健康と食育
【熱中症対策】練習前の体重測定から食事バランスまでサカイクキャンプが実施する万全の熱中症予防 -オフザピッチ編-
公開:2020年7月 7日 更新:2020年8月 3日
気象庁によると、今年の夏は暑いという予報が出ています。ただでさえ年々暑くなるように感じる日本の夏は熱中症の危険がいっぱいです。今年は特に新型コロナウィルスの影響で外出ができない日々が続き、多くの人が暑熱順化できていないので、熱中症には特に注意が必要です。
そんな中でも、せっかく参加してくれた子どもたちが思い切りサッカーができるようサカイクキャンプでは、さまざまな熱中症対策をして子どもたちが健康で楽しく過ごす事ができるように工夫しています。
トレーニングの環境だけでなく、練習以外の場所で行っている安全策をご紹介しますのでぜひご確認ください。
(文:前田陽子)

<<前編:【熱中症対策】子どもたちを守るためサカイクキャンプが実施する万全の対策 -オンザピッチ編-
■練習の前と後に体重測定
前編でもご紹介しましたが、体内の水分が不足すると、脱水症や熱中症を引き起こす原因になります。また、体内の水分が低下すると徐々に動きが鈍くなり正しい判断、動きができなくなってしまいます。そうならないためには、運動中に発汗する分の水分を摂取することが大切です。
運動前後の体重を測定することで、水分補給が適切に行われているかを確認することができます。体重の3%以上の水分が失われると体温調節に影響が出るといわれているので(※)、体重の減少が2%以内に収まるように水分補給をさせています。その確認のために、子どもたちの体重を練習の前と後で測定をしています。
※独立行政法人日本スポーツ振興センター 学校災害防止調査研究委員会 「体育活動における熱中症予防 調査研究報告書」より
■練習前に氷の準備を徹底する
水分補給とは、水分を口に含むことではなく体内に吸収することです。口に入れた水分は胃を通過して腸で吸収され、血管に入り全身に運びます。ですから、胃から腸へ水分が速やかに移動することが重要なのです。そのためには、水分の温度管理が重要になります。運動中に摂取する水分は5℃~15℃が適温だとされています。サカイクキャンプでは、子どもたちの摂取する水分の適温をキープするために、グランドに向かう前に各自のボトルに氷を入れることを徹底しています。また、クーラーボックスに氷を常備し、いつでも適温の水分を用意できる状況にしています。
■水・清涼飲料水を用意
汗は99%が水分で、残りの1%にナトリウムと塩分を中心にカリウム・カルシウムなどのミネラル分が含まれます。汗をかくということは、水分だけが喪失するのではなく、ナトリウムなどもなくなっているということ。ですから炎天下での発汗の際には、水の他に電解質(イオン)などが含まれている清涼飲料水も用意しています。
清涼飲料水は塩分濃度0.1~0.2%、糖分濃度3~5%が理想なので、水2リットルに対して1リットル用のパウダーを溶かし清涼飲料水を作っています。水分は一度に大量にとるのではなく、こまめに少しずつ飲むことが大事なので、練習中に自由に水分が摂取できるようにしています。
■水分・エネルギーの必要量を確保
熱中症を予防するためには運動中はもちろん、運動前の事前飲水が大切です。ですのでサカイクキャンプでは、グラウンドに出る30分前までに、スポーツドリンク500mlを飲むことを義務付けています。これによって、体内に水分が十分ある状態で練習をスタートできます。
また、熱中症対策には栄養バランスのいい食事も必要。過不足ない量をきちんと食べ、かつ5大栄養素をバランス良く食べられるように、昨年のキャンプでは食品に栄養素がわかるシールを貼るようスタッフが促しました。このように可視化したことで子どもたちは毎回何を食べたら良いか考えながら取り組めました。

■練習後のリカバリー
練習後なるべく早い栄養補給を心がけております。また水分補給だけでなくサカイクキャンプでは「熱中症対策には食事も大切だよ」と伝えています。トレーナーやコーチたちが体重が2%以上減少した子を把握することで食事の指導、水分補給を積極的に促し、熱中症を予防します。
このようにピッチの外でも熱中症予防に取り組んでいます。
練習前後の体重測定をはじめとした施策を行うなど、コーチ、スタッフ全員が子どもたちの様子に目を配り、体調の変化をすぐにキャッチできるように努めているので、安心して参加ください。
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