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「体幹トレーニング」だけやってもダメ! Jクラブが実践する、当たり負けない身体を作る学校や家庭でできるトレーニング

公開:2018年11月27日 更新:2023年6月30日

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■悪い姿勢はスピード低下だけじゃなく、身長の伸びにも悪影響

また、悪い姿勢は怪我をしやすいという以外にも、「プレーの推進力を低下させる」というデメリットを含みます。なぜプレーの推進力が落ちるのでしょうか?

「悪い姿勢というのは、骨盤が後傾します。すると、人の体は後ろ体重になります。これがプレー中に推進力を低下させる理由で、ドリブルでグッと前に体重移動してスピードをあげたいときや、シュートの際に重心を前に乗せてボールを飛ばしたいときに、前にかかるパワーが弱くなってしまうのです。」

強烈なシュートが打てない、スピード不足。そういう傾向にある選手を観察すると、姿勢が悪いケースが多いと齋藤コーチは指摘します。また、骨盤が後傾するともも裏の筋肉などが硬くなります。これも悪い姿勢でいると怪我をしやすい理由のひとつに挙げられます。

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また、「たくさん食べられなくなる」というのもデメリットです。

「なぜたくさん食べられなくなるかというと、姿勢が悪いと内臓が押しつぶされてしまうんです。本来あるべきところに内臓がないので、構造的に体に食べ物がたくさん入りにくくなります。これは育成年代の選手にとっては致命的です」

しっかり食べて栄養を吸収することは、身体を大きくするのに必要不可欠です。成長期である小学生にとっては、身体を作っている時期でもあります。正しい姿勢で過ごしていたらあと5cm伸びた可能性もあるのに......とならないよう、ご飯を食べる時も正しい姿勢を心がけましょう。

そのような側面からも、正しい姿勢でいることが重要なのです。体幹トレーニングを取り入れるのもお子さんの為を思ってのことだと理解しますが、まずはお父さんお母さんが悪い姿勢でいることのデメリットをしっかりと理解して、それを伝えてあげましょう。

子どもは「いい姿勢でいなさい」と言われても、なぜいい姿勢でいる必要があるのかわからないので受け入れてくれません。「悪い姿勢でいると、大きくならないしサッカーのスピードも上がらないんだよ」と伝えてあげることで、大好きなサッカーがもっとうまくなりたい子どもたちは、自らいい姿勢を保つ努力をしはじめるはずです。

エスパルスの育成組織では、クラブにいる時は基本的に「正しい姿勢」を取るように指導しているそうです。ベンチに座ってコーチの話を聞くときも、クラブハウスで食事をとるときも、常に正しい姿勢を取れているかコーチたちが気付きを促しています。

最近では選手たちの意識も高まってきており、ハーフタイムで気が緩み、背中を丸めて座っていた選手が「あ、自分だけ悪い姿勢で座っていた! かっこ悪い」と気づき姿勢を正すといった事も見られたそうです。


幼少期からの身体の癖を矯正するのは難しいかもしれませんが、正しい姿勢が当たり前の姿勢になれば、必然的にお腹周りが強くなり、当たり負けしない強い身体になれます。

子どもは無意識のうちに親のマネをします。子どもにだけ「姿勢を正しなさい」というのではなく、子どもの脳にインプットされてしまうお父さんお母さんの姿勢も大事だということも覚えてほしいと思います。

専門的な体幹トレーニングをする前にできることです。家でも学校でも、宿題中にもできるので、子どもにいい姿勢になってもらうアプローチ、はじめてみませんか?

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清水エスパルス齋藤佳久コーチ
理学療法士、アスリート育成コンディショニングコーチ

清水エスパルスの最新情報はこちら>>

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取材・文:出川啓太

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