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テクニック

2015年3月13日

ゴールを決める!目的を持ったトレーニングが子どもを成長させる【クラウスの金言】

キーワード:U-12コーチジュニアトレーニングドイツモダンフットボール指導法育成

DVD「モダンフットボール」のトレーニング
競争意識がもてるトレーニングを取り入れる(DVD「モダンフットボール」より)

■ドリル+ミニゲームの組み合わせが重要

ただし、これはあくまでも第1段階。前述したようにサッカーは相手ありき、そしてゴールありきのスポーツです。ドリルトレーニングだけではダメで、ミニゲームだけでもダメ。トレーニングの組み合わせ方が重要になります。

クラウスはこの点に関して、「特にシュートは非常に大事なんだ。どの練習でもできる限りシュートと結びつけることが大切だと思っている。そしてシュートとは打つことではなく、決めるという目的を持つことが重要」と強調します。ドイツでもそうですが、おなじみのシュート練習というと、ハーフウェーラインからのポストシュート。これは、シュートを練習している感じがします。試合でそうした場面からのゴールというのを目にしたことが、どれくらいあるでしょうか。ゴールを決められるようになるためには、どの位置からどのように打たれたシュートがゴールに結びつくかを知ることが大切になります。

クラウスも「不必要に距離のあるミドルシュートやロングシュートの練習よりも、基本的にかなり近い距離からのシュートをトレーニングさせている。子どもたちは『近すぎるよ!』というけど、それを確実に決められるようにならないといけないんだ」とうなずきます。

実際に国際大会の統計を見ても、ほとんどのゴールはペナルティエリア内から生まれています。

そのことを挙げると、クラウスは「ダイレクトだということも大事だ。トラップしてシュートではなく、ましてトラップして運んでシュートではなく、パスに対してダイレクトシュートをすることが大切だ」と補足してくれました。とはいえ、小さな子どもがいきなりパスをダイレクトでシュートできるようになるのは非常に難しいこと。もちろん最初は簡単な形からシュート練習を行い、徐々に難易度とスピードを上げていきます。ただ最終的に目的となるものをビジョンとして持っているかどうかは指導者としてとても重要なポイントになるのです。

シュートを含めて練習した技術は、それを活かすチャレンジする場がなければ意味をなしません。だからこそミニゲームを多く行うことが重要になります。クラウスは「このミニゲームで技術を使い、学んだ技術をゲームで活かす。さっき指摘したシュートに関することも、2対2や4対4の練習の中でも意識してさせなければ。練習でそれができるようになれば、実際に試合でもチャレンジするようになる」と語っていました。

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子どもたちがサッカーを楽しむことが第一(DVD「モダンフットボール」より)

ゲームは子どもたちにとって、何物にも勝る学びの場。ミスすることを含めてさまざまな経験をすることができます。大人は自分たちの経験から何が正しくて何がミスなのかをわかっていますが、そもそもの経験が少ない子どもはその判断基準がまだ備わっていません。だから外から「何をやっているんだ!」「そんなプレーはするな!」「違う!そうじゃない!」という声は、子どもたちの成長への妨げにしかなりません。まずは彼らが一つ一つのプレーに集中できる環境を整えてあげ、自分たちで感じて学べる状況を作り上げることが大人の役目なのです。

「サッカーは楽しいということが一番大切。ただ多くのところでその楽しみが壊されている。なぜだろう? 楽しみがあるから練習にも身が入るし、また行こうと思う。今も昔もそれは変わらないことなんだ。だって、みんなサッカーがしたくてくるんだから」

パプストさんのこの言葉に子どもたちと向か合う大人の心構えがつまっているのではないでしょうか。

次回:「広がれ」という指示はNG!与えるのは答えではなく少しのヒント【クラウスの金言】

クラウス・パブスト(Klaus Pabst)

ドイツの名門「1.FCケルン」でユースコーチや育成部長を務め、多くのブンデスリーガを輩出。ケルンで最初となるサッカースクール「1.Jugend-Fusball-Schule Koln」を創設し、サッカー指導者養成機関としても知られる国立ドイツ体育大学ケルンで講師を務めるなどドイツサッカー育成の第一人者である。
日本へは何度も訪れており、指導者講習会や選手へのクリニックを開催。日本サッカーの育成にも造詣が深い。


クラウス氏監修のDVD「モダンフットボール」と
ドイツサッカー協会編集のU-10向け指導本がセットに>>

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取材・文 中野吉之伴

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