1. サカイク
  2. 連載
  3. 中村憲剛の「KENGOアカデミー」
  4. 好きな選手の蹴り方を真似しても、同じようにボールが飛ぶとは限らない

中村憲剛の「KENGOアカデミー」

好きな選手の蹴り方を真似しても、同じようにボールが飛ぶとは限らない

2015年11月 9日

キーワード:JリーグKENGOアカデミー中村憲剛川崎フロンターレ練習

川崎フロンターレのキャプテンとして、そして日本屈指のゲームメーカーとして今もなおトップレベルで活躍する中村憲剛選手。「KENGOアカデミー」では、そんな彼がサカイクを読む保護者のみなさんと、子ども達に向けて、これまでのサッカー人生で培ってきたサッカーがうまくなるヒントをお伝えしてきました。
 
そして今回からは、みなさんからいただいた連載記事に対する質問や、日ごろ抱えている悩みなどについて中村憲剛選手本人がお答えしていきます!
 
<< 前回 | 記事一覧 | 次回 >>
 
 
【読者の質問】
中村憲剛選手はシュートやパスなど、キックを振り切るときどこから動かす意識をしていますか?
(K・Gくん/10歳/DF)
 
kick.jpg
 
【憲剛選手の回答】
質問ありがとう!
 
サッカー少年・少女から「どうすればケンゴ選手みたいなキックが蹴れますか?」という質問を受ける機会は本当に多いです。やっぱり中村憲剛=キックというイメージがあるんだろうし、キックにこだわってきた人間としては、こういう質問をされることはうれしい。
 
だけど、実を言うと聞かれるたびに「う〜ん」と答えに詰まってしまっています。
 
自分の技術を教えたくないというわけではありません(笑)。できることなら、軸足をここに踏み込んで、足をこれだけ振り上げて、こうやってボールに当てて……と詳しく教えてあげたい。でも、そうやって教えたとしても、その選手にとって果たして良いアドバイスになっているのというと、疑問だからです。
 

■キックがうまくなるコツは、自分に合った蹴り方を「見つける」こと

DVD(サッカーがうまくなる45のアイデア)の中でも繰り返し言っていますが、キックの蹴り方は本当に人それぞれ違います。人間というのは、足の長さも違えば、パワーも違えば、足の付き方だって違う。全く同じ蹴り方をできるわけがないんです。
ちなみに、僕の場合は普通にしていても、足が英語の「O」という文字のように開いてしまう「O脚」と呼ばれる形をしています。ガニ股とも言われますが(笑)。
 
O脚の人の足の特徴として、膝が最初から外側を向いているので、インサイドが蹴りやすいという利点があります。僕が試合中のキックのほとんどをインサイドで蹴るのは、それが一番自然に蹴りやすいからです。O脚な分、他の人よりもインサイドの面を作って、ボールにミートするまでの動作が、ちょっとだけ速くなる。
 
逆に、僕の場合はアウトサイドをほとんど使いません。アウトサイドで蹴るときは、膝を中に向けて、足の外側を押し出すようにしてインパクトします。でもO脚の僕の場合、膝が外側を向いているので、その動作がちょっとやりづらいし、他の人よりも余計に時間がかかってしまう。
 
だから、アウトサイドで蹴るのは相手が寄せて来ていなくて余裕があるときや、アウトサイドで蹴った方がパスを受ける味方にとって良いパスになると思ったときぐらいです。
アドバイスする指導者や保護者の方も、そこは十分に気をつけて下さい。例えば、好きな選手のキックフォームを見て、真似をする。これ自体は悪いことだとは思いません。だけど、同じように蹴ったからといって、同じようなボールが飛んでいくかというと、そうではない。むしろ、体格に合わない蹴り方をしていると怪我にもつながります。
 
キックがうまくなるには、自分に合った蹴り方を「見つける」ことが重要です。どうすれば見つかるのか? シンプルですが、2人で向き合って対面パスをやってみましょう。そのとき、ピシッと勢いのあるボールを蹴れることがあります。それこそが、自分に合った蹴り方です。でも、普通はまた同じように蹴ろうとしてもうまくいかないはずです。
 
大事なのは、うまく蹴れたときの感覚を覚えておいて、何度も何度も繰り返すこと。最初は10本中2本しか思い通りのボールが蹴れなかったのが、3本、4本、5本……とだんだん増えていく。そうやって、10本中10本になるようにしていきましょう。僕自身もまだまだ完璧ではありません。10本中10本を目指して毎日練習しています。
 
kengo2-2.pngのサムネイル画像
 

■相手に予測されない蹴り方とは?

