サッカー選手を目指す子どもの親に贈る4つのアドバイス

2016年8月12日

子どものサッカーに、親はどこまで口出しをしていいの?

子どものサッカーを見学に行くと、ついつい口を出したくなるのが親の心情です。
「そこはパスだろ!」
「ゴール前では思い切ってシュートを打ちなさい」
「なんでもっとボールを奪いに行かないんだ!」
口出しが子どもの成長にとってよくないことはわかるけど、なにか子どもの力になってあげたい。
親はどこまで口出しをしていいものなのでしょうか? 今回はFCバルセロナキャンプなどでのコーチ経験を通して多くのサッカー少年と親に接してきた浜田満さんに「親の口出しの作法」について話をうかがいました。(文 浜田満 構成 北健一郎 コンテンツ提供  徳間書店)
※本稿は、『世界で通じる子供の育て方 : サッカー選手を目指す子供の親に贈る40のアドバイス』(著者・浜田満、徳間書店刊)の一部を転載したものです。

■なぜ、サッカーのコーチは親に口出しされることを嫌うのか

よく、「親が子どもに口出ししすぎるのは良くないのではないか?」という声も聞きます。確かに、親の介入がマイナスに働くことがありえることは否定しません。
でも、私は親が子どもに口出しすることは〝あり〟だと思っています。親というものは多かれ、少なかれ子どもに口出ししているものです。もし、自分が昔、サッカー経験者で、息子もサッカーを始めたら、口出ししたくなりますよね。当然だと思います。
でも、サカイクをお読みのみなさん、深呼吸してよく考えてみてください。

■親の"古い"時代のサッカーと今のサッカーは違う

今、自分が知っている(と思っている)サッカーは、10年とか20年前に教えてもらったサッカーではないですか? サッカーは、いや、ここはあえてフットボールと言いますが、フットボールは日々進化しているのです。 例えば、弊社が2007年から運営しているFCバルセロナキャンプですが、当時のトレーニング内容と現在のトレーニング内容はずいぶん変わっています。
5年ぐらい前まではボールをポゼッションしながら、いかに数的優位を作り、崩していくかという部分が主でしたが、現在はボール・ポゼッションをしながら数的優位を作ることは継続しつつも、ほとんどのトレーニングがボール・ポゼッションからのトランジション(攻守の切り替え)を主としています。
多くのコーチが、親に口出しされるのを嫌うのはこの部分が大きいのではないかと思います。コーチの中には、本当に日々勉強している方も多数いらっしゃいます。そういうコーチから見ると、どや顔で20年前の知識を振りかざし、子どもに口出ししてくる親がいると、毛嫌いしたくなるのもうなずけます。
でもそれは、親が十分にサッカーを勉強していない場合かつ、子どもに間違った意見を押し付ける場合です。もしも自分自身がにわか知識や間違った知識しかなく、子どもと一緒に学んでいこうという意識のない場合は、子どものサッカーに介入すると間違った方向に導いてしまう可能性があります。

次ページ:あなたは、サッカーを本気で勉強する気がありますか?


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