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あなたの街のサッカーパパを直撃取材!

トラップミスは顔を上げていた証拠!子どもを認めてあげることの大切さに気づいたお父さんの話

公開:2016年3月25日 更新:2021年1月27日

キーワード:お父さんコーチトラップモチベーション子育て応援指導考える力

より多くの子どもたちが心からサッカーを楽しめる環境を。サカイクは、無心にボールを蹴るすべての子どもたちを応援しています。
 
うまくなりたい、強くなりたい、勝ちたいという思いはとても大切ですが、サッカーをする環境や関わり方はそれぞれ。子どもたちとサッカー、親とサッカー、お父さんコーチとサッカー。ボールを中心にした子どもと大人の関わりは多様で、100人いれば100通りのストーリーがあります。
 
この連載では、プロ、アマチュアはもちろん有名無名問わず、サッカーと関わりを持つ人たちに話を聞きます。
 
連載2回目に登場するのは、子どもがサッカーをはじめたことで少年団に関わるようになり、サッカー経験ゼロからお父さんコーチへ、そしていまでは自らボールを蹴るようになったお父さんの物語です。(取材・文 大塚一樹)
 
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■感じたままに出していた声が、指示になってしまっていた

「指導は私たちがやります。お父さん、お母さんは応援をしてあげてくださいね」
 
臼井英明さんのサッカーへのファーストコンタクトは、子どもが所属するチームのコーチのこんな言葉からはじまった。
 
「私自身、サッカーにあまり興味がなく、代表戦をお祭り気分で観る程度。どちらかというと野球派だった私にとって、サッカーの予備知識はほとんどありませんでした」
 
わが子の試合を始めて観た臼井さんは、周りのお父さん、お母さんと同じようにわが子と転がるボールの行方を目で追いながら、チャンスとみれば「シュート!」と叫び、ピンチになれば「クリア!」と声を挙げた。
 
「そのときチームを率いていたのはお父さんコーチだったのですが、試合後に親たちにもその試合のテーマなどを説明してくれる人だったんです。指導はコーチ、親は応援というのはなるほどと思いました」
 
ウイークデーは自らが経営する会社でバリバリビジネスをこなす臼井さん。自分の仕事に置き換えてみることで、コーチに言われたことがスッと腹に落ちた。
 
「複数の上司から別のことを言われたら部下は戸惑いますよね。子どものサッカーを観て感じたままに声を出していたのですが、じつは指示を出してしまっていました。コーチの説明を聞いて、自分が誤った応援をしていたのがよくわかりました」
 
長男がサッカーをはじめたのも、それほど強いモチベーションがあってのことではなかった。
 
「息子は2年生の3学期からサッカーを始めたのですが、同級生にサッカークラブの優秀な営業マンがいまして(笑)。『チームに入るとお泊まり旅行ができるよ』と息子を含む友達数名を勧誘したんです。サッカーがやりたいというより、友達と遊びたいというのがきっかけだったようです」
 
 

■「人手が足りないから引率だけでも」と言われてコーチに

長男がサッカーを始めて数カ月経ったころ、臼井さん自身にも転機が訪れる。それまでその学年を見ていたお父さんコーチ2人が、仕事の都合でコーチを安定的に続けるのが難しくなったのだ。
 
「はじめはとにかく人手が足りないから、引率だけでもやってほしいとのことでした。でもそれが大嘘で(笑)」
 
引率だけのつもりでチームに関わるようになった臼井さんは、いつの間にかサッカー指導の入門書片手にメニューを考えなければいけない状況になったという。
 
「サッカー未経験ですし、何の知識もないですからね。本屋に行って参考書を買うことからはじめました。引き継ぎもありましたし、他の学年のコーチも助けてはくれましたけど、毎回ではないですからね」
 
ここから臼井さんの試行錯誤がはじまる。教本通りのドリルをやっても、数回で子どもが飽きてしまうことにすぐ気がついた。地元のサッカー協会の指導者講習会や、Jリーグチーム、ジェフユナイテッド市原・千葉が行う『ジェフお助け隊』のメニューや声がけ、JFAの発行する指導DVDなどを参考に、子どもたちとのコミュニケ-ション術を徐々に学んでいった。
 
「クラブ自体に、子どもたちの自主性を重んじる文化があって、ミスをしても良いからチャレンジすることが大切、という指導方針でした。なので、怒鳴ったり指図したり、大人の都合で指導することは初めから頭になかったんです」
 

■22点取られても一生懸命プレーする子どもの姿に心を打たれる

当時3年生の息子の引率をしていたころ、引率していたチームが0-22というスコアで大敗したことがあった。臼井さんには大差で負けたことよりも印象に残ったことがあった。
 
「30分の試合で22点ですから、キックオフしてはすぐに点を取られる感じなんですよね。でも子どもたちは諦めず、何点取られても一生懸命プレーしていた。その姿を見て心を打たれましたし、『なんとかしてあげたい!コーチとしてしっかりしなければ』とスイッチが入りました」
 
もともと勝利だけを目指すような強豪チームではなかった臼井さんのクラブだが、縁あってお父さんコーチに就任した臼井さんは「一生懸命な子どもたちがもっと楽しくサッカーをする姿を見たい、そのためには、練習を工夫しなければ」と思うようになった。
 
お父さんコーチが難しいと言われる理由のひとつに、“わが子への指導”がある。臼井さんにこのことを聞くと「それは一番難しいですね」という答えが返ってきた。
 
「子どもの成長って2歩進んで1歩下がるという感じで、一本調子には上達しないんですよね。なのに、自分の子どもの指導になると、昨日はこれができたから今日はこれ。それができたら明日はこれ、というように毎日一歩ずつステップアップして当たり前と思ってしまうし、期待もし過ぎてしまう。いま振り返ってみると、長男には先の成長曲線を勝手に予測して要求しすぎたかもしれません」
 
 
次ページ:自分でボールを蹴らないとわからないこと
 

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取材・文 大塚一樹

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