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バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法

バルサの育成を知り尽くしたサッカーサービスの指導メソッド

2012年2月15日

キーワード:スペイントレーニングバルセロナ知のサッカー練習育成

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※通訳は、FCバルセロナスクールコーチの村松尚登氏が担当
 
FCバルセロナの下部組織で14年に渡って指導し、現在はバルサのメソッド部門ディレクターとして、下部組織の進化・改善を担うジョアン・ビラ。シャビを育てた名伯楽としても知られる彼が率いる「サッカーサービス」が1年ぶりに来日し、日本の指導者向けのクリニックを開催しました。連載第1回は、そのクリニックの模様をレポートします。
 
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■試合とほぼ同じ状況を再現する「グローバル・メソッド」

ジョアン・ビラは指導者クリニックの冒頭でこう言いました。「我々のトレーニングスタイルは他とは違います。我々のトレーニングは『選手たちがプレーを理解し、プレーを学ぶこと』を向上させるものです」。
 
クリニックでは選手たちがサッカーを理解し、学ぶためにポイントとなる「グローバル・メソッド」の説明と実践がおこなわれました。
 
「グローバル・メソッドは、試合とほぼ同じ状況を再現することによって、サッカーで大切な『状況把握』『判断』『実行』の3つをバランスよくトレーニングすることができる方法です」(ジョアン・ビラ)
 
多くのチームはボールを蹴る(実行)などのトレーニングは熱心におこないますが、相手や味方、スペースなどを見て(状況把握)、いつ、どこへ、どう動くか(判断)のトレーニングに割く時間は、それほど多くはありません。サッカーサービスは、身に付けた技術を効果的に発揮するために、状況把握、判断の重要性を強く訴えます。その部分に長けた『賢い』選手がシャビであり、イニエスタなどバルセロナの選手たちなのです。
 
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グローバル・メソッドの指導実践では、4つのテーマにあわせたトレーニングが行われました。
 
●テーマ1 『パスのレベルアップ』
練習メニュー:「3+3+1フリーマン対3」
 
●テーマ2 『スペース認知』
練習メニュー:「グリッドを4分割し、空いたゾーンを目指す3対3+3フリーマン」
 
●テーマ3 『サポートの意識を高める』
練習メニュー:「連続する3対2」
 
●テーマ4 『コントロール・オリエンタード』
練習メニュー:「ゾーンを3つに分けた4対4+1フリーマン&2GK」
 
※グローバル・メソッドおよび練習メニューの詳細は、今後の連載の中でお伝えしていきます。
 
「グローバル・メソッド」で行われるトレーニングには、すべて自分・相手・味方・スペースという概念があります。そして、いつ・どのタイミングで・何を観て・どこへ動き・どんなプレーをするかという、『状況把握』『判断』『実行』の3つが含まれています。すべてがサッカーの状況に落とし込まれた練習メニューなので、実際の試合で起きる現象が次々に出てきます。選手たちはその中で、チャレンジを繰り返していきます。実戦に近いため、気を抜くことなく、集中した状態で強度の高いトレーニングが繰り広げられるのです。
 
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※クリニックには多くの指導者が参加し、彼らの話に耳を傾けた
 
 

■選手自らが考える環境を作り出す

ジョアン・ビラは言います。「我々が考える良い選手とは、賢い選手です。ロボットのようにオートマティックにプレーさせるのではなく、賢い選手になるために質問をし、考えさせる指導をしています」
 
そのために実践に近い状況を作り出し、絶えず認知・判断・実行をするように仕向けた練習メニューを組み立てていました。彼らは決して、頭ごなしに「こうプレーしなさい」とは言いません。選手たちのプレーを見て、フリーマンの数を増やしたり、グリッドを広くしたり、ルールをシンプルにしたりと、臨機応変に練習内容を変えていきます。そうして、トレーニングの狙いが頻出する状況を作り、そこに対して質問をしたり、「周りを見て」「落ち着いて」などのシンプルなアドバイスを繰り返し、選手自らが考える環境を作り出していきます。
 
かつてバルサの下部組織でセスク・ファブレガスやジェラール・ピケを指導した、カルレス・ロマゴサは言います。「グローバル・メソッドでは、技術の動作的な部分を完璧に習得することはできないかもしれません。しかし、状況把握・認知・実行の3つを同時に学習することが可能です。複合的な要素を学ぶことにより、その選手の持つ技術を、実戦で活かすことができるようになります」
 
カルレス・プジョルのパーソナルコーチをつとめた、ダビッド・エルナンデスは説明します。「あるテーマの練習をする際に、すべてのプレーが狙い通りにできるわけではありません。ミスは必ず起きます。それは当然のことです。ミスを繰り返すことによって、少しずつできるようになっていくのです。それはきれいな字を書くために、何度も書きなおすのと同じことです。ミスはつきものであって、トライ&エラーを繰り返すことが大切なのです」
 
指導者クリニックの最後に、ジョアン・ビラは柔和な表情で参加者たちに語りかけました。
「理論と実践には距離があります。理論を知ることは大切ですが、学んだ理論をピッチの中で応用し、実践することこそがなによりも重要なのです。ここで説明したのは唯一無二の正解ではなく、我々の提案です。これが日本の指導者、そして選手たちがレベルアップする助けになることを願っています」。
 
サカイクでは、今後サッカーサービスの指導メソッドを徹底紹介していきます。
どうぞ、お楽しみに!
 
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ジョアン・ビラ・ボスチ(写真:中央)//
Joan Vila Bosch
FCバルセロナでクライフと共にプレーし、引退後はバルサの下部組織で14年間監督を務めた。現在はバルサのメソッド部門ディレクターとして、下部組織におけるトレーニングの進化・改善、コーチの指導を担う。監督時代はシャビ、プジョルなど現在のバルサの中心選手を育てた。
 
カルレス・ロマゴサ・ヴィダル(写真:右)//
Carles Romagosa Vidal
FCバルセロナ下部組織の監督として5年間活躍し、ボージャン、ピケ、セスク・ファブレガスらを指導。また、スクールディレクターを務めた経験を持つ。現カタルーニャ・サッカー協会 副テクニカル・ディレクター兼プロジェクト・コーディネーター。
 
ダヴィッド・エルナンデス・リヘロ(写真:左)//
 David Hernández Ligero
現在、サッカーサービス社においてテクニカル・ディレクターとしてクラブコンサルティングを担当。また、プジョルのパーソナルトレーナーを務めた経験を持つ。カタルーニャサッカー協会副テクニカル・ディレクターやVic大学「フットボール方法論」教授などを兼任する。
 
 
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取材・文/鈴木智之、写真/小川博久、取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan 

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