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「考える力」が身につくサカイクキャンプ2013春
周りが見えるようになった!もっとうまくなりたい!サカイクキャンプ2013その⑤
公開:2013年4月12日 更新:2013年5月10日
3日間続いたサカイクキャンプもいよいよ最終日。強い風と雨が吹き付けるなかでのスタートとなりましたが、子どもたちは相変わらず元気いっぱいです。
■3日間の集大成「チームの配置」
これまでの練習で、選手たち同士も打ち解けた様子。慣れた様子でウォーミングアップを終えると「チームの配置」というトレーニングが始まりました。初日で学んだ1対1を中心とする個人のスキル、2日目に身に付けた「ドリブル」「マークを外す動き」「チャレンジ&カバー」「攻撃の幅」「攻撃 の厚み(深み)」、これらを総動員して、実践に近い形でポジションニングの仕方を意識します。
「天候のせいで短縮せざるを得なかった部分もありましたが、メニューはすべて出せました。選手たちも意識を高く持ってプレーしてくれたので、最終日は動きが全然変わりましたね」
指導に当たった須田コーチは、ずぶ濡れになりながら笑顔で言います。
コートで練習している選手は全体の半分。もうひとつのグループは雨をしのぐ室内で「ロジカルコミュニケーション」の講座を受けていました。
「これも本当はもう少し広いところでみんなでワイワイやりたかったんですけどね」
■論理的に説明ができる! ロジカル・コミュニケーション
ロジカル・コミュニケーションは、子どもたちの思考力、論理的な意見を引出すためのトレーニングです。考えるサッカーの肝とも言えます。今回のサカイクキャンプでは、ある一枚の絵をきっかけににして、お話が進んでいきました。
「これはいつかな? 時間は何時くらい?」「場所はどこでしょう?」「何をしているところかな?」
コーチが子どもたちに質問を投げかけます。
「うーん、朝?」「でも暗くない?」「放課後かもよ」
絵に描かれていることを手がかりに子どもたちは絵の世界に入っていきます。
絶対の正解はありません。見たこと感じたことを「なぜそう思ったのか?」きちんと口に出して言えることが大切なのです。
絵のなかの少年はサッカーボールを足下においたまま一人でいます。周りの子どもたちはゲームに興じたり、興味がなさそうなそぶり。
「この状況を変えるためにはどんな言葉をかけたらいいかな?」
コーチがさらに絵のなかの物語を進めます。
「サッカーしようって言ったらいいんじゃない?」
「そうだね、じゃあ周りのみんなに聞こえるように大きい声で言う? それとも一人ひとりに声をかける? みんなはどう?」
子どもたちは一人ずつ自分の意見を言っていきます。
「サッカー楽しいから一緒にやろうぜって言う」「大きい声でサッカーやろーっていう」
意見は色々出ましたが、活発なコミュニケーションのなかで自分の意見を筋道立てて言えることがサッカーにも役立ちます。
■子どもたちも変化を実感 充実の3日間が終了
このあと、3日間書き続けたサッカーノートでわからなかったことを選手同士で話し合います。先ほどのコミュニケーションが聞いているのか、仲間の疑問に、子どもたちが理由をつけて説明してくれています。
「厚みを作るメリットがよくわかりませんでした」と質問する子どもがいれば、
「厚みを作ると真ん中にスペースができて、パスとかドリブルがしやすくなると思います」と、どこからか答えが返ってきます。
すべてを記入したサッカーノートには、3日間で学んだことが自分の言葉でしっかり書き込まれていました。
練習の締めくくりは、3日間お世話になったコーチも参戦してのミニゲームです。東京湾から吹き付ける強い雨や風に負けず、コートの中には明るい声が響きます。
コーチたちも最後のゲームでは“いち選手”。ゴールのたびにチームの輪ができていました。
「はじめは子どもらしい無邪気さと緊張感が入り交じっておとなしめだった子どもたちも最後は本当にいい笑顔でサッカーをしてくれていました。考えてプレーすること自体、はじめてだったという子どももいましたが、彼らは彼らなりに体験したことから感じ取って、プレーに活かしてくれたと思います」
須田コーチは3日間を振り返ってこう締めくくりました。
サカイクキャンプ終了後、参加者に感想を聞くことができたので、何人かの声をご紹介します。
「マークを外す動きとか、はじめはできなかったことができるようになりました。今回教えてもらったことをチームに戻っても続けて、もっとうまくなりたいです」年田唯人くん(11歳)
「コントロールやディフェンスの仕方が前よりよくわかるようになりました。ディフェンスでは半身になる大切さを学びました。2日目くらいから友達もできて楽しかったです」西田遥翔くん(10歳)
「プレー中に周りがよく見えるようになりました。仲間の動きとか相手の動きをよく見て、スペースを見つけたり、行きたい方向とは逆に動いて空いてを釣り出す動きが参考になりました」加藤龍真くん(10歳)
年田くんは福岡、西田くんは京都、加藤くんは愛知からの参加。四国からの参加者もいた今回のサカイクキャンプ。「考える」をテーマにした3日間は充実の内容で幕を閉じました。
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取材・文/大塚一樹 写真/山本善弘
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