キックについて、僕が心掛けているのは、相手に読まれないように、できるだけコンパクトな振りで蹴ること。ボールを蹴るときは、勢いをつけるために足を後ろに振り上げる「テイクバック」と呼ばれる動作が入ります。
 
同じ場所から、同じようなキックでパスを出しても、相手にカットされてしまう選手と、ちゃんと味方につながる選手がいます。その大きな要因はテイクバックの違いにあると思います。
 
テイクバックというのは、いわば「これからキックをする」というメッセージを相手に伝えているようなもの。その時間が長ければ、守る側の選手は準備もできます。だから、テイクバックの時間が長いパスは出してもカットされる確率が高くなってしまう。
 
僕は10メートル以内の味方にパスを出すときは、ほとんどテイクバックをとらないように心掛けています。テイクバックの幅としては、50センチぐらいでしょうか。そうすることで、守る側の選手に準備する時間を与えず、気がついたときにはパスを出されていたという状況を作るよう努力しています。
 
小さいテイクバックで、ピシッとしたボールを蹴るには、正確にボールを当てる技術が必要です。それができないと、ボールに十分にパワーが伝わらず、スピードも出ません。テイクバックを小さくしようとして、弱いパスにならないように気をつけましょう。
 
ただし、シュートのときテイクバックは大きめになっています。なぜかというと、僕の場合、シュートはペナルティエリアの外から打つことが多いからです。なのでしっかりとテイクバックをとってインステップにボールを当てて飛ばすことを心掛けています。
 
kengo8-2.jpg
 

■足の振り抜き方もキックによって使い分けよう!

もう一つのポイントは蹴った後の足です。キックをするときは、蹴った足を「振り抜く」というイメージを持っている人が多いですが、振り抜いたほうがいいときと、振り抜かないほうがいいときがあります。
 
20メートル先の選手に、相手の頭の上を越えるロングボールを蹴るときは、振り抜くべきです。でも、5メートル先の選手に、グラウンダーでつなぎたいときに、大きく振り抜く必要はありません。むしろ、大きく振り抜くとボールに余計な回転がかかったり、パスのスピードが強くなり過ぎたりして、ミスにつながります。
 
僕は、グラウンダーのパスを出すときは、蹴った足を「振り抜く」のではなく、その場に「止める」イメージで蹴っています。そうすることで、ボールにかかる回転が少なくなって、味方の足下にピタッと収まるようになります。
 
このような蹴り方も人から教わったものではなく、自分で蹴っている中で発見したものです。自分で見つけて、考えて、深めていく——。それこそがサッカーが「うまくなる」ということだと、僕は思います。
 
これが質問の回答になっているかはわからないけど……、今回はここまで。「KENGOアカデミー」ではみなさんからの質問をお待ちしています!
 
 
【中村憲剛選手への質問を募集】
サッカーをうまくなりたい皆さんの質問に中村憲剛選手が答えます!
shitsumon.PNG
 
<< 前回 | 記事一覧 | 次回 >>
 
【告知】
■KENGO Academy~サッカーがうまくなる45のアイデア~
中村憲剛が自身の選手経験の中で積み重ねてきた「サッカーがうまくなる45のアイデア」をひとつにまとめた教材ができました。全て本人出演・解説による本物の「技術」と「駆け引き」を学んでください。
kengodvd.JPG
・DISC1:ベーシックスキル編
・DISC2:ゲームメイク編
2枚組DVD、解説テキスト付き(A4、36ページ)
詳しくはこちら>>
 

中村憲剛が教える
「サッカーがうまくなる5つの秘訣」を配信中!

KENGO Academy

サッカー上達のコツを知りたいならKENGO Academyメルマガ(無料)に登録しよう!
今なら中村憲剛のメソッドをまとめた70ページにおよぶ特典PDFも無料プレゼント!

※メールアドレスを入力して「メルマガに登録する」ボタンをクリックしてください。

※このメール配信はいつでも簡単に解除することが可能です。

 
kengo.jpg
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。小学生時代に府ロクサッカークラブでサッカーを始め、都立久留米高校(現・東京都立東久留米総合高校)、中央大学を経て03年に川崎フロンターレ加入。06年10月、日本代表としてデビュー。国際Aマッチ68試合出場6得点(2015年2月現在)。05年から14年まで10年連続Jリーグ優秀選手賞を受賞。Jリーグベストイレブン5回選出。
1
構成:北健一郎 協力:ケンプランニング

関連記事

関連記事一覧へ

中村憲剛の「KENGOアカデミー」コンテンツ一覧へ(24件)

コメント

  1. サカイク
  2. 連載
  3. 中村憲剛の「KENGOアカデミー」
  4. 好きな選手の蹴り方を真似しても、同じようにボールが飛ぶとは限らない

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 『リスペクト宣言』って知ってる⁉ 公式戦で大声や怒声を響かせるのは、もう止めよう
    2016年11月30日
  2. 正確に止めて蹴るプレーが速さにつながる!その秘訣は「軸足」と「姿勢」にあり
    2016年12月 1日
  3. 球際の競り合いで勝てるようになる!ルーズボールを奪う3つのコンタクトスキル
    2016年12月 5日
  4. 中澤佑二選手に聞く、周りに差をつけた食事へのこだわりとは?
    2016年11月29日
  5. 押し出すインサイドキックはNG?長い距離でも減速しない正確で速いパスの蹴り方
    2016年11月28日
  6. サッカーパパ・ママ必見!子どもの"積極性"を育むバディ流子育て7のコツ
    2016年12月 2日
  7. 意外と知らない!メッシやクリロナのように速くドリブルをする3つのコツ
    2016年11月25日
  8. サッカー少年を伸ばす親はなにが優れているのかがわかる記事7選
     
  9. ウチの中でも簡単にできる!こっそりサッカー自主トレーニング
    2012年6月26日
  10. ジャージorピステ 寒い日に用意したいのはどっち!?
    2011年10月16日

一覧へ