注意が必要になります。
また、尿の色が濃い(濃い黄色または茶色)状態になっていることも、水分が足りていないことを意味しますので、子どもたちに知識として伝えておくことは大切なことだと思います。
 

■暑い夏のウォーミングアップは短めで十分

屋外競技であるサッカーは、直射日光にさらされながら激しい運動を行うスポーツです。直射日光だけでなく、グラウンドや人工芝の熱くなった地表面に挟み撃ちにされ、試合中は気温や周りで見ている人の体感以上に暑くなります。
 
「体を動かしているので、飲むなら糖質や塩分の含まれるスポーツドリンクが望ましいですし、冷たい水を体にかけたり、おしぼりで体を冷やすことも重要です。ミストが放出できる器具で水をかけるのも体温を下げるのに有効です。
 
また、ウォーミングアップでも注意したいのが“時間”です。ウォーミングアップの最大の目的は体を温めることなので、暑い夏では時間は短めで十分だと思います。時々『やりすぎ』て必要以上に選手がバテているチームを見かけますが、かわいそうですよね。
 

■熱中症かもしれない症状とは

熱中症を疑われる症状が出たら、すぐに日陰で休憩させるような対処が必要です。では、どのような症状が出たら要注意なのでしょう?
 
「足がつるというのは要注意ですね。発汗に伴い筋収縮を行う電解質が失われている証拠です。それから頭痛にも注意してください。脱水によって頭部の血流が滞ってくると現れる症状です。頭部の血流が更に悪化すれば脳の機能、つまり体温調節機能も低下し始めるので、更に注意が必要になります。また子どものプレーを見ていて、なんだか判断力が遅い、ミスが多いと感じた場合は、もしかすると熱中症の可能性があるので注意して様子を見ておくこと。ひどくなると熱失神に至ることもあります」
 
顔が紅潮してのぼせているような表情になり、普段では考えられないようなミスをする場合はボーッとしていたのでも気を抜いていたのでもなく、熱中症の症状が出ているのかもしれません。
 
 
[熱中症かもしれない12の症状]
 
・めまいや失神
・筋肉痛
・筋肉が硬直している(足がつる)
・大量の汗が出る
・頭痛がする
・吐き気を感じる
・嘔吐する
・不快感や倦怠感、虚脱感がある
・意識障害がある
・けいれん
・手足に運動障害が起きる
・非常に高い体温がある
 
これらが熱中症の症状と言われています。これらの症状があるときは、まずは全身を冷やすことが大切になります。
 
次ページ:意識がなければ救急車を!覚えておきたい応急処置
 

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取材・文 大塚一樹

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