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自ら考えて行動する子どもに育てる合言葉「プレイヤーズファースト」

プレイヤーズファースト実践【前編】 考える力を伸ばす5つの自由

2013年11月12日

キーワード:サポート育成

 体罰問題、スポーツ現場の暴言、暴力の問題が注目を集める中、「子どもたちを褒めて伸ばす指導がいい!」「子どもたちの自主性を尊重しよう!」という機運が高まっています。その大前提となる、子どもたちをサッカープレイヤーとして尊重し、サポートに徹するための「プレイヤーズファースト」を考える連載の第二回。今回は【前編】と【後編】にわけて、大人が子どもたちに認めてあげたい「自由」についてお伝えします。
 
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■実践プレイヤーズファースト! 子どもたちに「5つの自由を」

「うちの子にはまだ早いかも」「どうせ、そこまでの選手にはなれないから」「プロなんてムリ、ムリ」自分の子どものことは自分が一番よく知っている。サッカーに限らず、私たち大人は知らず知らずのうちに子どもたちの限界を決めつけ、成長を妨げている可能性があります。もちろん、サッカーでプロ選手になるのは狭き門。すべての子どもたちが思い通りの道を歩めるわけではありません。反対に、「絶対にプロ選手になるのよ」「これだけ一生懸命協力しているんだから」などといった過度の期待にがんじがらめになっている子どもも少なくありません。
 
 こうした子どもたちは「期待されない」、「期待されすぎ」という両極端な状態にありますが、どちらも心に重い鎖を付けられた不自由な状態でサッカーをしなければいけません。
 
 今回は、こうした状態から子どもたちを解き放ち、自尊心と考える力を育むために必要な「5つの自由」について考えてみましょう。
 
  1. 夢を持つ自由
  2. 子どもでいる自由
  3. 自分で決める自由
  4. 才能を伸ばす自由
  5. 失敗する自由
 
 これが、プレイヤーズファーストを心に留めた大人たちに、次に考えてほしい「5つの自由」です。どうでしょう? なかには一目見ただけでは真意がわからないものあるかもしれません。もちろんすべて、サッカーに当てはまるお話ばかりです。それでは、子どもの自尊心を育て、考える力を伸ばす「5つの自由」について、ひとつずつ見ていきましょう。
 
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■すべてのサッカーキッズには「夢を持つ自由」がある

 まず子どもたちを「親の気持ち」から開放してあげること。これが第一の自由、つまり「夢を持つ自由」です。ひとたびサッカーに出会い、ボールを蹴り始めた子どもたちは、誰でも「夢を持つ自由」があります。メッシのようにドリブルしたい、クリスチアーノ・ロナウドのように華麗なフェイントでゴールを量産したい。香川のようにマンチェスター・ユナイテッドでプレーしたい。本田のように日本代表を引っ張りたい……。
 
 子どもたちには夢を持つ自由があります。その夢を笑ったり否定したりすることは、周りの大人が「夢を持つ自由」を奪うことに違いありません。メッシも、ロナウドも、香川、本田もはじめは小さな身体に大きな夢を持った少年だったのです。「それに伴う努力」が必要になるのは言うまでもありませんが、まずは「夢を持つ」ことがすべてのはじまりです。
 
 

■大人の論理を振りかざさない できないのは大人のせい

「子どもは小さい大人ではありません」
 これはJFAのU-12ハンドブックやプレイヤーファーストを啓発する小冊子にも掲載されている言葉です。子どもたちと接するとき、一番に気をつけたいのが、アプローチの仕方です。子どもと大人ではまず身体の作りが違います。経験が違います。使う言葉も見ている世界も違います。大人が言ったことがすべて伝わるとは考えないようにしましょう。
 
「なんで言われたとおりにできないんだ?」「練習通りにやれ!」
 試合会場でこうした声が聞こえることがありますが、すべては「わかるように教えていない大人のせい」。試合でそれができないのも大人に原因があるのです。
 
 子どもと話すとき、あなたは子どもの目線に下りて行っていますか? 子どもたちの見る世界を想像したことがありますか? 大人たちよりもはるかに地面に近いところで、子どもたちはどんなことを感じ取っているのでしょう? 子どもたちには大人の顔色をうかがったり、無理に大人の感覚に合わせなくてもいい「子どもでいる自由」があります。
 
 どんな子どもにも才能が伸びる瞬間は必ず訪れます。その“来るべきとき”に、どんな準備をして臨めるか? その子なりの成長の最大値までのびのび成長できる環境を整えてあげることが、周りの大人たちのできることです。プレイヤーズファーストの実現のためにはまず、大人が子どもを信じて自由を託すこと。次回は、自分で決める自由、才能を伸ばす自由、そして失敗する自由について、お伝えします。(11月13日更新予定)
 
 
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大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/新井賢一(ダノンネーションズカップ2013より)

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