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運動能力

すぐ早く走れるようになる!陸上メダリストの為末選手伝授の早く走る方法(後編)

2013年6月14日

キーワード:トレーニング

■早く走るために② 腕の振りは太鼓をたたくイメージで

 足の運び方を覚えたら次は上半身、腕の振り方です。
 
「腕を大きく振ることで身体を効率よく前に進めることができます。このとき気をつけたいのが正面から見て、左右にブレたりしないで、まっすぐに腕を振ること。横に腕を振ると身体がねじれてしまい、前に進む力が逃げてしまいます」
 
 腕を振ることで最初に習った「まっすぐな姿勢」が崩れてしまっては意味がありません。脇を締めてまっすぐ振り下ろすようにしましょう。
 
「腕の使い方は『太鼓をたたく』ようなイメージでやるといいでしょう。腰の前あたりにある太鼓をたたくように腕を振ります。前に振るときは手の親指の爪がアゴのあたりに来るように。後ろは腰の後ろあたりまでしっかり振り切ります」
 
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■早く走る方法を子どもたちへどう伝えるか

ここまで為末さんにお話を聞いていて、何度も出てきたのが「経験、体験」という言葉。
 
「イベントなどで子どもたちに走り方を教える機会も多いのですが、ドタドタ走っている子に『ドタドタしないで!』と注意しても伝わりません。いまの状態を否定されているだけですから、子どもは困ってしまうだけです。僕の感覚では、中学2,3年生からは言葉で説明してスッと入って行きやすいようになるのですが、小学生のうちはまず体験して、身体で感じて、できるように流れがスムーズです
 
 為末さんもイベントなどでは、身体を使って遊びながら自然に正しい姿勢や動きが身につくような種目を心がけてやっているそうです。
 
「自由と放任、示唆してあげることと矯正することの境目も難しいですよね。でも、子どもたちには悪い箇所を消すのではなく、良かった点を言ってあげた方が広がっていくものです。『できた!』という喜びがあって、楽しいと思えば後は自動走向でやっていく。理由や理屈は後からわかるようになると思います」
 
 知識より体験。為末さんは、子どもたちにはまず身体を動かして、色々なことを体験してほしいといいます。
 
「子どもたちにとっては自分が伸びていくことが何よりも大切です。振り返ってみれば、昨日より今日が良くなっていることが多いはずです。まずは自分で自分を褒めてあげること。周りもできないことを責めるより、できたことを褒めてあげることが重要です。また子どもたちは、経験から多くを学ぶ時期にあります。同じスポーツの中でも色々な動きにチャレンジする。または違うスポーツで普段はやらない動きにチャレンジしてみる。こういう経験がスポーツだけでなく、今後に生きてくると思うので、どんどんいろんなことにチャレンジしてみてください」
 
 

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為末大//
ためすえ・だい
男子400mハードル日本記録保持者。シドニー、アテネ、北京と3大会連続で五輪に出場。世界選手権では2001年のエドモントン大会、2005年のヘルシンキ大会で銅メダルに輝く。2012年に現役を引退した後は、アスリートのセカンドキャリア支援、講演、執筆など、幅広い分野で活躍している。
 
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取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部・田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より)

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