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運動能力

2017年10月17日

ジュニア世代の体幹トレーニングは必要なし!? 元スペイン名門のトレーナーに聞く、強く速くなる身体の作り方

キーワード:エスパニョールスペイントレーニング体幹姿勢背骨骨盤

■スペインの子どもが試合後のクールダウンをしない理由

体幹だけでなく、身体をケアするためには様々な方法がありますが、そのうちのひとつに、試合後のクールダウンがあります。激しい動きをした後に、身体の筋肉をほぐしてあげることは、一般的に重要だと考えられています。その点についても松井さんに話を伺うと、意外な言葉が返ってきました。
「クールダウンもそんなに重要視していないとは言いませんが、スペインでは、ほとんどクールダウンなんてしません」
その理由のひとつに、文化の違いがあると松井さんは言います。
「なぜかと言うと、スペインには連戦がないから。日本は週末の試合が多すぎるのです。だからケガをしないためにいろいろやる。ダウンだけではなく、アップも同じことで、基本的にスペインではアップは身体を温めるというよりも、気持ちを高めるためにやっています。ダウンも軽く走る程度で、入念にストレッチをすることはありません」
子どもたちに連戦や過度な負担を強いる昔からの日本のやり方については議論すべきポイントでしょう。しかし、そうした環境を変えるのは、一筋縄ではいかないもの。週末の連戦が日常となっている日本では、やはりクールダウンはしっかりとやるべきものなのではないでしょうか。
「語弊があるかもしれませんが、やっぱりプロ選手がやっているようなクールダウンはそれほど必要はないと思います」
松井さんは言います。そしてこう言葉をつづけました。
「基本的にはさっき言ったように、良い姿勢や正しい動き方を身に付けることで、予防できるとことだと思います。それでも、ダウンをやりたいというのであれば、足ではなく、骨盤や背中の部分を動かしてやる程度でいいと思います。結局は良い状態で動けば疲労も少なくなるし、怪我も少なくなる。そうした考え方を持つことが、なにより大事なのではないでしょうか」

■良い姿勢は大人世代の腰痛予防にも

大事なのは、負荷をかけた後ではなくその前なのです。疲労が出てから対処することも翌日以降を快適に過ごすために大切ですが、まずは疲労を少なくする状態を日頃から作っておくことがポイントです。
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(子どもが笑顔でサッカーを楽しむために、親ができるサポートとは)
ケガや痛みがあってはサッカーも学校も楽しめません。対症療法も痛みの改善に効果的ですが、痛くならない(ケガしにくい)身体をキープすることが保護者のサポートになるのではないでしょうか。
今回ご紹介した「良い姿勢」は、腰痛などを防ぐ効果もあります。デスクワークや運転するとき、サッカーの応援時などお父さんお母さんも良い姿勢をキープして、健康的な毎日を送りましょう。
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松井真弥(まつい・しんや)
アスレティック・トレーナー。2000年より10年間、スペインのリーガ・エスパニョーラ1部の名門RCDエスパニョールでトレーナーを務める。帰国後は2011年から14年までJリーグのベガルタ仙台でトレーナーとして活動。現在は千葉市にある鍋島整形外科にて身体のケアや身体の使い方によるケガ減少の指導を行っている。不定期で走り方教室を開催中。

走り方講習などのお知らせはこちら>>


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文:原山裕平、写真:新井賢一(ジュニアワールドチャレンジ2017)

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