1. サカイク
  2. 連載
  3. 子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高めるには?
  4. 少年スポーツの多くは「やりすぎ」。将来後悔しないためのコンディショニング基礎知識

子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高めるには?

少年スポーツの多くは「やりすぎ」。将来後悔しないためのコンディショニング基礎知識

公開:2021年6月11日

キーワード:コンディショニングヴァンフォーレ甲府休息疲労回復睡眠谷真一郎食事

「もっとうまくなりたい!」という気持ちを胸に、毎日のようにサッカーにがんばっている子どもたち。全国の強豪サッカーチーム(84名)でアンケートをとったところ、日常的に「疲れを感じている」と答えた選手が89%もいました。

日々のハードなトレーニングだけでなく、休息や栄養面が三位一体となることで、サッカーのパフォーマンスは向上していきます。

そこで今回は「サッカーがうまくなるためのコンディショニング」について、ヴァンフォーレ甲府で長く選手のコンディショニングを担当し、20年に渡りJリーグでフィジカルコーチを歴任してきた谷真一郎さんにうかがいました。(取材・文:鈴木智之)

tani210611_2.jpg

■Jリーガーもやっている「自覚疲労度」のチェック

サッカーに限らず、トレーニングの原則に「過負荷―超回復の原則」があります。これはトレーニングをして身体に負荷をかけ、回復していく過程でコンディションが高まり、身体が以前よりも良い状態になっていくことを言います。

「ハードなトレーニングをして身体に負荷をかけた後に、超回復を導くためには十分な栄養と休息(睡眠)が必要です。この2つがとれていないと、回復しきれない状態が続き、トレーニングの効果が限定的になってしまいます。また、十分に回復できない状態でハードなトレーニングをすると、ケガにつながることもあります。トレーニングの時間や回数と同じぐらい、栄養や休息を含めた"コンディショニング"も重要なのです」

tani210611_3.png

そのために、谷さんが推奨している方法「自覚疲労度のチェック」があります。それは、自分で自分の身体をモニタリングすること。具体的には、毎日の疲労を10段階で自己評価し、カレンダーなど紙に記入します。これはJリーグの選手にも実施していて、効果を感じている方法だそうです。

自覚疲労度をチェックするコンディショニングチェックシートは、ここからダウンロードできます>>

「まずは自分の身体に目を向けて、自分の体調や疲労度を知ること。最初はわかりづらいかもしれませんが、続けていくと『今日はいつもより調子がいい』『調子が悪い』といったことを子どもでも感じ取れるようになります。Jクラブの選手が実施していた際には、この実感値は正しくて、血液検査による疲労度合いと関連性がありました」

■子どもの頃から意識することが大きな差に

大事な試合で活躍したいという思いから、練習量を増やし過ぎて肝心な試合の日に疲労がピークにきてしまう。こういったケースは特に育成年代でおこりやすいそうです。

普段より疲労を感じている場合は、練習量を減らす、疲労回復に効果的な食事メニューを選ぶ、睡眠時間をしっかり確保する、疲労回復効果のある入浴剤を使う、サプリメントで足りない栄養を補給するなど工夫をすることで、コンディション向上に役立てることができます。

「サッカーがうまくなるために練習をするわけで、身体を疲れさせるために練習をするわけではありませんよね。ときには、練習をするよりも休息にあてた方が、身体が回復し、トレーニング効果がアップする場合もあります。これは育成年代の子だけでなく、アスリート全般に言えることですが、質の高いトレーニングだけでなく、質の高い休息、栄養をとることにも目を向けてほしいと思っています」

トップレベルの選手を目指すにあたって、子どもの頃からコンディショニングや栄養、休息に目を向けているのと、何も考えずに取り組むのでは、知識や身体作りの面からも、大きな差となって現れてくるのではないでしょうか。

「子どもはサッカーが大好きで、毎日でもやりたいと思うもの。楽しんでいるうちはそれでもいいのですが、小学校高学年になると競技レベルも上がり、スクールとクラブを掛け持ちして、睡眠時間が少なくなったり、精神的、肉体的に疲労を感じているお子さんも多いと聞きます。その場合は、保護者が子どもの様子をいつも以上に気にかけてあげて、食事や休息面でサポートしてあげると良いと思います」

tani210611_1.jpg

■回復のやり方次第で実力差も逆転できる!

谷さん自身、指導現場で「子どもたちは疲れているな」と感じることがよくあるそうです。

「1日に3試合、4試合やってから、個人トレーニングを受けに来る子もいます。トレーニングをしないと不安な気持ちもわかりますが、そのような状況のときは保護者が、子どもの体調面を気遣ってあげてほしいと思いますし、実際にそういう話はよくしています」

サッカーがうまくなるため、試合で良いプレーをするために練習をしているのに、トレーニングのしすぎやコンディションに目を向けないあまり、試合で実力を発揮できないのは本末転倒。とてももったいないことです。

「私はこれまでたくさんのJリーガーを指導してきましたが、回復(リカバリー)のやり方次第で、相手との実力差を埋めたり、逆転する場面を何度も見てきました。それほど、コンディショニングは重要なのです」

■子どものコンディショニングは親のサポートが重要

子どもの場合、自らコンディショニングに目を向けるのが難しいこともあるので、保護者のサポートで、より良い状態に導くのが理想です。

「いかに心身ともに回復させて、良い状態で練習や試合に臨むことができるか。そのために大切なのが栄養と休息。さらにはストレッチなどのアクティブリカバリー(積極的な回復)です。身体を冷やす、温める、マッサージ、入浴、リカバリーウェアの着用、サプリメントの摂取など、できることはたくさんあるので、練習をしたらしっぱなしではなく、その後の回復まで目を向けてもらえたらと思います」

キーワードは「積極的な回復」です。受け身ではなく、自分から回復するための行動を起こすことを心がけてみてください。

また、この記事で紹介した自覚疲労度をチェックするコンディショニングチェックシートは、以下からダウンロードできます。ぜひご家庭で使ってみてください。次回の記事では、具体的な疲労回復法を紹介します。

自覚疲労度をチェックするコンディショニングチェックシートはこちら>>

谷さんも薦める!疲労回復に効果的な食事サポートとは?>>

tani210611_0.jpg

谷真一郎/ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター
筑波大学在学中に日本代表へ招集。卒業後は柏レイソルでプレー。引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FC、ヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを歴任。『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』

1

疲れや暑さに負けない「キレキレ」を500円でお試し!>>

kirekire500_1080_1080.jpg

サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
最新ニュースをLINEでチェックしよう!
友だち追加
取材・文:鈴木智之

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連記事

関連記事一覧へ

子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高めるには?コンテンツ一覧へ(13件)

コメント

  1. サカイク
  2. 連載
  3. 子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高めるには?
  4. 少年スポーツの多くは「やりすぎ」。将来後悔しないためのコンディショニング基礎知識