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ボランティアコーチお助け隊

"鬼ごっこ"で身につくサッカー選手に必要な3つのスキル

2016年8月 6日

キーワード:U-6U-8ボランティアコーチ練習メニュー高峯弘樹鬼ごっこ

こんばんは。ボランティアコーチお助け隊の高峯弘樹です。今回は、ボールを使わない“鬼ごっこ”でサッカーに必要なスキルを学ぶトレーニングの考え方、そして、さらにボールを加えることでサッカーにどうつながっていくのかということについてお話をしていきたいと思います。(企画・構成 木之下潤)

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■鬼ごっこがサッカーに役立つ3つの理由

これまでの連載でも“鬼ごっこ”を活用した練習メニューがサッカーに役立つことを提案してきました。今回は主に“U-6・8年代”の選手たちを対象に話を進めていきます。まず、この年代の子どもたちにとって「なぜ、鬼ごっこがサッカーに役立つのか」という理由がおわかりでしょうか。わたしは、簡単に3つのことが挙げられると考えています。
 
 
【鬼ごっこがサッカーに役立つ理由】
1.対人感覚が養える
2.人とスペースが認知できるようになる
3.駆け引きが身につけられる
 
そもそも鬼ごっこは、“相手”がいて“逃げる”“追いかける”という動きを行います。サッカーになぞられると“逃げる”はドリブル(=攻め)かもしれませんし、“追いかける”はボールを奪うこと(=守り)かもしれません。
 
いずれにしろ、つねに相手がいることを意識して行動を起こさなければならないため、鬼の立場であっても、そうでなくても「自分はどうしよう?」というマインド(=考え)で動かなければならず、比較的サッカーと似ている状況がたくさん生まれます。
 
いつもわたしは「どこに逃げようか?」と、子どもたちに問いかけながら鬼ごっこをしていますが、これも小さい頃から「顔を上げる習慣」、そして“相手(=敵、あるいは味方)”と“空いた場所(=スペース)”を読み取る訓練をさせるためです。
 
わたしの経験上、“スペース”や“状況確認”といった子どもにとって難しい専門用語を使ってしまうと、身につけられるスキルも半減してしまいます。また、わたしは“作戦”という言葉を付け加えています。
 
「どういう作戦で逃げようか?」
「どういう作戦で捕まえようか?」
 
作戦は、サッカーでいえば“戦術”です。何の考えもなく本能で好きなように動くことと、相手を意識しながら、考えながら体を動かすことはまったく違う習慣です。つまり、子どもたちにとって「どうしよう?」と考える作業が鬼ごっこにはいっぱい詰まっています。
 
サッカーは状況に応じてプレーするわけですから、いくら練習とはいえ、“相手”がいなければ成り立たないというのがわたしの考えです。そこに“ボール”という要素が加えたら、よりサッカーの状況に近づけることが可能です。
 
ただU-6~8年代はボールを扱う技術が未熟なので、アップ時からボールを持たせてしまうと、この年代で養うべき身のこなし=体の使い方(=コーデョネーション能力)をきちんと学ぶことができません。
 
だから、まずはボールのない鬼ごっこで“相手”を意識しながら“空いた場所”を認識して“逃げる”、また“相手を追いかける”という動きを身につけることが大事です。
 

■鬼ごっこ1

 
上記の映像では、二人一組のボールなしの鬼ごっこをやっています。一人で鬼ごっこをやるものと具体的に何が違うのか、おわかりでしょうか。
 
サッカーの観点でいえば、“競り合い”という要素を入れています。一人で動くことはとても簡単なことですが、二人になると一気に自由が奪われます。サッカーはボールを奪い合うスポーツだから、競り合うことは必須です。ぶつかり合うことはもちろん、相手に体を寄せられながらボールを扱うことが必要になり、相手との間合いやその時々の状態での体の使い方を覚えなければなりません。
 
手をつないで二人一組にすれば、これらを体感することができます。当然、ペアの相手と違う方向に進むこともあるから、そこでは“右”や“左”といった自分の意思を伝えることもあるでしょう。言葉をかけずとも相手の力のかけ具合で、どちらの方向に進みたいのかを体で読み取る力も養えるでしょう。
 
そこに、違うペアが鬼として存在しているので、そこには一人の時と同じように“作戦(=戦術)”が生まれ、“空いた場所”を把握しておくことが前もって必要になります。と同時に、相手との駆け引きが発生します。右に行くと見せかけて左に行く、ハイスピードの相手を待ち受けて急な方向転換や急スピードで交わすなど、相手の力を利用することもコーチの問いかけ次第で意識させられるようになるはずです。
 
少し上級者向けになりますが、二人一組というセットは“味方”という要素が加わることになりますので、設定次第で「味方と、どうすれば状況を解決できるのか?」を学ぶことも可能になります。しかし、鬼ごっこ1の練習は主旨が違うため、味方という紹介はまた別の機会にやりたいと思います。
 
この練習は、わたしも鬼ごっこに参加しました。コーチも一緒に楽しく練習すれば、自然に子どもたちも笑顔で練習するようになります。子どもたちにとっては百聞は一見にしかず。外から指示だけ飛ばしていても子どもに伝えられないものもありますし、コーチが参加することで外からだけでは見えないものを感じられ、目の前の子どもたちに今必要なものが見えるかもしれません。すべての練習に入る必要はありませんが、特にU-6~8年代のころはアップ時ぐらい参加してみてもいいのではないでしょうか。
 

■鬼ごっこ2

 
鬼ごっこ2では、ボールを加えました。当たり前ですが、サッカーはボールスポーツなので、ボールを伴った体の使い方を身につけることは必要不可欠です。
 
鬼ごっこという設定にすれば、鬼がボールを奪いに来るので、ドリブルで交わさなければなりません。この練習の設定では、鬼はつねに自分を狙っているわけではありませんから、鬼の位置を確認しながらドリブルすれば、「ボールを運ぶ」という要素に切り替わりますし、完全に空いた場所に自分がいるのであれば立ち止まってもいいわけです。ようするに、いろんなドリブルのパターンを学ぶことができます。
 
サッカーは、どんな状況に置いてもボールを中心に目の前で起こる状況を解決する力を培わなければなりません。そのためにもボール扱いは大事な技術だから、鬼ごっこを活用してそこに対人要素を加えたら一石二鳥。U-6~8年代は追いかけっこが大好きだから、子どもたちも楽しくプレーに必要なスキルを身につけることができます。
 
 
次ページ:鬼ごっこ3

 
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