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柿谷選手のファーストタッチ⑥

2014年2月25日

キーワード:コントロール

【練習の目的】
●ボールコントロール技術の向上
 
 
<2013年4月6日 鹿島アントラーズ VS セレッソ大阪>
 
それはつねにゴールを狙うフォワードの習性か。前半35分、キム・ジンヒョンのライナー性のロングフィードを、右足アウトサイドでアクロバティックに処理すると、すぐさまゴールを確認。バウンドに合わせて打ったドライブ気味の縦回転をかけたシュートは、バーに直撃し惜しくもゴールにはならなかった。
 
 
■一般的なセオリー
 
一般的なセオリー01一般的なセオリー02一般的なセオリー03一般的なセオリー04
 
 
インサイドトラップ→ターン→シュート
 
【やり方】
 
1.ボールの落下点を想定し、ポジションを移動する
2.バウンドに合わせて足元にトラップ
3.シュートを打つためにターン
4.キーパーの位置を確認してシュート
 
 
■柿谷選手の選択
 
柿谷選手の選択01柿谷選手の選択02柿谷選手の選択03柿谷選手の選択04
 
 
アウトサイドトラップ→シュート
 
【やり方】
1.ゴールを背にしたまま右足アウトサイドで左後方にボールをコントロール
2.パスの勢いを利用して右足首でボールを浮かす
3.キーパーの位置を確認してシュート
 
【ポイント】
1.余分な力は抜いてひざと足首は柔らかく
2.トラップの際、足を高く上げても上半身のバランスは崩さない
3.トラップは次にシュートを打ちやすい位置にコントロール
4.ボールの軌道と足が届く範囲を把握しておく
 
 
■効率的かつ相手ディフェンダーの意表を突くトラップ
 
味方ゴールキーパーからのパントキックは、基本的には相手ゴールを背にして相手ディフェンダーと競り合います。しかし相手選手がいないスペースにいた柿谷選手にピンポイントでライナー性のボールが飛んできたため、柿谷選手はフリーでボールを受けることができました。周りに相手選手がいないなら、競り合う必要はありません。トラップしてボールを確保するのがセオリーです。ボールの落下点に移動して、利き足のインサイドでトラップするのが最もミスをしない選択肢です。しかし、それではゴールに背を向けているために相手の脅威になるようなプレーはできません。ゴール方向にターンしても相手ディフェンダーに詰められる時間をつくることになってしまい、ボールを奪われる可能性が高まります。
 
そこで柿谷選手はワントラップでゴールを向くプレーを選択しました。ボールの勢いが強いのでとても落下点に移動する時間はありません。右足を伸ばしてアウトサイドでトラップするのが精いっぱい。通常ならトラップミスをして相手にカットされてしまいます。柿谷選手はこの状況をトラップひとつでチャンスに変えてしまいました。右足のアウトサイドで左後方にボールを落とすとトラップで振り上げた右足の遠心力を利用し素早く反転。次の瞬間にはゴールキーパーの前目のポジショニングを確認し、ドライブ回転のシュートを放ちました。
 
かつて徳島ヴォルティスで柿谷選手を見ていた美濃部氏(現・長野パルセイロ監督の)は彼をこう評しました。
 
「曜一朗よりシュートがうまい選手は何人もいる。けど、彼のファーストタッチはすごい」
 
柿谷選手本人もかつてインタビューで「トラップがすべてだと思っている」と発言していますが、サッカーはカテゴリーが上がる毎にファーストタッチの重要性が増します。それはプレースピードと判断スピードが高まるためです。相手のプレッシャーが速くなり、味方の動き出しも速まります。そのためトラップミスをすれば味方へパスを出す機会を失いボールを奪われます。いかに自分の思い通りにボールをコントロールすることができるか、それが重要です。ジュニア年代では、トラップが少しずれても相手をドリブルで2人3人と抜いて状況を打開できるケースがあるかもしれませんが、それもカテゴリーが上がるとつれて徐々に通じなくなります。しかし逆の見方をすれば、正確なトラップを身につければボールを奪われない、ということになります。カテゴリーが上がってボールを奪われるようになってから、トラップを改善しようと思ってもなかなか難しいものです。ジュニア年代から子ども自身が有効だと思えるところにボールをトラップできるように、意識させて考えさせることが大切です。
 
 
柿谷選手のファーストタッチ①>>
 
【柿谷曜一朗選手のテクニック記事はコチラ】
 
 
■実演
菊池コーチ
菊池健太コーチ
考える力が身につくサッカースクール「シンキングサッカースクール」
考えることを楽しみ、チャレンジすることを楽しむサッカースクール。子どもが考えること、チャレンジしやすい環境を心がけ、心からサッカーを楽しむことを目指している。
 
構成/文 出川啓太(サカイク編集者)
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写真/サカイク編集部 撮影協力/フットサルパーク吉祥寺

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