健康と食育
2018年2月 8日
腹筋がグロインペイン症候群を引きおこす? 元スペイン名門のトレーナーに聞く、そけい部の痛みの原因と症状改善
■痛みの原因は「痛い箇所」ではなく別のところにある
(骨盤が立っている欧米人は日本人に比べてそけい部痛の症状が軽い事が多いそう)
グロインペイン症候群はその程度にもよりますが、痛みを抱えながらもプレーする選手もいて、手術に至るケースも少なくはありません。とはいえ、同じようにプレーを続けていけば、負担は積み重なり、悪化する可能性は高くなります。
その場合はもちろん休養を取ることが求められますが、やりながら治していく選択を取るのであれば、骨盤を上げることや、伸筋を意識し、正しい姿勢でプレーする意識を持つことが何より重要なのです。
松井さんは痛みの原因は、痛い箇所そのものにあるのではなく、身体全体にあると考えています。
「身体はひとつにつながっているわけですから、一部分だけを修正すればというわけではありません。原因はそこにはなく、別のところにある。その根本の部分を治すことで、個々の負担が減るという考え方なんです」
オスグット、シーバー病、そしてグロインペインなど、足に負担のかかるサッカーを続けるうえで、こうしたスポーツ障害は十分に起こりうるものです。しかし、そこには確実に原因があるのも確か。姿勢を変え、意識を変えることで、十分に避けられるものでもあるのです。
松井真弥(まつい・しんや)
アスレティック・トレーナー。2010年より10年間、スペインのリーガ・エスパニョーラ1部の名門RCDエスパニョールでトレーナーを務める。帰国後は2011年から14年までJリーグのベガルタ仙台でトレーナーとして活動。現在は千葉市にある鍋島整形外科にて身体のケアや身体の使い方によるケガ減少の指導を行っている。不定期で走り方教室を開催中。
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文:原山裕平、写真:新井賢一(U-12ジュニアワールドチャレンジ2017)