U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017

2017年11月13日

「バルサはすごい」で終わらせないために。求められる『認知力』と『インテンシティ』

10月上旬、サッカーサービスのコーチが「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ」における、FCバルセロナのプレーを分析する講習会が行われました。 テーマは「日本とバルサのボランチのプレーの違いについて」。 前編では攻撃をテーマにお伝えしましたが、後編では「ボランチの守備における戦術意図」をお届けします。(取材・文:鈴木智之)

 

前編>>「バルサと日本の「ボランチ」の違いとは?U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジから見えてきた課題」

 

■守備にも求められる"認知力"と1対1の"インテンシティ"

分析を担当した、サッカーサービスのアルベルト・ペレスコーチは「ワールドチャレンジでは、バルサが守備をする時間が短かったので、プレーを抜き出すのが難しかったです」と前置きをした上で、まずは「認知」の重要性を説きます。

前編の攻撃編でも触れたところですが、ペレスコーチによると「日本の選手とバルサの選手の一番の違いは認知にある」そうです。

 

この講習会はワールドチャレンジの映像を使って行われました。
映像の中で、日本の選手はボールに注意を寄せる場面が多く、「相手がどこにいるか」「味方がどこにいるか」「スペースがどこにあるか」「スペースがどこにできそうか」という状況把握=認知に向上の余地が見られました。それは攻撃だけでなく、守備の場面でも同じです。

ペレスコーチはバルサのボランチの守備について 「(ボール保持者がいる)前方だけを見るのではなく、常に首を振って自分の背後のスペースを見て、どこにパスコースがあるかを把握していました」と言います。

ボランチの大切な仕事のひとつに、"ピッチ内でチームのバランスをとる"ことが挙げられます。 ピッチの中央にいるボランチが自分のゾーンを空けてしまうと、ボールを持った相手に進入され、一気に前に進まれてしまいます。 相手がピッチ中央部でボールを保持したときに、ボランチの選手がすべき守備は、背後にいる相手チームのFWへのパスコースを切りながら、 ボール保持者にプレッシャーをかけること。そしてそのプレーを100%のインテンシティ(強度)で行うことです」

状況を認知し、ベースとなる判断基準のもとに、チームとして連動して100%の力でプレスをかける。 ボール奪いに行くプレーも、日本とバルサとの違いだと指摘します。

「日本の選手は、競り合いになると止まってしまいます。一方でバルサの選手は100%の力で迷わず行くので、ボールを奪うことができます。 1対1の状況では体をぶつけて相手にプレッシャーをかけますが、日本の大半の選手はそれができていません

 
次ページ:ボールに行くだけが守備ではない
 

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