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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015

「おれが決めてやるって選手がいなかった」バルサに勝った東京選抜が見つけた世界との差とは!?【レポート4日目】

2015年8月31日

キーワード:エスパニョールサッカーサービスジュニアサッカーワールドチャレンジディフェンスバルセロナ

スペイン、アルゼンチン、ベトナム、世界の12歳たちが戦うU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは、大会4日目、最終日を迎えました。
 
午前中に行われた準決勝第1試合では、昨年のこの大会決勝で敗れ、雪辱に燃える東京都U-12がバルセロナに2年連続の挑戦をしました。激しい守備をベースにした素晴らしい戦いで、前後半を戦って1対1、PK戦の末、過去2大会を含め、エキシビジョンを除いて負けのなかったバルセロナにはじめて勝利しました。
 
準決勝第2試合はエスパニョールとベトナム代表の対戦。こちらも、0-0の緊迫した展開となりましたが、退場者を出し、一人少なくなったエスパニョールが苦しみながらも、試合終了間際のゴールで勝利し決勝に駒を進めました。
 
迎えた決勝戦。バルサを破り初優勝を目指した東京でしたが、互角以上の戦いを見せながらもゴールを奪えず。エスパニョールも東京の堅い守備に点を奪えず、スコアレスドローでPK戦に突入。両チームのGKがスーパーセーブを見せた最終決戦は2-1でエスパニョールの勝利となりました。3位決定戦に登場したバルセロナは、ベトナム代表を相手に5ゴールを挙げ快勝。この結果、大会を制したのは大会初参加のエスパニョール、2位は東京都U-12、3位バルセロナ、4位ベトナム代表となりました。(取材・文 大塚一樹 写真 鈴木蹴一)
 
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優勝したエスパニョールは、飛び跳ねながら歌い、体全体で喜びを表した
 

■鉄壁のDFラインと激しいプレッシャーでバルサを苦しめた東京都U-12

「昨年も倒しに行ったけど、やっぱりどこか構えてしまった。今日は合わせるんじゃなくて、自分たちから仕掛けること、特に試合開始直後はスタートダッシュでゲームに入ろうと思っていた」
 
メンバーは替わっていますが、米原隆幸監督は昨年の決勝に続き、2回目のバルセロナとの対戦。監督の言葉通り、選抜チームである東京都U-12は練習期間4日間とは思えないほど統率された動きで試合開始直後からバルセロナの中盤に仕事をさせませんでした。
 
「中盤のプレッシャーが激しく思うようにプレーができていなかったので、後半は“偽の9番”を使って、中盤に数的優位を作ることを試みました」
 
東京の守備に対してバルサのミラ・エレーロ・セルジ監督は、CFの選手が中盤に下がって数的優位を作り、バルサのトップチームが得意とする両サイドのスペースを使う形で攻めてきました。
 
「チャンスは多く作ることができたのですが、決定機に決めることができませんでした」
 
戦術的に偽の9番を意識して以降、明らかにチャンスは増えましたが、東京の右SB8.レオニ楓真選手、左SB4.森次純哉選手そして、カバリーング能力に長けたCB3.大矢ショラ選手とDFラインを統率したCB13.森山純平選手で形成する4バックは、その怒濤の攻撃を1失点で乗り切りました。
 
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DF陣を統率し、バルサの怒涛の攻撃を一失点に凌いだ森山純平。米原監督の「ディフェンスをしっかり整えれば、バルサのような強敵でも試合は成立する」という言葉が象徴するように、ディフェンスに課題を抱える日本勢の光明となるような働きだった
 
攻撃陣はMF2.石澤諒志選手が右サイドから仕掛ける形を軸に、決して守備一辺倒ではないところを見せました。事実、この試合の先制点は石澤選手のドリブル突破からこぼれ球を押し込んだ東京が挙げたゴールでした。
 
「やればできる」
 
米原監督がバルセロナへの挑戦で選手たちに示したかったのは、「それでも戦っているこっちが勉強になるくらいすごかった」というバルサにも、互角に戦える部分があってPKとはいえ勝てるということでした。
 
