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東北の元気を届ける『仙台だより』

震災から1年、昨年中止のチビリンピック東北大会が無事開催

公開:2012年3月13日 更新:2012年3月14日

キーワード:ベガルタ仙台仙台だより応援プロジェクト

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※ベガルタ仙台赤嶺選手・角田選手を囲み復興支援への感謝の横断幕を掲げる参加チームの選手達
 
東日本大震災からちょうど1年が経過した3月10~11日。宮城県サッカー場にて「JA全農杯チビリンピック2012小学生8人制大会東北ブロック予選」が行われました。昨年は大会前日に発生した震災により、大会が中止となったため、東北代表は出場できませんでした。今年は無事に大会が開催され、あらためてサッカーができる喜びを感じられる大会となりましたが、一方で厳しい環境の中この大会に出場したチームもあり、復興への道のりの遠さも感じられました。
 
 

■宮城のACジュニオールが全国決勝大会進出決定!

昨年チビリンピック東北ブロック予選は、3月12~13日に宮城県サッカー場で行われる予定でしたが、前日に震災が起きて大会は中止となりました。その後8月に東北ブロック予選に出場予定だったチームが安比高原スポーツパークに集まり、「東北復興大会」と名前を変えて大会を行いましたが、全国決勝大会は5月に既に終了しており、東北代表チームを全国決勝大会に出すことはできませんでした。
 
今年は無事に大会が行われ、東北6県それぞれ2チームが代表として出場し、総勢12チームが5月に横浜で行われる全国決勝大会を目指して戦いました。11日の決勝戦前にはベガルタ仙台の赤嶺真吾選手、角田誠選手が参加チームの子ども達を激励しました。そして11日14時46分には、全員で黙祷を行いました。
 
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※1年前震災が発生した3月11日14時46分に全員で黙祷
 
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※子ども達の激励に訪れたベガルタ仙台赤嶺真吾選手(左)、角田誠選手(右)
 
決勝に進出したのは、宮城県の2チーム、ベガルタ仙台ジュニアとACジュニオールでした。共に宮城県の強豪としてしのぎを削り合ってきたチームで、互いの意地がぶつかり合いました。第1ピリオドでACジュニオールの齊藤正人選手が先制ゴールを決めると、ベガルタ仙台ジュニアも角田拓海選手がミドルシュートを決めて1-1で第1ピリオドを終えました。その後第2・第3ピリオドは互いに決定機を決めきれず、延長戦でも決着が付かず勝敗はPK戦に持ち込まれました。PK戦はACジュニオールが2-1で勝利し、優勝したACジュニオールが全国決勝大会出場を決めました。
 
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※決勝戦で先制ゴールを決めて喜ぶACジュニオール齊藤正人選手
 
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※優勝したACジュニオールの選手達
 
ACジュニオール内田桂太郞監督は「みんなで優勝目指して頑張ってきたので良い結果が出て良かったです。ベガルタは県内の強豪チームですし、越えなければ全国には行けません。頑張って勝てたことは良かったですし、そのために練習してきました。全国大会は2回目で、前回は何も知らないで行ったのですが、今回は2回目なので全国で戦うために良い準備をしたいです」、得点を決めた齊藤選手は「ゴールを決めてとても嬉しかったです。ドリブルやシュートでみんなを驚かすすごいプレーをしたいです。全国大会に行ったら強い相手がいると思うので、そうしたチームにも勝てるように頑張りたいです」とそれぞれ全国決勝大会への意気込みを語っていました。
 
 

■大会が無事に行われたことを喜ぶ指導者たち

今回の大会は、震災からちょうど1年の節目の日に行われたこともあり、改めて被害に遭われた方を思う声が指導者の方から多く聞かれました。
 
「たくさんの方が震災に遭われて犠牲になられて、選手の親戚も亡くなりました。(優勝できて)いろんな方々にも良い知らせができたと思います」
(宮城県:ACジュニオール内田監督)
 
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※胴上げされるACジュニオール内田桂太郞監督
 
「こういうゲームができることがありがたいことです。岩手県も被害があって指導者仲間も亡くなってしまいましたが、そういう方々の思いも汲んで指導を続けて行きたいです」
(岩手県:山岸SSS吉田隆一監督)
 
「八戸でも被害に遭った方が間近にいました。被害に遭ったところはサッカーどころではありませんでした。被害を受けた家もまだそのままの所があります。サッカーだけでも子ども達にさせてあげたいと思っています」
(青森県:ヴァンラーレ八戸U-12小田芳信監督)
 
また、直接の被害は少なかったチームからも、
 
「予選では沿岸部のチームもいましたが、運良く勝ち上がれました。他のチームの分も頑張ろうとしました。元気なプレーを伝えられればと思って大会に臨みました」
(岩手県:グルージャ盛岡鈴木純監督)
 
と厳しい状況にあるチームの分まで頑張りたい気持ちが強かったようです。
また、大会が開催できたこと自体への感謝の声もありました。
 
「大会ができたことが一番です。昨年一日前の震災でこの大会ができなかった悲しい思いをしましたので、大会の開催にあたって主催者側の方々やサッカー協会の皆様に感謝したいです」
(宮城県:ベガルタ仙台ジュニア壱岐友輔監督)
 
こうして無事に幕を閉じた今大会でしたが、福島県から参加した2チームの指導者の方々は厳しい現状を口にされました。大会レポート後編では、いまだ苦しい状況に置かれている被災地の現状についてお伝えします。
 
 
レポート後編「福島県の厳しい現状...復興はまだこれから 」を読む>>
 
 
【大会結果】
JA全農杯チビリンピック2012小学生8人制大会東北ブロック予選
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取材・文・写真/小林健志

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