U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014特集

2014年8月27日

世界的指導者集団が分析!ジュニア年代の日本と世界との差とは

 

■ボールホルダーに近づくことだけがサポートではない

2つ目のコンセプトは、味方のプレーを助けるために重要な「サポート」の動きです。昨年のワールドチャレンジで、こんな場面がありました。リスタートの場面で、最終ラインの選手が3m先にいる味方にグラウンダーのパスを出しました。パスを出した選手はすぐに後方に動いて、ボールを持っている選手に対してパスコースを作る必要があるのですが、その選手はその場に止まっていました。そのため、パスを受けた選手は出しどころがなく、相手にプレスを受けて、ボールを奪われてしまいました。
 
一見、ボールを持った選手のミスで奪われたように見えますが、パスを出した選手がサポートの動きをして、数メートル下がっていれば、防ぐことができた場面でした。ここで覚えておいてほしいのが、『ボールを持った選手に近づくことだけがサポートではない』ということです。ボールを持っている選手に対して、サポートをするために近づきすぎると、2人の距離が近いため、相手は1人で2人の選手に対応することができます。そこで、味方と適度な距離をとってパスコースを作るサポートをすることができれば、2対1の数的優位を作ることができます。
 
11人制の場合、センターバックは数的優位を作って守ることが求められます。相手が2トップの場合は3バック、1トップの場合は4バックといったように、数的優位を作ることが基本です。センターバックの1人がボールを持っている際、もうひとりのセンターバックがサポートをするために近づきすぎると、ひとりのFWがふたりのセンターバックをケアできてしまいます。それでは数的優位を活かしきれていないので、良いサポートとは言えません。
 
そこで片方のセンターバックが離れて、2人の間にパスコースがあるような動きができれば、ボールをつなぐことは、それほど難しいことではありません。その際も、ただ離れるのではなくて、幅と深さをとることが重要です。幅とは横に離れること、深さとは、前後に離れてボールが動くコースを作ることです。FCバルセロナの選手はジュニア年代から、この原則を身につけています。そのため、パスを簡単につなぐことができます。ワールドチャレンジでは、こういった部分に注目して見てみるのもおもしろいでしょう。
 
後編:日本が世界に追いつくために!「幅の広さと縦の深さ」とは?>>

 

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