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子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高める食事とは?

食事中のお説教、スマホ、テレビが子どもの成長に与える悪影響とは?

公開:2020年11月 5日

キーワード:ビタミン少食栄養消化吸収食育

日本における栄養学の権威 丸元康生先生による「消化吸収」の特別授業。食事から摂った栄養をエネルギーや身体作りに、無駄なく役立てるためには、どうすればいいのでしょうか? 今回は保護者の食卓での振る舞いと、消化吸収を助ける食べ物などについて、教えてもらいました。

●前回の記事:食事もトレーニング!スポーツをする子どもたちに大切な「消化吸収」を高める方法とは?>>

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■食事に集中することが消化能力を高める

前回の記事では「意識性の原則」について話をしました。これは「鍛えている部位にきちんと意識を合わせることが大切」という原則です。たとえば、ダンベルを使って上腕二頭筋のトレーニングをするときは、「上腕二頭筋を鍛えているんだ」と、動かす部位、筋肉に意識を向けることで、動作と脳がつながります。そのあとは、脳が筋肉を大きく強くする手はずを整えてくれるので、トレーニング効果が高まっていきます。

食事にも同じことが言えます。食べ物の見た目や味、匂いなどに意識を合わせることで、動作と脳がつながります。脳が「いまは食事をしているんだ」と認識すると、胃や腸など、身体に対して「いまから食べ物が入ってくるので、消化する体制を整えてください」という指令を送ってくれます。

そうすることで唾液や胃酸の分泌がうながされ、膵臓から消化酵素が作られたりと、消化器全体が活発に働きます。ですから、食事中は他のことに意識を向けず、食べることに集中する方が良いと思います。そうすることで、消化吸収能力も上がっていきます。

■食事に意識が向かないと唾液の分泌が少なく

最近よくあるのが、スマートフォンを見ながら食事をするケースです。これは大人から子どもまで、幅広く見られる現象だと思います。スマートフォンで動画やSNSなどを見ながら食事をすると、意識は食べ物ではなく画面に向かってしまいます。

そうすると、脳と身体が「食事」で関連付けられなくなり、唾液や消化酵素の分泌が活発にならなくなってしまうのです。せっかく栄養のある食事をしていても、消化吸収の力が弱くて、十分な量のエネルギーや細胞にならないのはもったいないことです。

スマートフォンに意識が向きすぎると、料理の味を感じられなくなります。試しに、メールやラインのメッセージに集中しながら食事をしてみてください。パッと「食事をしている自分」に意識を戻すと、ほとんど唾液も出ていないし、食べたものの味も全然感じていなかったことに気づくはずです。

食事に意識が向かっていないと、唾液の分泌が少なくなります。唾液と消化器は連動しているので、消化酵素の出る量も減ってしまいます。その状態で食事を続けていたら、本来もっと消化することができたものを、消化できないまま、食べ物が消化管を通過してしまいます。毎日そのような形で食事をするのは、身体にとって良いことではありません。

五感を使って「美味しい」という刺激を受け取り、食べる動作と脳がつながった状態になると、副交感神経が優位になります。副交感神経は消化器の働きを活発にするので、消化能力もアップします。

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■子どもへの「食事中のお説教」も厳禁!

一方、ストレスがかかった状態では、交感神経が優位になるので、消化器の働きを抑制してしまいます。その結果、消化能力が落ち込んでしまうことがあります。

もっとも消化吸収に良くないのが、食事中にストレスを感じることです。以前、レストランで食事中にネチネチとお子さんにお説教をしている保護者の姿を見かけたことがありました。私の耳にも、お説教の内容が聞こえてきて、唾液の分泌が鈍くなってしまったほどです。ましてや、直接言われているお子さんには、たくさんのストレスがかかっていたと思います。

朝からスポーツを頑張ったり、勉強を頑張っているお子さんにとって、食事は息抜きの場でもあります。仕事が忙しい大人の中にも「ランチタイムが、唯一の息抜きの場」という人も多いのではないでしょうか。

せっかく美味しい食事が目の前にあるのに、上司にネチネチと仕事のダメ出しをされたら、息抜きどころかストレスがたまりますし、せっかくの食事も美味しく感じません。そうなると消化能力が落ち、栄養の吸収も落ち込んでしまうのです。

試合の後は、夕食中に試合のビデオを見て家族で反省会というご家庭も多いと聞きますが、ダメだしやお説教の時間になっているとしたら、タイミングを見直すべきかもしれません。

■食べることを心から楽しもう!

食事中はスマートフォン見ちゃダメ、テレビに熱中するのもダメ、ストレスになること全部ダメ、となるとNGばかりで、すごく大変に感じるかもしれません。でも、消化にいい食事は、決して難しいものではありません。

食事中は、食べることを心から楽しむだけでいいのです。
それさえできていれば、大丈夫。楽しくおいしく食べている時は、意識は食事に向いています。テレビやスマートフォンに気を取られてもいないし、ストレスも感じていないでしょう。

本来食事とは楽しいもの、おいしく感謝していただくもののはず。まずは保護者のみなさんが「食事の時間は楽しく過ごそう」という気持ちで食卓についたら、お子さんも同じ気持ちになってくれるのではないでしょうか。なにせ、お子さんは親御さんの真似をするものですから。

そして、できることならメニューに少し工夫をしてみてください。消化には唾液と胃酸が必要です。唾液の分泌をうながすために、梅干しや酢の物、マリネなど酸っぱい食べ物を用意しておくといいでしょう。お寿司屋さんでガリ(生姜)が出てくるのも、消化をうながすためです。ほかにも、苦味のある野菜も唾液の分泌に影響があります。お子さんは苦手かもしれませんが、食事の最初に食べるのがおすすめです。

消化機能を高める消化酵素は、タンパク質で作られています。そのため、タンパク質が不足していると、消化酵素の合成がうまくいかなくなります。消化にはエネルギーが必要なので、ビタミンB群も重要です。食事で補えない場合は、サプリメントを飲むのも良いと思います。

そして「消化の妨げになるような食べさせ方」(スマホを観ながら食べる、食事中にお説教をする)はしないようにしてください。親が作る料理は、特殊な位置づけとして、人々の心に残っています。そこに、愛情が込められているからだと思います。愛情を感じることができれば、自然と感謝の気持ちも沸いてくるはず。それを感じ、楽しんで食事をすることで、お子さんの消化吸収の助けになると思います。

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丸元康生
1958年生まれ。青山学院大学文学部日本文学科卒業。米国ワシントン州、イースタン・ワシントン大学卒業。栄養学、生化学を専攻。ホリスティックカレッジ・オブ・ジャパン講師。平田ホリスティック教育財団理事。著書に『スンナリ分かる栄養学ベーシック』、『ビタミンがスンナリわかる本』、『スンナリわかる脂肪の本』(主婦と生活社)、『豊かさの栄養学』シリーズ、訳書に『ジョナサン・ライト博士の新・栄養療法』(廣済堂出版)など。栄養学ジャーナリストとして世界最先端の米国栄養学を日本に伝えてきた先駆的存在。

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取材・文:鈴木智之

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