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PK戦の末、バルサに勝利し抱き合う東京選抜イレブン。このチャレンジが彼らの自信となりサッカー選手としての成長を助けることだろう
 

■エスパニョールも封じた東京DF陣

「エスパニョールとバルサは同じカタルーニャ地方のクラブで、どのカテゴリ、どの年代においてもライバル関係にあります」
 
決勝戦はバルサを破った東京都U-12とエスパニョールの顔合わせ。今大会の見所をワンポイントで紹介してくれたサッカーサービスのポールコーチに、大会前半、エスパニョールの特徴について聞いたところ、こんな答えが返ってきました。
 
「エスパニョールもバルサと同じようにできるだけボールを保持して試合を進めたいチーム。だけど、エスパニョールの方がもう少し縦に早く攻める。早めにサイドを使って攻め上がる傾向がある」
 
決勝戦では、バルサ戦でも健闘が光った東京の4バックが機能し、緊迫した試合が展開されます。ポールコーチは、エスパニョールのFWがボールを受けに下がったときの東京のCBの対応に、DFとしての良さがあらわれていたと言います。
 
「エスパニョールのFWが下がってボールを受けに行く際、東京のCBはどちらもその動きに素早い出足でついていきました。この守り方はすごく効果的でした。ボールが入る前に体を強く寄せ切ってしまう。これをやられると、FWはターンして前を向くことができなくなり、ポストプレーでパスを落とすことも難しくなります。東京はCB、SB含めて、自分のゾーンを守る意識が統一されていて、マークを追い続ける動きが素晴らしかったと思います」
 
一方でポールコーチは、エスパニョールの攻めが大会初日よりもずいぶん改善されたと評価した上で「こういう試合で点を取るために必要なことがあった」と言います。
 
「ピッチ全体を縦3つに分けたとします。エスパニョールの攻めは、この3つの内のどこかを使う攻めが多かったように見えました。右サイドなら中盤から前線まで右サイドだけ。左サイドで攻撃を始めたらずっと左サイドで縦に攻める。これでは、東京の守備陣は予測が立てやすく、準備を整えやすくなります。両サイドの選手が積極的に相手の裏のスペースを狙う動きができれば、結果は違っていたかもしれません」
 

■ワールドチャレンジが教えてくれたこと1 審判への抗議は止めよう!それはサッカー選手としての誇りに反する行為

 
「最初に審判のみなさんに謝りたい。選手たちが抗議をしていたが、ああいう態度はどんな試合であってもとってはいけない態度でした。申し訳ありませんでした」
 
準決勝で敗れたバルセロナのセルジ監督の会見は、こんな言葉からはじまりました。交代を巡る混乱で一時試合が止まってしまった時間があったにもかかわらず、ロスタイムが短かったことなどが原因だったのでしょうか。タイムアップの笛が吹かれたとき、PK戦終了後にバルセロナの選手は審判に駆け寄り、猛烈な抗議をしました。セルジ監督は試合後、PK戦に敗れたことではなく、この抗議をした選手の態度を注意したそうです。
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試合後、審判に駆け寄り抗議するバルサの選手たち
 
「自分がカンテラに関わって、ああいう態度を目にしたのは初めてだ。どんな理由があっても審判の判断に選手は関与できない」
 
過去の大会でもそうでしたが、この年代のバルセロナの選手たちは「バルサの選手であることの誇り」を自覚し、それを体現することを厳しく求められています。セルジ監督は、昨季のリーグで30戦30勝だったという“負けに慣れていない”選手たちに、敗戦時でも“バルサの選手として振る舞うこと”を求めたのです。こうしたピッチ以外での哲学は間違いなくピッチ内のバルサの哲学に結びつき、バルセロナの下部組織、カンテラの成功に大きく寄与しているはずです。
 
次ページ:ワールドチャレンジが教えてくれたこと2 日本の子どもに足りない"自分を信じる力"
 

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