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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015

なぜ、最強クラブFCバルセロナの守備はすごいのか【レポート3日目】

2015年8月30日

大会3日目のU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは、グループリーグを勝ち抜いた8チームによる決勝トーナメントに突入。第1試合、バルセロナは浦和レッドダイヤモンズジュニアを3対1で下し、準決勝進出一番乗りを決めました。終始、バルセロナペースで進んだ試合でしたが、浦和はMF8.戸田大翔選手がペナルティアークやや右からのFKを直接決めて一矢を報いました。昨年のファイナリストで打倒バルサに燃える東京都U-12は同じくバルサへの雪辱を目指す柏レイソルU-12を2対0で破り、バルサへの挑戦権を獲得。日増しにコンディションをあげているエスパニョールは名古屋グランパスエイトU-12を4対1で下し、それぞれ明日の準決勝に進みました。(取材・文 大塚一樹 写真 鈴木蹴一)
 
連日Jクラブを撃破し、プレーレベルの高さを見せているU-12ベトナム代表と大宮アルディージャジュニアの戦いはPK戦に突入。3人が決めたベトナム代表が辛くも準決勝進出を決め、明日のエスパニョール戦に臨むことになりました。
 
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小さくてもボールを奪えるということを大会を通してプレーで示しているチャビ・シモンズ選手
 
 

■雨はバルサを強くする!?

冷たい雨が降るなか行われた今日の第1試合、バルセロナは試合のほとんどの時間、浦和陣内で試合を進めました。エキシビジョンマッチでは選抜チームに敗退を喫し、得点差が開くことの多かった過去二大会に比べると「迫力不足では?」という声も聞こえるバルサですが、昨年のパブロ選手のように一人でも点を取れる能力を持ったFWがいない分チームで勝つ意識が高く、「バルセロナのコンセプト」という意味では、より“バルセロナらしい”サッカーを展開しています。
 
「試合ごとに良くなっている。今日はチーム全体のオーガナイズにとても満足している」
 
バルセロナのミラ・エレーロ・セルジ監督は、浦和レッズジュニアとの準々決勝をこう振り返りました。
 
「今日は雨だったのでピッチが濡れていて有利でした」
 
ピッチが濡れていると有利? これはどういうことでしょう?
 
このことが、バルサのコンセプト、今日の試合の展開とリンクしているので、その辺りのことを大会を通じて分析を担当している世界屈指の指導者集団、サッカーサービスのポールコーチの言葉をヒントに見ていくことにしましょう。通常ピッチが濡れていることで想定される変化は、ボールが滑るため、球足の速いパス出しが可能で、パスサッカーをするチームに有利なことです。パスサッカーを得意とするチームがホーム戦で自スタジアムの芝生を短く刈り込み、晴れの日には試合前に水をたっぷり撒くという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
 
ポールコーチはもうひとつの要因を指摘します。
 
「雨が降っている状況はボールコントロールが難しくなる。浦和が自陣の深い位置で、つまりバルサが敵陣の高い位置でボールを奪えていたのは、この雨のおかげかもしれません」
 

■バルサのディフェンスは、なぜすごいのか

バルセロナの試合を観ていて驚かされるのは、守備の寄せの速さです。ポールコーチは今年のチームは個々のタレントではなくチームコンセプトとして特に最初にボールを奪いに行くファーストディフェンダーのアプローチが素晴らしいと言います。
 
「バルセロナの守備のメソッドでは、ボールを失ったあとのディフェンスを想定して、ファーストディフェンスに3人が相手のボール保持者にアプローチします。そのためには、この3人が相手に素早く近寄らなければいけません。それがこのチームはできていると思います」
 
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ポールコーチが特に絶賛しているのが、チーム1のタレント、チャビ・シモンズ選手の守備の仕方です。
「ファーストディフェンダーが抜かれたときにサポートに行くのがセカンドディフェンダーですが、シモンズ選手はこうしたカバーリング能力が素晴らしい。ファーストディフェンダーが抜かれた瞬間、セカンドディフェンダーのシモンズ選手は間髪入れずに相手に近寄り、自分がファーストディフェンダーになるのです。この切り替えが本当に早いのです」
 
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ファーストディフェンダーからセカンドディフェンダーへの切り替えを早くするためには、ボールを持った相手の状況を見極め、抜いてくるコースを予測しておく必要があります。シモンズ選手はこの「認知と予測」が特に優れているため、常に適切な距離感でカバーリングとボール奪取のアタックが使い分けられると言います。
 
大会初日、ポールコーチが指摘したバルサの守備の課題は、ファーストディフェンダーの出足に比べて、セカンドディフェンダーの距離が遠すぎるというものでした。とくに中央の選手が遠くにいることが多かったという指摘だったのですが、徐々に改善され、シモンズ選手とウーゴ選手がピッチにいるときはこの状態はまったく見られなくなりました。
 
「浦和は長身選手の3.岡田翼選手をターゲットに前線にロングボールを蹴ってきましたが、これをいち早く察知したシモンズ選手がセンターバックの二人と三角形を形成し、パスを出そうとする選手と岡田選手の間にポジションをとって、パスコースを消していました。また、ボール保持者がロングパスを諦めてドリブルを選択した際には、その侵入を阻止するため前に出ながらドリブルコースをふさいでいました。つまり、前後のディフェンスを常に頭に置いてポジションをとっているのです。こうしたプレーは、ピッチ内の状況を広い範囲で把握していないとなかなかできません」
 
次ページ:ポゼッションしたいから早くボールを奪いたい、攻防一体の意味
 

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