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ジュニア年代の正しいフィジカル・コンディショニング論

【第1回】よりよいサッカー選手をめざすための正しい身体づくり、土台づくりとは?

公開:2012年9月17日 更新:2020年3月24日

キーワード:コンディショニングタニラダートレーニングフィジカルラダートレーニング走力

「ジュニア年代」は、技術を身に付けるのに最適な年代"習得のゴールデンエイジ"と呼ばれています。しかし、成長期でもあるこの年代の子どもたちにとって、負荷の高すぎるトレーニングや過度な練習は、疲労やケガの原因になり逆効果になることも。ジュニア年代にとって効果的なトレーニングとはいったいどのようなものでしょうか? Jリーグのフィジカルコーチとして20年の指導実績を持ち、タニラダーの開発者でもある谷真一郎コーチに、ジュニア年代に必要なフィジカルコンディションについて伺いました。全6回に渡り、お伝えしていきます。(取材・文/鈴木智之)

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こんにちは、ヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチ・谷真一郎です。私はJクラブのフィジカルコーチとして、日々、選手たちの体づくりを行なっています。それと同時に、『谷塾』という場を作り、『スポーツの競技特性に合ったトレーニング』を追求しています。私は筑波大学時代に日本代表に選ばれ、大学卒業後は日立製作所本社サッカー部(現・柏レイソル)でプレーしました。僭越ながら、『日本で唯一の日本代表キャップを持つフィジカルコーチ』と呼ばれることもあります。

私はサッカーの現場で長きに渡って指導をしていく中で、どうすればケガをせず、ベストなパフォーマンスを発揮できるかについて考えてきました。サッカーの技術と同様、フィジカルやコンディショニングについても、ジュニア年代から正しい知識を身につけることが重要です。ジュニア期に成長の土台となる身体を作っておけば、成長するにつれてプレーの幅が広がり、選手としてより高いレベルへ到達することができると思います。

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■ボールをうまく扱うために『自分の身体をどう動かすか』が上達の第一歩

私の指導者としてのスタートはジュニア年代でした。柏レイソルのアカデミーで10歳の年代を指導していました。「12歳前後は習得のゴールデンエイジ」と言われていますが、13歳以降、中学生や高校生の指導をすると、身体の動かし方など、ゴールデンエイジと呼ばれる年代の習得の速さを肌で感じます。それ以降の年代で同じ事を身につけさせようとしても、時間がかかるのです。ボール扱いの技術や身体の動かし方など、発達の要素をこの年代でしっかりと身につけておくと、土台がしっかりとできるので、高いレベルで伸びていきます。つまり、プレーの完成形、選手としての到達地点が変わってくるのです。

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10歳以下の子どもたちは動きの真似や、遊びの要素を入れると楽しんでやってくれます。あるとき、体操教室にラダーを持っていき、「どうやって使う?」と問いかけたことがありました。すると、子どもたちは両手を地面について進んで行くなど、いろんな動きを楽しみながらやっていました。「両手を地面に着く」など、サッカーにはない動きなので目からうろこが落ちる思いでした。

このように、楽しみながら身体の動きを身につけていくと、成長に応じて身体を思い通りに操れるようになります。低年齢時に動き方のキャパシティを広げておくと、次に他のことをやるときに、より速く適応できるようになるのです。サッカーはボールの扱い方にフォーカスされがちですが、そのために『自分の身体をどう動かすか』が、上達のための第一歩です。サッカーはボールを触っていない時間のほうがはるかに長いスポーツ。試合を決定するのは、ボールがないときの動きなのです。その大切さは理解されているはずなのに、走ること、方向を変えるときに、どう身体を使えばいいかなどの、原理原則があまり知られていないように感じます。

私はこの連載を通じて、よりよい選手になるための身体づくり、土台づくりについて紹介したいと思っています。どうぞ、宜しくお願い致します。

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谷真一郎(たにしんいちろう)//

愛知県立西春高校から筑波大学に進学し、蹴球部に在籍。在学中に日本代表へ招集される。同大学卒業後は柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し、1995年までプレー。 

引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FCに所属し、2010年よりヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを務める。 

『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』(2012年9月現在)

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取材・文/鈴木智之 写真/サカイク編集部

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