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育成の常識を問い直す! オランダ発「3つの年齢」を理解して、選手を正しく評価する方法
公開:2026年3月23日
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「同じ学年でも別年齢? サッカー選手が持つ3つの年齢と育成・評価の見直し方」。講師はオランダで17年間の活動を経て、現在は日本での育成指導に携わる白井裕之氏だ。
選手が持つ「暦年齢」「生物学的年齢」「サッカー年齢」という3つの年齢を軸に、従来の育成現場で見落とされてきた評価の歪みを解き明かす。
すべての選手が平等に能力を伸ばせる環境とは何か。前編では3つの年齢の基礎知識から、誕生月効果・生物学的年齢・現場で起きるサインまで、詳しく紹介してもらった。(文・鈴木智之)

3つの年齢と誕生月効果
前編のテーマは「暦年齢・生物学的年齢・サッカー年齢で、なぜ差が生まれるのか」。
白井氏はオランダで17年間にわたって指導・活動を行い、2018年に帰国。現在は日本の育成現場に向けて、年齢と評価に関するセミナーを精力的に行っている。
このテーマに取り組むきっかけは、オランダでのセミナーで耳にしたある言葉だった。

「『生まれ月の差別』という表現を聞いたんです。暦年齢や生物学的年齢によって、ある選手には有利に、ある選手には不利に。そういった現象が育成現場で放置されている。私が選手だった頃と変わらない選抜方法が、今も続いています」
白井氏はまず「暦年齢(カレンダー年齢)」について説明する。
日本ではサッカーの基準月は4月とされており、同じ学年の中でも4月生まれと3月生まれでは最大約1年の差が生じる。それにもかかわらず、同じカテゴリーでプレーすることになる。
「4月・5月・6月生まれの選手には『誕生月効果』というポジティブな側面があります。一方、1月・2月・3月生まれの早生まれの選手には、『誕生月の差別』とも言える不利が生じます。J1の日本人選手488名を対象にした2017年のデータでは、4〜9月生まれが大半を占め、1〜3月生まれはわずか4〜6%にとどまっています」

この傾向は、欧州の国でも確認されている。基準月が1月のフランスでは、1〜3月生まれが最多で、10〜12月生まれは最少。どの国でも「区切りの月」の影響が顕著に出ている。プロ野球(12球団730名)でも同様の傾向が見られ、4月~7月生まれが圧倒的に多い。
一方、バスケットボールのデータでは、均等な分布が見られた点も紹介された。白井氏は「競技特性やコンタクトプレーの有無が、こうした偏りに影響している可能性があります」と語る。
生物学的年齢と成長スパート(PHV)
続いて紹介されるのが「生物学的年齢」だ。これは実際の暦年齢ではなく、身体の成長・成熟の度合いを示す指標であり、第二次成長期(PHV:Peak Height Velocity)と深く関係している。

「暦年齢が同じでも、早熟の選手は中学1年頃に身長の伸びがピークを迎え、晩熟の選手は中学2年頃まで、第二次成長期が来ない場合があります」
また、男女では第二次成長期の始まりに約3年の差があり(女子:10〜14歳、男子:13〜16歳)、男女混合トレーニングが行われるジュニア・ジュニアユース年代では特に注意が必要だ。
さらに、「4月生まれで早熟」と「3月生まれで晩熟」を比較した場合、暦年齢の差(±1年)と生物学的年齢の差(±1年)が重なり、最大4年分の開きが生じる可能性があるという。

白井氏はオランダでプレーする2人の選手を例に挙げ、「最終的に2人ともプロになりましたが、暦年齢は同じでも、生物学的年齢が違うことが言えると思います」と語る。
現場で見えるサインと評価のズレ

3つ目の年齢「フットボール年齢(サッカー年齢)」は、これまでに積み重ねてきたサッカー経験・運動経験の総量を指す。クラブでの練習や試合はもちろん、路上や学校などでボールを蹴ってきた時間も含まれる。育成初期の環境(選考の有無、混合チームか否か)によっても大きく異なってくる。
COACH UNITED ACADEMY動画では、こうした3つの年齢が、現場でどのようなサインとして現れるかを解説。
身体的サイン、動きの変化、フィジカル面やプレー面の反応の違い、そして行動・メンタル面のサインが紹介されている。
3つの年齢の詳細や、現場での具体的なサインの見分け方を知りたい方は、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」動画で全容を確認してほしい。きっと選手を見る新たな視点が加わるはずだ。
次回の後編では、3つの年齢を踏まえて、評価・グルーピング・トレーニングをどのように変えていくかを解説する。
【講師】白井裕之/
愛知県名古屋市出身。18歳から指導者を始め24歳でオランダに渡る。2011/2012シーズンからAFCアヤックスに入団後、アヤックス育成アカデミーのユース年代専属アナリストなどを務めた。2016年にはオランダ代表U-13、U-14、U-15の専属アナリストも務め2018年に帰国。サガン鳥栖、FC東京、FC琉球のトップチームコーチ、アカデミーコーチなどを歴任。オランダサッカー協会指導者ライセンスTrainer/coach 3,2(UEFA C,B)ライセンス、JFA 公認S級コーチを所持。
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