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中村憲剛の「KENGOアカデミー」

「ボールを持つと慌てる、簡単に取られる」そんな選手が意識すべき2つのポイント

2016年8月23日

キーワード:JリーグKENGOアカデミー中村憲剛川崎フロンターレ練習

相手がいないところでのボール扱いは上手なのに、試合になると慌ててしまい、相手に簡単に取られてしまう。あなたのお子さんはどうでしょうか?そこで、「もっと集中して!」「落ち着け!」「周りを見て」と言ってもなかなかうまくはいきません。
では、日頃からどのようなことを意識し、トレーニングに取り組めばよいのか?常に冷静なプレーでゲームをコントロールする中村憲剛選手に教えてもらいました。
 
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【読者の質問】
僕はサイドバックをやっていますが、ボールを持つと慌ててしまい、取られてしまいます。コーチには「周りを見とけ」と言われ、意識しているんですが、判断が悪く、上手くいかないです。どうやったら上手くいきますか?
また、取られない持ち方はどういうものですか?
(S・Yくん/15歳)
 
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【憲剛選手の回答】
質問ありがとう!
KENGOアカデミーで多く寄せられたのが、この「ボールを取られてしまう」という悩みです。
ボールを持った時のプレーに自信がない選手に、今日からできるアドバイスを送ります。
 

■顔を上げれば世界が変わる

子どもたちのサッカーを観ていると、「この子はボールを取られないだろうな」、逆に「この子はボールを取られそうだな」というのが、だいたい分かります。
 
それは顔が上がっているかどうか、です。
 
守る側の立場になって考えて下さい。
 
顔が上がっている選手は、こちらの動きも、周りの動きも見えているので、たくさんの選択肢があります。そういう選手に飛び込んでいくのはリスクが大きいと感じて、奪いに行きづらい。
 
顔が上がっていない選手が見ているのは、自分の足元にあるボールだけです。パスコースがあったとしても気付いていないので、守る側からすればボールを奪いに行きやすい。
 
ボールを持つと慌ててしまうという選手は、自分のテクニックに問題があると思っているかもしれません。確かにテクニックを磨くことは重要ですが、まずは顔を上げてみましょう。
 
最初は足元のボールがどうなっているか、自分の目で見ないと不安かもしれませんが、それでも顔を上げてみましょう。
 
大げさかもしれませんが“世界”が変わります。
 
KENGOアカデミーのDVDで僕のプレーを見てもらえれば分かりますが、僕はボールをトラップしたり、ボールを蹴ったりする瞬間以外は、常に顔を上げてプレーしています。
 
顔が下がっている時間を限りなく“ゼロ”にすることによって、プレーの選択肢が広がるからです。
 
最初からずっと顔を上げ続けるのは難しくても、ちょっとずつ顔を上げる時間を長くしていきましょう。そうすることで試合中も堂々と、自信を持ってプレーできるようになるはずです。
 
P1030757.JPG
 

■内田篤人のうまさは「ボールの置きどころ」にある

僕自身はサイドバックではありませんが、一緒にやっていてうまかったなと思うサイドバックは内田篤人選手(シャルケ04)です。
 
内田選手と他のサイドバックが違うのは、「ボールの置きどころ」でした。
 
一般的なサイドバックの選手は、ボールが来た時に外側にコントロールします。相手選手はサイドバックから見て、内側から寄せて来ることが多いので、ちょっとでも遠い位置にボールを置きたいという意識が働くからです。
 
だけど、外側にボールを置いてしまうと、身体も外に開くのでピッチの内側を見ることができません。パスを出す方向や、ボールを運ぶ方向が限定されるので、相手にとってプレッシャーをかけやすくなります。
 
でも内田選手はボールが来た時に、あえて相手がいる内側にコントロールします。もちろん、相手との距離がすごく近い時は、外側に置くこともありましたが、コントロールする余裕がある時は内側にボールを置く。
 
そうすると、身体が中を向きます。そうすれば中にいるボランチやセンターバックへのパスコースが確保できるし、外側に運んだほうが良ければ、そうすることもできます。
 
外に置くか、中に置くか——。ボール1個分ぐらいの差かもしれません。だけど、それによってプレーの選択肢は大きく変わります。
 
内田選手は相手との距離の取り方もうまかった。僕がボールを持っていて、サイドバックにパスを出そうとします。
 
このとき、相手が近くにいて、その場でボールを受けたらプレッシャーをかけられそうだと感じたら、スッと1、2歩動くんです。ちょっとしたことなのですが、それによって相手との間合いができて余裕を持ってプレーできる。
 
そのあたりのセンスは、僕が一緒にプレーしたサイドバックの中でも突出していました。
 
相手に寄せられても慌てずにプレーできるサイドバックは、すごく頼もしい存在です。ぜひ、そんな選手を目指してほしいなと思います。
 
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中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。小学生時代に府ロクサッカークラブでサッカーを始め、都立久留米高校(現・東京都立東久留米総合高校)、中央大学を経て03年に川崎フロンターレ加入。06年10月、日本代表としてデビュー。国際Aマッチ68試合出場6得点(2015年2月現在)。05年から14年まで10年連続Jリーグ優秀選手賞を受賞。Jリーグベストイレブン5回選出。
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構成:北健一郎 協力:ケンプランニング

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