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バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法

なぜ今のスペインやバルサがあるのか?25年前の転機と、育成への思い

2012年7月10日

キーワード:スペイントレーニングバルセロナ知のサッカー練習育成

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なぜ、スペイン代表やFCバルセロナが隆盛を誇っているのでしょうか。FCバルセロナのメソッド部門責任者をつとめるジョアン・ビラ氏に、育成の歴史とバルサが目指す育成について語ってもらいました。
 
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■コーチの仕事とは何か?

25年ほど前、バルセロナに体育学を教える「イネフ」という施設ができました。そこでサッカーやバスケットボール、ハンドボールなどを特別に学んだ人たちが、指導の道に進みました。それとともに、カタルーニャサッカー協会に指導者養成コースができ、『サッカーを教える』ことについて学んだ人たちが増え始めました。
 
それまで、専門的な知識を持たない人たちが子どもを教えていたのですが、バルセロナでは25年ほど前から状況が変わって来たのです。ちなみに、サッカーサービスのカルレスコーチも「イネフ」で学んでいます。
 
25年前に比べれば、子どもたちが受ける指導の内容も良くなってきています。我々は「サッカーを知りたい、学びたい!」という強い意欲を持った指導者が増えることが、子どもたちにとって良い指導をすることになり、その国のサッカーのレベルアップにつながると信じています。
 
この連載で再三、お伝えしていますが、子どもたちにとって重要なのは週末の試合の結果ではありません。大切なのは、子どもたちにサッカーを教えることのできる指導者のもとで、その年代で学ばなくてはいけないことをしっかりと学ぶことです。
 
そのことから、育成年代の選手をあずかるコーチは、子どもたちにサッカーを教えることのできる人であってほしいと願っています。選手が18人いるとして、9対9にわけて、「じゃあ試合をしよう」と言うのは簡単です。練習メニューを組み立て、プレーを修正することよりも楽にできます。しかし、それがコーチの仕事でしょうか? 
 
コーチの仕事は、子どもたちにサッカーを学ばせることです。医者でも先生でも、学ばずにその職業につくことはできません。子どもたちの将来をあずかる育成部門のコーチは、意欲と向上心を持ち、選手がよりよいプレイヤーになるための手助けをすること。それがコーチの仕事であり、私がバルサで下部組織のコーチに伝えていることでもあります。
 
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■相手チームよりもサッカーを楽しみ、学んだ上で勝つ

サッカーのプレーをすることイコール『学習の課程』です。子どもたちはプレーをすることにより、様々な経験を積んでいきます。日々、トレーニングをしてプレーすることは、レベルアップの階段を1つずつ登っていくことなのです。サッカーの上達に終わりはありません。10歳のときにパスを身に付けたからといって、次のカテゴリーではパスのトレーニングをしなくてもいいとは、誰も思いませんよね。すばらしいパスを出すために、トレーニングを続ける必要があります。我々指導者の仕事は、選手をパーフェクトな状態に持っていくこと。そのためには、指導者自身が学び続けることが大切なのです。
 
いい指導者のもとで、子どもたちはサッカーを学んでいます。そして、週末に試合があります。保護者のみなさんは、子どもたちが試合を終えて、家に帰ってきたときになんと声をかけますか?
 
子どもたちが保護者に必ず聞かれること。それは「今日の試合、勝った? 負けた?」です。しかし、果たしてそれは最初に聞くべきことでしょうか。育成年代では、勝ち負けが優先順位の一番上ではありません。
 
もっとも大切なのは、子どもたちが「楽しんだかどうか」です。2番目が「何を学んだか」。そして、3番目が「勝ち負け」についてです。私は「勝たなくていい」と言っているわけではありません。選手や監督は当然、勝ちたいと思っています。その気持ちはすごく大切です。ただ、結果だけを残すのではなく、相手チームよりもサッカーを楽しみ、学んだ上で勝つ。バルサでもそれを目指していますし、『メソッド部門』の責任者として、下部組織のコーチに伝えていることでもあります。次回の更新では、私がバルサの下部組織で行なっている仕事の一部を紹介したいと思います。
 
 
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ジョアン・ビラ・ボスチ//
Joan Vila Bosch
FCバルセロナでクライフと共にプレーし、引退後はバルサの下部組織で14年間監督を務めた。現在はバルサのメソッド部門ディレクターとして、下部組織におけるトレーニングの進化・改善、コーチの指導を担う。監督時代はシャビ、プジョルなど現在のバルサの中心選手を育てた。
 
 
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取材・文/鈴木智之、写真/小川博久、取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan

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