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元日本代表コーチが教える! サッカーと勉強の相乗効果を引き出す方法

算数、国語もサッカーに役立つ! 授業時間をフル活用する方法

2014年3月14日

キーワード:勉強進路

「役に立たない学校の授業を受けているくらいならサッカーをしたい!」
 
 みなさんのお子さんがこんな風に言い出したらどうしますか?
 
「勉強は大切だからちゃんとやりなさい」
 親として、人生の先輩として、あなたは自信を持ってそう言い切れるでしょうか?
 
 
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試合中
 
 元日本代表コーチの小倉勉さん(ヴァンフォーレ甲府ヘッドコーチ)は、どんな授業にもサッカーに活きるポイントがあると力強く言い切ります。
 
 

■算数は論理的思考を身につけるのに最適

「算数や数学って何のためにあるの? 本当に必要?」
 
 ずらりと並んだ複雑な計算式や、覚えるだけでも難しそうな公式を目にして、こんなことを思ったことはありませんか?
みなさんの中にも「社会に出ても日常生活では足し算や引き算、かけ算や割り算は使うけど、図形の面積なんて求める機会すらない」という人が多いのではないでしょうか?
 
「計算以外の算数や数学は生活に役立たない」とはっきり言っている人もいますが、これは本当でしょうか?
 元教師の肩書きを持つ小倉さんはこうした考え方に対して、こう言います。
 

 
 そういう考え方を持っている人たちは、もしかしたら、
 
・思考力が低い(考える力がない・自分で考えることができない)
・論理的に話をすることができない(コミュニケーション力が低い)
・問題解決に背をむける(障害から逃げる)
・あきらめが早い、忍耐力がない
 
 こんな特徴を持った、論理的思考のできない人なのかもしれません。
 
 算数は、思考力を鍛えるのに最適な脳のトレーニングです。論理的に答えを突き詰めて「問題を解く」という姿勢は、順序立てて物事を考えたり、自分で何かを発想する際のひらめきにも役立ちます。また、難しい問題に取り組んで、時間をかけて挑戦しようとする忍耐力も養えます。
 
 勉強には得意・不得意や好き・嫌いはつきものですが、「不得意だからやらない」「嫌いだからやらない」と逃げた人と「嫌いだけどやる」「不得意だけどやり抜く」という姿勢で臨んだ人では、結果的に得られるものに大きな違いがあります。
 
 たとえば、短距離はいいけれど、長距離は苦手というサッカー選手でも、90分間走りきる体力が必要だと思えば、長距離走の練習に取り組むでしょう。
 
 サッカー選手にとって苦手を克服する練習に取り組むのは当たり前のことです。
 
 算数の授業時間を脳のトレーニングだと思って取り入れない手はありません。脳を鍛え、頭の回転を速くするには算数的アプローチ、数学的思考は最適です。
「スポーツ選手に算数は必要ない」なんて言わずに、目の前の問題に粘り強く取り組む姿勢を育てましょう。
 
 

■サッカーのために勉強しよう

 パスやシュートの練習は好きだけど、走る練習は嫌い。同じ走るのでも長距離はいいけど、連続ダッシュはキツい。サッカーの技を磨くのに直結する練習は好きだけれど、体幹トレーニングやストレッチは苦手という人もいるかもしれません。
 
 誰でも地味でキツい基礎トレーニングはできれば避けて通りたい、正直やりたくないものです。でも、日本代表になるような選手たちはみんな、サッカーが上手になりたい一心で、様々なトレーニングに取り組んでいます。彼らを観ていて思うのは、練習する才能というのも大切なんだなということです。
 
 勉強も同じことです。良い学校に入るために勉強しようという気が起きないなら、サッカーに必要な脳を鍛えるために、学校の授業を「脳のトレーニングの時間」にしてしまいましょう。いままで退屈だと思っていた授業も「サッカーのため」と思った瞬間に、まったく別のものに見えてくるはずです。
 
 一歩進んで「世界レベルのサッカー選手と戦うため」という夢や目標を持ち、そのために「勉強が必要」そのために「授業を活用する」と思えば、昼休みや放課後が待ち遠しい・・・なんてことにはならないはずです。
 
円陣
 

■国語でコミュニケーション能力を高めよう

コミュニケーション能力の違いは、サッカーの上達の度合いを大きく左右します。
 
・指導者の言葉や気持ちを理解する
・自分の意見や考えを仲間や指導者に伝える
 
ということもありますが、両親に自分のサッカーに対する情熱や進路に対する想いを伝えるためにも日常での言語コミュニケーションは大切です。
 
「今日の練習どうだった?」「別に」お父さんやお母さんとこんな会話をしていませんか?
 
 一流のサッカー選手になるためには一流のコミュニケーション術を身につけなければいけません。チームワークを円滑にする、コンビネーションを高める、監督やコーチとの会などサッカーのピッチはコミュニケーションで溢れています。
 
 一流のアスリートは、チームメイトや指導者とのコミュニケーションを取る能力にも優れています。仲間が何を考え、何をしてほしいのかを理解することはそのままプレーの質につながります。
 
 試合中に声を出すということも、サッカー選手にとって大切な仕事のひとつです。話ながらゲームを組み立てる、味方に指示を出すと言ったゲームメイクの要素にもコミュニケーションは大きく関わってきます。
 
 コミュニケーションは「聴く」「読む」の情報収集と「書く」「話す」の情報伝達の4つの能力で成り立っています。 これらは国語や外国語の授業で身につけ、実践することで磨かれていく能力です。また「聴く」「読む」「書く」「話す」は学校のすべての教科に共通しているので、授業に真面目に取り組むことで自然と身につく能力なのです。授業を熱心に聞き、参加している人と、授業中に寝ている人ではコミュニケーション能力に大きな差が出ます。
 
 サッカーの試合では、言葉を使わないコミュニケーションも多く使われます、これは「聴く」「読む」「書く」「話す」の力を活用して、相手の考えを察知したり感じたりする「洞察力」と「理解力」で磨かれるものです。仲間の考えていることや相手選手の考えていることを瞬間的に感じ取ることで、サッカーに必要な脳の強化にもつながります。
 
 難しいことは言いません。まずは授業中に先生の話をきちんと聴くことからはじめましょう。
 
 
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小倉 勉(おぐら つとむ)
1966 年生まれ大阪府出身。大学卒業後、同志社香里高等学校で講師として教鞭を執りながら、サッカーを指導。1990年に渡独、ブレーメン国際日本学園の教員、サッカー部監督を務める。92年、帰国し、ジェフユナイテッド市原 (現、市原・千葉)で育成部、サテライト、トップなど、あらゆるカテゴリの指導者を歴任。日本代表コーチとしてイビチャ・オシム監督、岡田武史監督の下でコーチを務め、2010年南アフリカW杯に出場。12年には関塚隆監督の下U-23日本代表コーチとしてロンドン五輪に出場。大宮アルディージャを経て、現在はヴァンフォーレ甲府ヘッドコーチ。
日本サッカー協会公認A 級、AFC 公認プロフェッショナルライセンス。
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構成/大塚一樹 写真/田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より)

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