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自ら考えて行動する子どもに育てる合言葉「プレイヤーズファースト」

子どもの笑顔を守る プレイヤーズファーストのためにできること

2013年11月18日

キーワード:育成

プレイヤーズファーストについて考える連載は前回から実践編と題して、周りの大人たちが実際にどう行動したらプレイヤーズファーストを実践できるのかを考えています。「5つの自由」は、まず取り組むべき心得のようなものです。では、両親の立場から見たとき、実際の行動として、どんなことがしてあげられるでしょう。
 
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■プレイヤーズファーストの環境づくり

「してあげる」そもそも、この言葉が間違っているのかもしれません。ジュニア年代のコーチの話を聞いていると、親御さんに見られる問題の多くは「してあげる」ことに気をとられてプレーや結果に対して過剰な干渉をしたり、準備の段階でも過保護に接したりすることから生まれているようです。ピッチの中ではもちろん、いざサッカーをはじめてしまうと親が「してあげられること」は極端に少なくなります。むしろ「してあげない」ことが手助けになることも多いのです。
 
 とは言っても、まったく放って置いていいわけではありません。親の責任においてしっかり関わってあげることも子どもの可能性を広げるために不可欠な要素です。まず大切なのがどこでサッカーをプレーするのか? という問題です。地域によってはプレー環境を選べないといった状況もあるとは思いますが、子どもたちがサッカーに触れるクラブをしっかり選ぶことは親ができる最大で最後? の大仕事かもしれません。クラブの指導方針やチームの雰囲気、コーチの人柄や保護者の雰囲気を、よく観察し、できるだけ子どもを尊重してくれるチームを選ぶのです。このときも親だけの判断ではなく、子ども自身もボールを蹴ってみた感覚を大切にすべきです。体験入団や練習見学で子どもが感じたことは、総合的に見ていちばん重視すべきことです。
 
 プレイヤーズファーストは、大人たちが子どものプレーしやすい環境を作るための指針になります。自分で考えられる、自分で判断できる、自ら選んでプレーできる環境を作ったら、その後は子どもたちに任せるしかありません。コーチや親といえども、強制的に上手にさせることはできないのです。
 
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■大切なのは子どもの笑顔

 子どもたちは笑顔でサッカーをしていますか? サッカーは本来楽しいものですが、残念ながら周りの大人たちがその笑顔を奪うというようなことも少なくありません。サッカーの上達は親が望んでも、コーチが指導しても、プレーする子ども本人に笑顔がなければ叶いません。
 バルセロナで活躍するチャビ・エルナンデスは自身の現在の活躍について子どものころ、2人の兄と遊びながらやったサッカーが最も影響を与えてくれたと語っています。5歳年上の長兄は「ケガをしても泣かないなら」という条件でチャビを仲間に入れ、親もチャビに「まだ小さいから」とは言わずに、兄二人と対等に扱いました。
 
 ブラジルの名手、ロナウジーニョの子ども時代は寝ても覚めてもサッカーばかり。家の中でボールを蹴り、家具を壊したり、友だちが家に帰ってしまうと近所の犬とボールを争ってテクニックを磨いたと言います。
 
このときチャビの両親が「もう少し大きくなったらね」と言っていたらどうなったでしょう? ロナウジーニョの親が「犬と遊ぶのはやめなさい」とプレーを禁じていたら? 家の中でボールを蹴るのは少し困りものですが、子どもが楽しいと思うことを制限しないこともプレイヤーズファーストの大切な要素のひとつです。
 
サッカーの可能性は子どものものですが、環境は周りの大人が作ります。最近の研究では、学力や運動能力など多くの才能は遺伝的要素に依るのではなく、その子どもが置かれた環境で決まることがわかっています。
 
「プロサッカー選手になりたい」「バルセロナでプレーしたい!」「日本代表でW杯優勝する!」そんな子どもの言葉に、自分の運動能力を鑑みて「俺の子だからなあトンビがタカを生まない限り……」「私の子どもには無理」と諦めるよりも、環境を変える努力をした方が、よほど子どものためになると言えそうです。
 
 次回は、サッカーをプレーする子どもにどんな声がけをしたらいいのか、どう接したら自立を促すことができるのかを、心理学に範をとって考えてみます。
 
 
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大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/新井賢一(ダノンネーションズカップ2013より)

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