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やっぱりみんな困っている!? 子どものサッカー ホントのトコロ

目標設定シートで夢を叶えよう! 子どものやる気を引き出すメンタルトレーニング

2013年7月22日

キーワード:メンタル育成

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 読者アンケート「保護者のお悩みを教えてください!」に基づく連載もいよいよ終盤です。もともと「理論や概論はわかっているけど、じゃあどうしたらいいの?」という保護者の方のお悩みに寄り添い、もっとリアルな話がしたい! ということで始まったこの連載。サカイクでは、ご協力いただけた保護者の方になりかわって東海大学体育学部、高妻容一教授に質問をぶつけてきました。
 
 
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■やる気スイッチはどこに?

 まずひとつ目のお悩みは「子どもたちのやる気スイッチを入れる方法が知りたい」というお父さんからの相談。「ポジティブな声がけをして、無理をせずに自発的なやる気が出てくるまで待ちましょう」というのが理想なのは間違いありませんが、そこはリアルな悩みを解決しようというこの連載。もう少し食い下がって質問を続けました。
 
質問
「子どもたちが『プロ選手になりたい』と言うので、できる限りのサポートをしたいと思っています。一見、やる気があるように見えるのですが、なかなか持続しません。子どもたちの自主性、やる気を引き出す方法はあるのでしょうか?」
 
「プロになりたい!」一見やる気がある子ども
 
 お父さんに詳しいお話を聞いてみると、押しつけでサッカーをやらせているわけではないということなんです。お父さん自身も社会人までプレーしていたサッカー経験者ですが、自分の考えを押しつけるのは良くないと、あまり口を出さないように気をつけているそうです。それでも子どもたちが『将来はプロ選手になりたい!』と真剣に言うので、それならばもう少し練習にも真剣に取り組んでほしいと少し歯がゆい思いをしているようです。
「『自分がサッカーをやっていたから子どもにもやらせたい』と、子どもたちの気持ちを端から無視して『サッカーをやらせる』保護者の方は減ってきているのかもしれませんね。これが一番良くありませんが、話を聞く限り、このお父さんはそこに気をつけていらっしゃる様子です。でもやる気がないように見えてしまっている。ここはやはりお子さんが自発的にやる気になるようにするしかありません。内発的モチベーションといいますが『プロ選手になりたい』という漠然とした夢を具体的にしてあげることが大切なのではないでしょうか。私のメンタルトレーニングでも目標設定を作る『目標設定シート』を書くということやっています」
 
※クリックすると印刷用PDFをダウンロードできます
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 高妻先生が取り出したのはメンタルトレーニングの書き込み用紙。縦軸には『夢のような目標』から始まって『最低限度の目標』『50年後の目標』『30年後の目標』『10年後の目標』『5年後の目標』……今年、半年、今月、今週、今日、今と、時間軸が並んでいます。
 
「ここに人生の目標、スポーツの目標を書いてもらいます」
 
 小学生には少し難しいのでは? と思った親御さんも多いでしょう。確かに50年ごと言われてもパッと思いつくのかどうか……。
 
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■目標設定シートで夢へのプロセスを具体的に

「スラスラ書ける子はいますよ。イチロー選手にしても本田選手にしても、子どもの頃から明確に将来の目標、自分のプレーを描写している文章が残っていますよね。そこには夢にいたるプロセスもきちんと描かれています。もちろんすべての子どもがはじめから書けるわけではないので、サポートは必要ですね」
 
 高妻先生が教えてくれたのは「家族みんなでワイワイ話ながらやってみること」。
 
「お父さんも一緒に自分の夢を書き込んでみてください。ご相談にあったお父さんなら、10年後にサッカーとどう関わっていたいか自分でも考えてみるのもいいかもしれません」
 
 『プロ選手になりたい』という目標は夢のような目標になるのかもしれません、そこから時間をどんどん遡っていくことで、夢に到達するための努力目標が見えてきます。確かに子どもたちも『プロになりたいけど、いまは何をしていいかわからない』と思っていたのかもしれません。目標設定シートを埋めていくことで「今日の練習」と「プロとして活躍する自分」がつながるようになるかもしれません。
 
 

■他人とも昔の自分とも比べない

「自分はサッカー漬けの青春だったので、口にはしませんが、やっぱり子どもたちの練習を見ていると物足りなさを感じてしまいます。プロになりたいならもっと練習しないと……」
 
 やる気を引き出すこともそうですが、サッカー経験者のお父さんは練習にも心配がある様子です。
 
「これは比べるのを我慢することですね」
 高妻先生のアドバイスはこうです。
 
「他人と比べるのは絶対ダメです。よその子と比べてはいけないのはなんとなくみなさんにもわかってもらえると思いますが、この場合のお父さんは「過去の自分」と比べてしまっています。練習をたくさんやればうまくなると言うのはある意味では正しいですが、それが自発的な練習でなければ効果はありません。やはり、しっかり目標設定をして、やる気を引き出すのが先決です」
 
「もうひとつ気をつけてほしいのが」高妻先生が続けます。
 
「練習でもチームでの練習は別にして、子どもが自分から言い出した目標を否定しないでください。目標設定の段階で『そんなことできないよ』『もう少し回数減らしたら』という声はかけない。失敗してもいいんです。とにかくやってみて、失敗から学ぶことにチャレンジさせてあげましょう」
 
 相談者のお父さんはJリーグ観戦に子どもたちを連れて行ったり、イベントなどで憧れの選手に触れ合う機会を持ったりと、かなり工夫してやる気を引き出そうと努力されています。
 
「それでもうまくいかない」と、お悩みのようですが、高妻先生が繰り返し言っていたのは「やる気を引き出すのに“魔法”はありません」という言葉。
「メンタル・トレーニングというくらいですから、やはりトレーニングなんです。どうしてこうなんだろう? と悩むよりも、保護者の方がきちんと勉強して、メンタルトレーニングを積み重ねていけば、状況は変わっていくはずです」
 
 今回は「やる気を引き出す方法」について、読者の方の具体例になるべく寄り添ってお話を聞きました。次回は「褒めるばかりでいいの?」子どもへの接し方についてお聞きします。
 
 サカイクでは、今後も保護者の方の“リアル”を追求すべく、アンケートなどで質問やご相談を募集していきます。「やるべきことはわかっているけど、そう簡単にはいかない」「具体的に方法を知りたい」と言う方はぜひご協力ください。
 
 
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大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部・田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より)

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